2024.01.09.Tue リノベーションのヒント

外構リフォームの費用感と注意点は?ビフォーアフターなど事例も紹介!

リノベーション 外構

なかなか掃除が行き届かない、家の外側。帰宅時など日が沈んで暗いとそこまで気にならなくても、日中に太陽の光の下で見てみると、家の外観が思いのほか懸念劣化している……なんてこと、ありますよね。こういった家の外側であるフェンスや門扉、玄関までのアプローチ、車庫、植栽などは「外構(がいこう)」と呼ばれ、家の「顔」を決める重要な要素です。リフォームというと家の内側ばかりが着目されがちですが、デザイン性だけではなく家の機能性もあげられる「外構リフォーム」についても関心がある人が、最近では急増中。

持ち家の経年劣化や心境の変化などでリフォームを考えている人は、ぜひ外構リフォームを検討してみてはいかがでしょうか。いざトライするとなると、お金が予想外にかかるのではないか?どこから手をつけたらよいか?業者選びはどうしたらよいか?注意すべきことは?など、気になる点はたくさん。早速見ていきましょう!最後に、ビフォーアフター事例も紹介していきます。

外構リフォームとは

外構リフォームとは?タイプは大きく3つ

外構とは、家の外側であるフェンスや門扉、玄関までのアプローチ、車庫、植栽など、家の外側にある構造物のこと。建物の印象を決める上ではとても大切な、家の「顔」ともなる部分です。常に外にあるため雨風などにさらされて、気がつかないうちに劣化していることも多くあります。そこで最近注目されているのが、外構リフォーム。外構リフォームを施すことで住宅のデザイン性が向上するのはもちろん、家族のライフスタイルの変化に合わせ、暮らしやすい家づくりをかなえることができます。

外構には、大きく分けて3つのタイプがあります。

1つは、「オープン外構」。欧米の住宅によく見られ、隣の土地や道路との境界を仕切るフェンスや塀を極力設置しないタイプで、住宅が囲われておらず開放感があります。隣の土地や道路の境界線には、ポストのついた門柱を建てたり、玄関へのアプローチとしてコンクリートやタイルを強いたり、植栽を植えることで区別をします。フェンスの設置など大がかりな工事が少なくて済むので、費用を抑えやすいのも魅力。

2つは、「クローズ外構」。日本の住宅によく見られ、隣の土地や道路との境界に高い塀やフェンスを設置し、住宅を周りから完全に囲うようにします。門扉や車庫の入り口にもゲートなどを設置し完全に住宅の敷地を囲うため敷地内は外からは見えにくく、プライバシーの確保や防犯性が高まります。

3つは、「セミクローズ外構」。オープン外構とクローズ外構の中間のようなタイプです。隣の土地や道路の境界に塀やフェンスを設けるものの、その高さを低くするなどして敷地を完全に囲わないようにします。アプローチや玄関は門扉を設置したり、外からは見られたくないバストイレなどの一部を囲ったりと必要なプライバシーや防犯性は高めつつ、外観としてはある程度開放的な雰囲気に。クローズ外構とオープン外構のそれぞれのメリットを組み合わせたタイプといえるでしょう。

外構とエクステリアとの違い

「外構」と混同されやすい言葉に、「エクステリア」という言葉があります。その違いは、外構が家の外側のそれぞれの「構造物」を指すのに対し、エクステリアは家の外側の「空間」そのものを意味します。外構がいくつも集まることで、エクステリアがつくられているというイメージです。そのため、外構はエクステリアの一部。ピンポイントで一つの構造物だけをリフォームする場合は「外構リフォーム」と呼ばれますが、複数の外構リフォームを一緒に組み合わせて行う場合は「エクステリアリフォーム」と呼ばれることが多いようです。

工事依頼はどのようにするか

依頼先はどうする?安心できる業者の探し方

新築で建てる場合には、建築を依頼しているハウスメーカーや工務店に一括で外構工事の依頼をすることも可能です。家づくりと合わせて同時に打ち合わせできるので、話が進みやすいのがメリット。住宅のイメージと外構の雰囲気を合わせることもできます。ただし、外部の外構専門業者に依頼することもあるため、中間マージンが発生して料金が割高になることも懸念されるでしょう。

既に築年数が経っている住宅を外構リフォームする場合は、専門性の高い「外構専門業者」がおすすめです。外構工事に特化しているため事例も多く、希望の形や予算にも柔軟に対応してくれることが多くあります。いろんな種類の外構のリフォームに対応できる業者も多くありますが、その業者の得意分野を押さえておくことが大事。ホームページや業者を訪問した際に、過去の外構リフォームの事例にどんなものがあるかチェックして、理想をかなえてくれそうな業者を探しましょう。
リノベーション業者
外構といっても、フェンスや門扉、玄関までのアプローチ、車庫、植栽など、その種類はさまざま。特に、フェンスや車庫などの設置は建築基準法の適応を受けるべく工事の場合も多くあるので、詳しい業者への依頼がおすすめです。逆に、植栽をメインにリフォームする場合は樹木の特性を理解する造園に詳しい業者への依頼がおすすめです。工事後のアフターフォローについても確認しておきたいところです。

納得のいく外構リフォームを敢行するためにも、過去事例を見つつ、何社かに相見積もりをとりつつ、業者はじっくりと決めたいもの。リフォームをはじめたい時期から逆算して、余裕をもって業者探しをしておきたいものですね。

ここは伝えて!外構リフォーム依頼時の注意点

リフォームの際、できあがってみてイメージと違っていた……ということはよく聞く話。そういったことにならないように、細かいイメージまでその都度業者に伝えることが大切です。言葉で伝えると齟齬のもとになる場合もあるので、写真など共通認識がもてるものを使っての共有が望ましいでしょう。

とくに外構リフォーム依頼時に注意したいのは、リフォームしたい場所にだけ視点が集中するあまり、リフォームが完成して全体感で見てみると、そこだけ浮いたように新しくなってしまいかえってバランスのとれない外観になってしまうこと。点で見るのではなく、線でみることです。全体感で認識しつつ、実際のライフスタイルの動線に当てはめながら、希望を伝えるようにしましょう。不安な点があったら、それが解消するまで遠慮することなく一つひとつ確認していくことも大事です。デザインや色はもちろん、製品のグレードもあわせておくと、バランスを取りやすくなります。また、周囲の住宅とのバランスを考慮するのも大切。周囲とあまりにも異なる雰囲気になってしまうと、場合によっては悪目立ちしてしまうことも……。

費用相場と費用をおさえる方法

どこを外構リフォームするかや内容にもよりますが、一つの場所に絞れば50万円以内でおさめることも可能。100万円くらい見積もっておくと、かなり印象をかえることができるでしょう。
リノベーション外構 予算

50万円以内の場合

予算が50万円以下と決まっている場合は、エクステリア一式を工事するのはなかなか難しいものです。優先度の高い一つの外構箇所に絞り、外構リフォームをしましょう。門扉のまわりは外から見て目につきやすく、アップデートしたことが一目瞭然。イチからつくるには予算外の場合もありますが、交換程度であれば予算内におさえることもできるかもしれません。50万円以内の外構リフォームでおすすめなのは、植栽。グリーンが家のまわりにあるだけで、エクステリアのデザイン自体は変わらなくてもがらりと雰囲気が変わり、明るい印象に。外構箇所の優先順位をつけたら、施工業者に予算の上限を伝えて一番とりかかるべきはどこなのか、相談してみるといいでしょう。50万円以内でできる外構リフォームには、例えば下記のようなものがあります。

・門扉の交換
・手すり、スロープの設置
・植栽
・照明の設置や交換
・アプローチ造設(砂利、コンクリート、タイルなど)
・サイクルポートの造設
・カーポートの改修
・バルコニー、ベランダ、ウッドデッキの改修
など

100万円かける場合

100万円予算がある場合は、いくぶん範囲を広げることができます。外構リフォームをする人がほぼ、この価格帯で見積りを取っていることが多いようです。車庫と玄関へのアプローチを含んだ中規模な外構リフォーム工事や一部新築外構なども、100万円あれば可能な場合も多くあります。ただし、リフォーム対象の面積にもよります。面積が広い場合は当然費用もかかり、そうなると安い素材のものなどで妥協して後で公開する場合も。予算と希望をよく業者に相談するといいでしょう。
100万円以内でできる外構リフォームには、例えば下記のようなものがあります。

・駐車場の改修
・人工芝の造設
・塀、目隠しフェンスの造設
・サンルーム、テラスの造設
など

無料でリフォーム!?使える補助金は?

外構リフォームは、国や自治体が提供している補助金制度の対象となることもあります。代表的なのが、街の景観づくりやヒートアイランド現象の緩和と親和性の高い、庭の外構リフォームです。活用すればコストを抑ながら理想の外構リフォームを実現できるので、住んでいる自治体に対象となる制度がないか確認してみましょう。外構リフォーム業者に相談するのも1つの手です。
参照:住宅リフォーム資金助成(目黒区)

また、リフォームする住宅に介護保険の対象者がいる場合は「高齢者住宅改修費用助成制度」を利用できる可能性があります。介護を目的とした住宅改修工事のみが対象で、スロープや手すりを取り付けてバリアフリーを目指す外構リフォームには有効な場合があります。支給限度基準額は20万円で、工事費用の最大9割を限度額として助成を受けることができます。例えば20万円の工事を行った場合、工事費の9割である最大18万円が支給される計算です。
参照:住宅改修費の支給(目黒区)

段差解消が目的の工事であれば、介護保険を利用できる可能性があります。適用されると、玄関から道路までのスロープ設置やコンクリート舗装などに対し、支給限度基準額(20万円)のうち9割(18万円)を上限とした住宅改修費が支給されます。 こちらも、住んでいる自治体に対象となるかどうか確認してみましょう。

ここはDIYでもOK!な場所とは

費用をおさえたい場合は、DIYをしてみるのもいいでしょう。DIYは内容によっては大変な作業ですが、自分で選んだり作ったりする楽しみは何にも変えられません。レンガや砂利を敷いたり花壇を作るなどは、比較的簡単。市販の人口木のウッドデッキもおすすめ。必要な金具類がセットになったキットになって売られているものが安心です。一方で、同じ敷きつめるにしても、タイル貼りや土間コンクリートなどは難易度が高いため、業者に依頼したほうが安全です。また、支柱を地中深く埋め込む必要がないタイプの簡易的な背の低いフェンスなどであれば、DIYでも比較的安全に設置できたりもします。地面に固定しないタイプの自立型フェンスであれば、簡単に設置することができます。

優先度低い場所はシンプルに

当然ながら内容がシンプルであればあるほど、費用をおさえることができます。着手前に全体感で把握して、レイアウトやデザインをこだわりたい部分の優先順位をよく考えてみましょう。優先順位の低い場所はシンプルなものを選ぶことに徹底すると、比較的予算をおさえやすいです。

エリア別費用相場と施工事例の紹介

フェンス

フェンス単体の価格は、製品によってかなり差があります。幅1m前後のものであれば、安いものは5,000円から、高いものは10万円程度するものまで。素材がスチール製ものは比較的安く、ウッド調の物だと高い傾向にあります。既存のフェンスがある場合は解体工事、資材費、施工費、基礎工事費、組積工事費、諸経費など合わせると、フェンス10mのリフォーム総費用としては30万円程度が相場といわれますが、フェンスの種類や業者の施工費の違いなどによっても変わります。当然ですが、設置スペースの広さにもよっても費用感がかなり変わります。

門扉

フェンスなどのエクステリア全体も込みでのリフォームとなると100万円を超えてしまうことも多いですが、門扉自体を取り付けるのは、50万ほどあれば可能です。門扉を交換するのは、商品のグレードによって異なりますが、10〜30万円が相場。ただし、新しく取り付ける際に扉のサイズが合わないとなると解体工事などが発生することもあり、別途費用がかかるでしょう。
リノベーション外構

玄関までのアプローチ

門扉から玄関までのアプローチのリフォームも、家の外観をがらりと変えられます。砂利やタイルなどを敷き詰めたり、コンクリートで整備することが多いです。素材やデザイン、また施工面積によって費用が異なりますが、だいたい10〜30万円が相場。どんな素材を使用するかで印象がかなり変わるので、イメージをしっかりともって業者さんとのやりとりを進めるとよいでしょう。オプションで、階段、照明、スロープ、取っ手などを設置することもできます。

ガレージやカーポート

外構リフォームの対象となることが多い車庫。車庫には、「ガレージ」と「カーポート」の2種類があります。ガレージとは、三方を壁で囲まれておりシャッターを閉めると四面すべてを囲えるもの。外と完全に遮断できるので、車を雨風から守ることができます。カーポートは、一般的に柱と屋根のみで構成された車庫 のこと。住宅の敷地内に独立したガレージを新しく作る、もしくは建て替えの費用は、100万円前後は必要になります。ガレージを設置する際には、建築確認申請の手間や固定資産税がかかることがあるため、そういった意味でも大がかりな工事になりやすいです。簡易的で1台用のカーポートを設置する場合は、おおよそ10〜40万円で施工できます。耐雪仕様のものや、2台用のものへリフォームする場合は、値段はまちまち。高いものでは本体価格だけでも200万円を超える場合もあります。
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植栽

外構リフォームの中でも雰囲気をがらりと変えられる!と人気の植栽。庭に木陰をつくることで、さらに快適に過ごすことができたりも。植える植物や植え方、建物の状況や広さで大きく違いがありますが、目安として一式で約10万円から約20万円。一本だけ植えるという場合は業者にもよりますが、一本あたり1万円ほどでそれに作業費用をプラスした金額が目安となります。施工する量が多くなればなるほど、一本あたりや面積あたりの金額は安くなっていくことが多いです。

ここまで変わる!ビフォーアフター集

家構えの雰囲気ががらりと変わり、よりよくなった!という外構リフォームの事例をご紹介します。
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家の印象を格段によくしてくれ、より暮らしやすくしてくれるのが外構リフォーム。具体的なイメージをふくらませながら、ぴったりの業者を探しましょう。業者が決まったら、密に連絡を取ることがポイント。デザイン、機能、価格ともに後悔のない、理想の外構リフォームを実現させたいものですね。

WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

藤本 恭好TAKAYOSHI FUJIMOTO

デザイナー/大阪府豊中市出身/何事もバランスが大事! を念頭に相談者さまの頭の中を整理するデザイン提案を心がけています/
音楽・映画・食・サッカー・笑いをこよなく愛し 誰かに喜んでいただく事がまわりの人・地域・社会へ伝播することを信じています

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