2024.03.08
最終更新日
2026.04.09
リノベーションのヒント

リフォームで壁は撤去できる?費用相場と3つの注意点【事例あり】

リフォーム 壁 撤去

「リビングをもっと広く使いたい」「部屋が窮屈に感じる」ため壁を撤去するリフォームをしたいとご相談をよくいただきます。しかし、どのくらい費用がかかるのか、そもそも壁は撤去できるのかなど疑問に思うこともたくさんありますよね。

今回は、壁を撤去するときの費用相場と、3つの注意点をご紹介します!リフォーム事例も交えて、壁を撤去する以外の解決策もご紹介するので、是非参考にしてみてください!

壁を撤去するときの3つの注意点

壁を撤去しても安全面で問題はないのでしょうか?また、壁を撤去することで生じるリフォーム箇所について解説します。

撤去できる壁か確認する

家の構造によっては撤去できない壁もあります。自分でも撤去できる壁の見分け方をご紹介するので参考にしみてください。

建物の骨組みとなる壁は撤去できない

木造戸建の場合「在来工法」と「2×4工法」の2つの建て方があります。
日本で古くからされている在来工法は、柱と梁で組み立てられているため、基本的に間仕切り壁は撤去しても構造的に問題はありません。一方で2×4工法は壁で家全体を支えているため、壁を1箇所でも撤去してしまうと構造のバランスが崩れてしまうため、撤去することができません。

ただし、在来工法であっても、筋交という柱と柱の間に斜めに組まれる構造材がある場合や耐力壁は撤去することができません。
筋交があるか、耐力壁かどうかを自分で判断することは難しいため、施工業者に現地調査をしてもらい確認しましょう。

マンションではほとんどの場合、間仕切り壁を撤去できます。ただし、マンションでも壁式構造という壁で構造を支えている建物では壁を撤去することができません。どちらにしても、プロに確認することが重要です。

また、壁を撤去できても梁は撤去できません。もし梁の下に間仕切り壁がある場合、壁を撤去しても思ったより天井から出た梁が目立つと感じる場合もあります。仕上がりがどのように見えるかも合わせて事前に施工会社に確認しておきましょう。
リノベーション 梁

撤去できる壁の見分け方

簡単な見分け方として、壁をコンコンとノックして音を確かめる方法があります。
ノックした時に、音が軽く、中身が空洞になっているような音の場合は撤去できる壁です。一方で、ゴンゴンと低く、中身が詰まっているような鈍い音がする場合は、コンクリートなどでできた撤去できない構造壁である場合が多いです。

しかし、音だけで判断するのは危険です。音が軽くても筋交が入っていることがあります。ノックした時の音はひとつの判断基準として考え、必ずプロに確かめてもらいましょう。

撤去できない場合は?

「筋交がある場合は壁を撤去することができない」としましたが、厳密には壁を撤去することは可能です。
広く開放感がある部屋にしたいという場合には、筋交だけ残し壁を撤去するという方法があります。
リノベーション 筋交

ソファ手前の黒い金物が筋交(ブレース)

金属の筋交(ブレース)は意外と見た目が気にならず、見通しが良くなるだけで広く感じることができるのでおすすめです。

耐震性が下がる?

壁を撤去してしまうと耐震性が下がると心配される方も多いです。前述したように、戸建てでもマンションでも耐震性に関係している壁でなければ基本的に問題ありません。ただし、家のほとんどの壁を撤去してしまうなど特別な場合には注意が必要です。自分で判断せずプロに確認しましょう。

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コンセントなどの配線がないか確認

構造的に撤去できる壁だとしても、コンセントや電気スイッチがある場合や壁の中に配線されている場合は電気工事も必要になります。壁の撤去費用だけでなく、スイッチを移設する作業などで電気工事費用も追加になることを覚えておきましょう。

内装リフォームが必要になる

壁を撤去には解体工事だけでなく、壁が立っていた箇所の天井や床の補修が必要になります。また、部屋をひとつに繋げたのに壁紙の色や柄が違うと気になってしまいますよね。同じ壁紙でも新しい部分と古い部分の境目が目立ってしまうことがほとんどです。そのため、壁撤去に合わせて壁紙やフローリングの貼り替えリフォームをする方も多いです。壁撤去以外にも内装リフォーム費用がかかることを考慮したうえで計画しましょう。

壁撤去にかかるリフォームの費用相場

壁の撤去のみで10万円ほど

 

リフォーム内容費用相場
壁撤去のみ5~6万円
壁撤去+電気工事10~13万円

壁の撤去リフォームは作業範囲にもよりますが、1日で終わることがほとんどです。費用も5~6万円と意外とリーズナブルに感じる方も多いのではないでしょうか。壁の撤去に加えて、電気工事が必要な場合は追加で5万円ほどかかります。電気工事はコンセントの個数や配線ルートなど状況に応じて価格が大幅に変わるため、相場より高額になることもあります。
壁撤去の見積もりを確認する際は、撤去部分の補修費用や内装リフォーム、電気工事などの費用が含まれているかを必ずチェックしましょう。

壁を撤去して引き戸を設置


壁を撤去しても、状況に応じて部屋を仕切りたいという方は引き戸の設置がおすすめです。例えば、子どもが家を出たので子ども部屋とリビングの間仕切りを解体し、普段はリビングを広く使う、子どもが帰ってきた時は引き戸を閉めて来客用の寝室にするなど、引き戸があることで柔軟な使い方ができ便利です。
引き戸を設置する場合は、追加で15万〜20万円ほど必要になります。

壁撤去を伴うリフォーム事例をご紹介!

「リビングを広くしたい」「開放感がある部屋にしたい」など壁解体を伴うリフォーム工事の事例をご紹介します!部屋の目的に合わせてリフォームの方法を検討しましょう。

壁を撤去し、広々としたLDKに

リフォーム 壁撤去
リビングと和室に分かれていましたが、襖と壁を撤去することでLDKが約6畳分広くなりました。キッチンを囲んでいた壁も撤去することで、より広々とした空間に。

和室の壁を撤去して風通しのいい空間に

リフォーム 壁撤去
リビングにあった和室の壁を撤去し、小上がりの畳スペースに。リビングを広く見せながら、小上がりにすることで空間を自然に分けることができます。洗濯物を畳んだり、ちょっと寝転んで居眠りするスペースに人気のリフォームです。

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室内窓を設置して視線が通る書斎に

リフォーム 壁撤去
もともと引き戸だった場所を室内窓付きの壁にリフォームしました。「部屋は仕切りたくても閉塞感があるのが気になる。」というご要望で、壁で部屋が分かれていても室内窓から視線が抜けることで開放感がある部屋に。リモートワークで部屋に引きこもりがちでも、視界が開けていたり、外の景色が見えるだけで気分をリフレッシュできますよ。

壁撤去後の引き戸設置とは?

壁を撤去して部屋を繋げる際、完全にオープンにするのではなく、あえて引き戸を設置するリフォームが注目されています。壁を取り払うことで開放感を得られる一方で、冷暖房効率の低下やプライバシーの確保が難しくなるといった課題も生じます。 そこで、可動式の仕切りとして引き戸を取り入れることで、用途に合わせて空間を自在に使い分けることが可能になります。普段は扉を開け放して広々とした大空間を楽しみ、来客時や集中したい時には扉を閉めて個室化できる点が大きな魅力です。 ここからは、引き戸設置のメリット・デメリットや具体的な施工の流れ、費用相場、そして後悔しないための注意点について詳しく解説します。

引き戸設置を組み合わせたメリット・デメリット

壁を撤去して引き戸を設置する最大のメリットは、空間の開放感とプライバシー確保を両立できる点にあります。扉を開放すれば隣接する部屋と一体化して広々とした大空間になり、閉めれば独立した個室として活用できるため、ライフスタイルに合わせた柔軟な使い分けが可能です。また、引き戸はデッドスペースが少なく、家具の配置を妨げない点も魅力です。

一方で、壁を完全に撤去する場合に比べて、引き戸の製品代や設置工事費などの追加コストが発生する点はデメリットです。さらに、壁に比べて遮音性や断熱性が低くなりやすいため、音漏れや空調効率の変化を考慮する必要があります。メリットとデメリットを比較し、目的に適した選択をしましょう。

引き戸設置リフォームの施工内容と流れ

引き戸を設置するリフォームは、まず既存の壁を解体し、木くずや石膏ボードなどの廃材を搬出することから始まります。壁の内部に電気配線やスイッチがある場合は、専門の電気工事士が配線の移設や絶縁処理を適切に行います。 解体後は、引き戸を取り付けるための新しい枠組みを木材で造作します。この際、床の段差をなくすためにバリアフリー対応のレールを埋め込んだり、天井に強度を持たせて上吊り式のレールを固定したりする下地補強が欠かせません。 枠の設置が完了したら、周囲の壁紙やフローリングの補修を行い、内装を整えます。最後に建具の建て付けを微調整し、スムーズに開閉できることを確認して工事完了となります。工期は一般的に2日から4日程度を要します。

引き戸設置を含めた費用相場

壁を撤去して新たに引き戸を設置する場合の費用相場は、合計で20万円から40万円前後が目安です。この金額には壁の解体費用、廃材の処分費、電気系統の移設費に加えて、引き戸の製品代と取り付け工賃、さらに周囲の壁紙や床材の補修費用が含まれます。 選ぶ建具のグレードによって価格は変動し、特注サイズや高機能な製品を選ぶとさらにコストがかさむこともあります。また、床にレールを設置するか天井から吊るすタイプにするかなど、施工方法によっても大工工事の範囲が変わるため注意が必要です。 見積もりを確認する際は、単に本体代だけでなく、開口部の枠造作や内装の仕上げ代が全て含まれているかを必ずチェックしましょう。

引き戸設置の際の注意点

壁を撤去して引き戸を設置するリフォームでは、製品選びや設置場所を慎重に検討することが重要です。単に開口部を設けるだけでなく、完成後の生活を具体的にイメージしなければ、使い勝手が悪くなる恐れがあります。

引き戸の種類

引き戸には、床にレールを設置するタイプと、天井から吊るす上吊りタイプの大きく2種類があります。床にレールを敷くタイプは、気密性が比較的高く、扉の揺れも少ない安定した使い心地が特徴です。 一方で、上吊りタイプは床にレールがないため、段差がなく掃除がしやすいというメリットがあります。壁を撤去して部屋を繋げるリフォームでは、床の仕上げをフラットに保てる上吊り式が選ばれるケースが多いです。 また、扉の枚数によって片引き、引き違い、引き込み、引き込み3枚連動などがあり、開口部の広さや壁のスペースに合わせて最適な種類を選ぶ必要があります。デザインや機能面を考慮して検討しましょう。

生活動線に配慮する

壁を撤去して引き戸を新設する際は、リフォーム後の生活動線を具体的にイメージすることが欠かせません。扉を開けた状態と閉めた状態のそれぞれで、家族の移動経路や家事の効率が損なわれないかを確認しましょう。 特に、引き戸の引き込みスペースが家具の配置やコンセントの使用を妨げないか、またスイッチの操作位置が不便にならないかといった細かな配慮が重要です。 大きな開口部を設けることで空間の使い方は広がりますが、扉の開閉が頻繁になる場所では、周辺に障害物がないか事前にシミュレーションしておくことで、リフォーム後の暮らしやすさが格段に向上します。

室内環境の変化に配慮する

壁を撤去して引き戸を設置すると、部屋の広さや使い勝手が変わるだけでなく、冷暖房効率や音の伝わり方といった室内環境も大きく変化します。壁という遮蔽物がなくなることで、空調の効きが悪くなったり、隣室の生活音が以前より響きやすくなったりする可能性があるため、事前の対策が重要です。 特に広い空間を一つのエアコンで賄う場合は、容量が不足しないか確認しておきましょう。また、断熱性の高い建具を選んだり、隙間風を防ぐ工夫を施したりすることで、冬場の寒さ対策にもつながります。リフォーム後の快適性を維持するために、光熱費への影響やプライバシーの観点から、環境の変化を十分に想定しておく必要があります。

集合住宅の際の注意

マンションなどの集合住宅で壁を撤去する際は、管理規約の確認が最優先事項です。専有部分であっても、構造体に関わる壁の解体は厳しく制限されています。特に、壁で建物を支える壁式構造の場合、間仕切り壁に見えても撤去できないケースがあるため、事前に管理組合へ図面を提出し、承認を得るプロセスが欠かせません。 また、工事中の騒音や振動についても細心の注意が必要です。集合住宅は上下左右に住人が生活しているため、解体作業が大きなトラブルに発展することもあります。工事の実施にあたっては、近隣住人への事前の挨拶や説明を丁寧に行い、管理規約で定められた工事可能日時を厳守することが、スムーズなリフォームの鍵となります。

リフォーム 壁 撤去 引き戸に関するよくある質問

壁の撤去や引き戸の設置を伴うリフォームについて、よくある質問をまとめました。

Q.どんな壁でも撤去できますか?構造上問題はありませんか?

建物の構造によって、撤去できる壁とできない壁が明確に分かれます。木造住宅の2×4工法や、マンションの壁式構造などは、壁そのものが建物を支える構造材となっているため、安易に撤去することはできません。 一方、柱や梁で建物を支える在来軸組工法であれば、間仕切り壁の多くは撤去可能です。ただし、その場合でも耐震性を維持するために必要な筋交や耐力壁が含まれている可能性があり、これらは勝手に取り除くことができません。 自己判断で壁を壊すと建物の強度が著しく低下し、倒壊のリスクを招く恐れがあります。必ず専門知識を持つプロによる現地調査を受け、構造図面と照らし合わせながら安全性を確認した上で計画を進めることが重要です。

Q.引き戸は開き戸より使いやすいですか?後悔しませんか?

引き戸は、開閉時に扉が前後に動かないため、デッドスペースが発生せず家具の配置や動線を妨げにくい点が非常に優秀です。特に車椅子や歩行器を利用する場合も、扉を支えながら後退する必要がないため、バリアフリーの観点でも使いやすいといえます。 一方で、開き戸と比較すると気密性や遮音性が低くなりやすい傾向にあります。隙間から音や光、空調の風が漏れやすいため、静かな寝室や書斎として使う際には後悔を感じる可能性も否定できません。 設置後に後悔しないためには、空間の使用目的を明確にしましょう。家族が集まるリビングの拡張など、開放感を優先する場所には引き戸が適しています。用途に合わせた建具選びが大切です。

Q.引き戸の種類(上吊り・レール式)はどちらがいいですか?

上吊り式とレール式のどちらが良いかは、リフォームで重視するポイントによって異なります。 上吊り式は天井から扉を吊るすため、床にレールを設置する必要がありません。床面がフラットに仕上がるため掃除がしやすく、部屋同士の繋がりがより自然に見える点が大きな魅力です。段差がなくなることでバリアフリー化にも適しており、壁を撤去してリビングを広く見せたい場合に多く選ばれています。 一方でレール式は、扉の上下を固定するため安定感があり、上吊り式に比べて気密性や遮音性に優れています。音漏れを抑えたい場合や、冷暖房の効率を優先したい場合にはレール式が適しています。どちらのタイプが最適かは、その部屋の使用目的や日々の掃除のしやすさを考慮して選びましょう。

リフォームで壁を撤去して快適なお部屋に

壁の撤去リフォームのみでは5〜6万円程度です。しかし、壁の解体工事費用だけでなく、壁紙やフローリングなどの内装工事が必要になるため、見積もりにどのような工事が含まれているかも十分に確認しておきましょう。壁の撤去リフォームは「リビングを広くしたい」という方に特に人気の工事です。家具の配置やエアコンの位置など、自分の生活スタイルも考慮しながら決めましょう。

まとめ

壁を撤去して引き戸を設置するリフォームは、開放感とプライバシーを両立できる有効な手段です。施工の際は、まず建物の構造を確認し、撤去可能な壁かどうかをプロに判断してもらうことが欠かせません。その上で、電気配線の有無や内装の補修範囲、引き戸の種類による使い勝手の違いを事前に把握しておくことが大切です。 費用面では、解体費用だけでなく建具代や内装の仕上げ費用、電気工事費などが含まれるため、総額で20万円から40万円前後を目安に計画を立てましょう。

ライフスタイルや動線、室内環境の変化を考慮して最適なプランを選ぶことで、家族全員が過ごしやすい快適な住空間を実現できます。

WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

菅原 沙絵SAE SUGAHARA

設計 / 大阪府大阪市出身 / 普段からデザインを意識的に見て、自分ならどうするのか考えるようにしてます / インテリア雑貨が好きでナチュラル・シンプルなものを集めることにはまっています

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