予算1,000万円で戸建てをリフォーム・リノベーションできる?ビフォーアフター事例や費用をご紹介!

こんにちは!クジラ株式会社の三輪です。
![]() | Writer 三輪海斗 ディレクターWORKS 2018年に新卒入社後、住宅・店舗・オフィスなど幅広く担当。住宅ローンの工面など難しい状況でもお客様に寄り添ってサポート。 |
---|
予算1000万円を目安に、戸建て住宅のリノベーションやリフォームを検討する家庭は多いです。しかし、その金額でどんな改修が可能か、どのような工事ができるのか、具体的なビフォーアフター事例を詳しく見ることが重要です。この記事では、リノベーションとリフォームを通じて、戸建て住宅がどのように生まれ変わるか、そしてそれにかかる費用とプロセスについて詳しく解説します。
1000万円という予算は、大規模なリノベーションには限界があるかもしれませんが、賢く計画すれば、家の機能性を大幅に向上させ、デザインも一新できます。この金額で考えられるリフォームの範囲としては、キッチンやバスルームの全面改装、断熱材の充実、内装の工事です。ただし、建物の大きさや劣化具合によっては、十分な金額とは言えないため、検討している建物の状況を踏まえてリノベーション・リフォームの金額を検討しましょう。
目次
1000万円でどこまでリフォーム・リノベーションできるか
予算1000万円でのリフォーム・リノベーションで可能な範囲は、建物の種類や築年数、劣化状況によって大きく異なります。一般的に、この予算では戸建ての場合は部分的な改修、マンションの場合は比較的広範囲なリノベーションが可能となることが多いです。水回りの設備交換や内装の一新、間取り変更の一部、断熱改修などが含まれる場合があります。ただし、建物の状態によっては耐震補強や外壁・屋根の修繕といった構造に関わる工事が必要となり、予算内で希望するすべての工事を行うのが難しくなる可能性もあります。優先順位を明確にし、どこに費用をかけるか計画することが重要です。
戸建て(一軒家)の場合
戸建てのリノベーションで予算1000万円の場合、可能な範囲は建物の状態や築年数によって大きく変わります。一般的に、1000万円では内装のフルリフォームや水回りの設備交換、間取り変更の一部、断熱改修などを行うことができます。築年数が新しい場合は、比較的広範囲のリノベーションが可能ですが、築年数が経過している場合は、建物の基礎や構造部分、外壁、屋根などの修繕や耐震補強が必要になることがあり、その分費用がかさむ傾向があります。特に築40年や50年といった旧耐震基準で建てられた戸建てでは、耐震工事が優先される場合が多く、1000万円では希望するすべての箇所をリノベーションするのが難しくなることがあります。
そのため、予算内でリノベーションを成功させるためには、工事箇所に優先順位をつけたり、設備や建材のグレードを見直したりすることが重要です。例えば、水回りやリビングなど使用頻度の高い場所を優先的に改修し、他の部屋は必要最低限の工事にとどめる、といった方法があります。また、利用可能な補助金や助成金がないか確認することも、費用を抑える上で有効です。
具体的なリノベーションの範囲としては、50~60㎡程度の広さであれば、内装全体を一新し、キッチンや浴室などの水回りの全面リノベーションに加えて、外壁や屋根の部分的な塗装なども視野に入れることができます。しかし、建物の面積が広くなるほど、工事費用も proportionally 増加するため、1000万円では部分的な改修になる可能性が高まります。例えば、130㎡や180㎡といった広さの戸建ての場合、水回りやリビングなど特定の箇所に重点を置いたリノベーションが現実的です。
重要なのは、建物の状態を正確に把握し、必要なメンテナンスや補強工事がある場合は、それを優先的に検討することです。リノベーションを始める前に専門家としっかりと相談し、建物の状況に適した最適なプランを立てることが、予算内で理想の住まいを実現するための鍵となります。
マンションの場合
マンションのリノベーションで1000万円の予算がある場合、戸建てに比べて比較的広範囲の改修が可能になります。マンションは戸建てと異なり、建物の構造に関わる部分や外壁、屋根などの共有部分は管理組合が管理するため、個人で自由にリノベーションできる範囲が限られています。しかし、専有部分である室内においては、間取り変更や水回りの設備交換、内装の一新など、多様なリノベーションが行えます。
1000万円の予算であれば、築年数や既存の状態にもよりますが、例えば70㎡程度のファミリータイプのマンションで、間取り変更を伴うリビング・ダイニング・キッチンの大規模な改修や、浴室・洗面所・トイレといった水回りの全面リノベーション、さらには居室の壁紙・床材の張り替えといった内装工事全体を行うことが十分に可能です。断熱材の追加や内窓の設置など、断熱性能を高める工事も予算内で行える場合があります。
ただし、柱や梁、パイプスペースなど、マンションの構造上変更できない箇所がある点には注意が必要です。また、管理規約によってリノベーションに制限がある場合もありますので、事前に確認しておくことが重要です。予算内で理想的なリノベーションを実現するためには、どこに費用をかけるか prioritisation を行い、必要に応じて設備や建材のグレードを見直すなどの工夫も有効です。専門業者と綿密に相談し、管理規約や建物の状況を踏まえた現実的なプランを立てることが成功の鍵となります。
フルリノベーションは難しい
フルリノベーションは、既存の建物の構造部分を残しつつ、内装や設備を一新する大規模な改修を指します。しかし、建物の状態によってはフルリノベーションが難しいケースもあります。特に築年数が古い戸建ての場合、構造躯体の劣化や基礎の腐朽、柱や梁の損傷などが見られることがあり、こうした構造的な問題があると、大規模な間取り変更や改修が困難になる場合があります。
また、旧耐震基準で建てられた住宅では、現行の耐震基準を満たすための補強工事が必須となることが多く、これにより費用が大きく増加したり、間取りに制約が生じたりすることもあります。さらに、配管や電気設備などが老朽化している場合、これらの交換も必要となり、想定外の追加費用が発生する可能性も考えられます。これらの構造や設備の状況によっては、希望するすべてのリノベーションを実現することが物理的・費用的に難しくなるため、フルリノベーションを検討する際には、事前に専門家による詳細な建物診断が非常に重要となります。
【箇所別】リノベーション工事の費用相場
リノベーションの費用は、工事箇所や内容によって大きく異なります。水回り、内装、外壁・屋根、耐震、断熱など、それぞれの箇所で費用相場があります。どこをどのようリノベーションしたいかによって、費用は大きく変動します。
水回りのリノベーション費用相場
まず、水回りの改修です。設備交換と内装工事の費用を含めて、工事をする場合の費用はおおむね下記の表のとおりです。
キッチン | 50万〜200万円 |
お風呂 | 70万〜200万円 |
洗面所 | 30万〜60万円 |
トイレ | 30万〜70万円 |
高品質な材料を使用したり、最新の設備への置き換えを希望する場合は、この上限を超えることもあります。
リノベーション業者に見積もりを依頼し、比較する場合は、水回り設備のグレードを確認しておきましょう。
内装リノベーションの費用相場
次に、内装の変更です。リビングや寝室のフローリングや壁紙の張り替え、照明設備の交換などがこれに該当します。予算は大きく異なる可能性があり、一般には100万円〜200万円の範囲で変動します。間取りを変更せずに壁紙の張り替えなどのみを工事する場合は、30万〜50万円ほどで施工可能です。海外製の柄が特徴的な壁紙や無垢のフローリングなど選ぶ材料や仕様によって費用が高くなるため、各種オプションの比較検討が重要です。
内装工事 | 100万〜200万円 |
外壁・屋根リノベーションの費用相場
マンションにはなく、戸建てに必要な工事として外壁と屋根の改修があげられます。これらは外観の見た目だけでなく、家全体の耐久性に大きな影響を与えます。外壁や屋根の補修工事の頻度は10〜20年に1度が推奨されています。改修履歴がない中古戸建てを購入する場合は、内装のリノベーションとあわせて外壁と屋根の工事も検討しましょう。
外壁と屋根の改修にはそれぞれ塗装、重ね貼り、貼り替えという方法があります。劣化具合を工事業者に確認してもらった上で、適切なプランを選びましょう。
外壁 | 塗装 | 60万〜150万円 |
重ね貼り | 100万〜200万円 | |
貼り替え | 200万〜500万円 | |
屋根 | 塗装 | 25万〜70万円 |
重ね葺き | 60万〜250万円 | |
葺き替え | 100万〜300万円 |
足場を立てる必要がある屋根や外壁の工事は、複数回に分けると、その度に足場仮設費用がかかってしまうため、まとめて工事をするのがおすすめです。
耐震リノベーションの費用相場
1981年5月31日以前に建築確認を受けた「旧耐震基準」の建物は、耐震性能を向上させる工事を優先して行う方が良い可能性が高いです。耐震補強工事は、150万円から200万円の出費を視野に入れる必要があります。内容や規模にも左右されるので、耐震診断に対応できる業者に確認しましょう。
耐震工事 | 150万〜200万円 |
断熱リノベーションの費用相場
最後に、断熱工事の費用を確認しましょう。断熱材が劣化していると「夏は暑く、冬は寒すぎる」「結露がひどい」などの問題が起こります。断熱工事には、壁や天井への断熱材の追加や、窓を二重にするなどの方法があります。内装工事で壁や天井を解体するのであれば、家の断熱性を高める工事も一緒にするといいでしょう。断熱工事の費用は、50〜200万円を目安に検討しましょう。
断熱工事 | 50万〜200万円 |
これらの費用を参考に、総予算1000万円の範囲内で最適なリノベーションプランを立てることが可能です。各部分の優先度を考慮しながら、効果的かつ効率的な改修を心がけましょう。
【建物面積別】1000万円でリノベーションできる範囲
1000万円の予算でリノベーションを行う場合、建物の面積によって可能な範囲が異なります。例えば、延床面積が80㎡から100㎡程度の一戸建てや、60㎡から70㎡程度のマンションであれば、内装のスケルトンリフォームが可能な場合が多いです。スケルトンリフォームでは、建物の構造躯体だけを残し、間取りの変更や水回りの移動、内装の刷新、断熱材の強化などを行うことができます。
ただし、築年数が古い建物、特に築40年を超えるような戸建ての場合は注意が必要です。 築年数の経過した物件は、外壁や屋根、建物の構造自体に劣化が見られることが多く、補修や耐震工事、断熱改修といった基本的な性能向上のための工事に費用がかさむ傾向があります。 このような場合、内装だけでなく外装も含めたフルリノベーションや、建物の基礎から見直すスケルトンリノベーションを1000万円の予算で行うのは難しい可能性が高いです。
建物の状態によっては、最低限のメンテナンス費用が多くかかることもあるため、理想の間取りやデザインにかけられる費用が限られてしまうこともあります。リノベーションを検討する際には、事前に専門家による建物診断を行い、必要なメンテナンス工事の範囲と費用を把握することが重要です。どのような工事にどのくらいの費用がかかるのかを事前に把握することで、予算内で実現可能なリノベーションの範囲をより正確に把握し、計画を進めることができます。
築40~50年の一戸建ては1000万円でリノベーションできない?
築40~50年の戸建てのリノベーションは、外壁や屋根の劣化が進んでいることが多く、1000万円以内の予算では難しい場合が多いです。予算に収まらないからと、屋根や外壁の工事をせずに妥協してしまうと、台風など大雨の影響で雨漏りしてしまい、内装が汚れたり電気設備が故障してしまったりすることもあります。そのため、施工面積にもよりますが、戸建てのリノベーションでは最低でも1200万円の予算で考えておくと安心です。
しかし、必ずしも1000万円でリノベーションができないという訳ではありません。内装工事をしない部屋を作ったり、水回り設備のリフォームがされた物件を購入することで、外壁や屋根の工事をしても総額1000万円でリノベーションできる可能性もあります。
リノベーションを検討する際は、リノベーションに詳しい専門の設計士や工務店と相談し、見積もりを詳しく出してもらうことが重要です。不明瞭なコストや不必要な工事を省くことで、限られた予算内でも価値を最大限に活かせます。
次に、予算内にリノベーションをするためのポイントをご紹介します。
一戸建てリノベーションを1000万円で行うポイント
一戸建てのリノベーションは、限られた予算内でより満足のいく家にするための計画が必要です。1000万円という予算を賢く配分することで、理想に近づくことができます。ここでは、この予算を最大限に活用して、夢の住まいを実現するための重要なポイントを解説します。
工事箇所に優先順位をつける
限られた予算内で最大の効果を得るために、リノベーションの優先順位を適切に決めることが非常に重要です。改修すべき順番を決める際には、どの部分が最も生活の質を向上させるかを考えてください。例えば、日常生活で中心となるキッチンや浴室などの水回りは、機能性と快適性を直接的に向上させるため、優先的にリノベーションを行うべき箇所です。これらの場所は料理や身体の清潔を保つ場として使用頻度が高く、劣化も進みやすいため、早めの改修が求められます。
次に、家族が集まるリビングやダイニングは、居心地の良い空間作りを目指し、床材の更新や壁の塗り替えなど、見た目と使い勝手を考慮したリノベーションを行うことがおすすめです。これらの主要な部屋をリフレッシュすることで、家全体の雰囲気が改善され、家族のコミュニケーションが促進されます。
加えて、建物の状態を確認して、耐震補強工事や断熱工事が必要かどうかを検討しましょう。
戸建てのリノベーションで予算内に工事をする方法として、2階部分と階段は一切リノベーションをしないという方法があります。間取りを変える工事は費用が高くなるため、寝室などがある2階部分は間取りを変更せずに暮らせないか考えてみましょう。また、階段の架け替え工事は人気ですが、2階の間取りにも影響する場合があるため予算が1000万円の場合は、優先順位を下げて検討しましょう。
設備や建材のグレードを下げる
予算を抑えてリノベーションを成功させるには、設備や建材のグレードを見直すことが効果的です。最高級の材料を使わず、コストパフォーマンスの高い製品を選べば、限られた予算でも望むリノベーションを実現できます。
例えば、フローリング材を選ぶ際、高価な天然木の代わりに高品質のラミネート材を使用する選択肢もあります。キッチン機器については、最新モデルよりも一世代前のモデルを選べば、購入コストを抑えられます。
最近の技術では、天然木でなくても本物のような質感の床材があります。まずは、ショールームに訪問したり、サンプルで質感を確認して納得のいく建材を選びましょう。
これらの方法で、全体的にリノベーションの予算を管理しながら、より多くの部屋を手がけることが可能です。予算に合わせた材料選びや設備の工夫により、コストを効果的に抑えながら、満足のいくリノベーション結果を得ることが重要です。
補助金・助成金が利用できるか確認する
リノベーションを検討する際、補助金や助成金の利用が可能な場合があります。具体的には、市町村や特定の地域団体からの住宅改修に関する補助金、政府の省エネルギー対策助成金プログラムなど、様々な選択肢があります。これらのプログラムは耐震性の向上、エネルギー効率の最適化、古い設備の更新など、多岐にわたる工事に利用できます。
リノベーションを始める前に、利用可能な補助金や助成金をリサーチし、その条件や申請方法を理解することが重要です。利用条件は場所やリノベーションの種類によって異なるため、計画に最適な支援を探すためには、地元の市町村役場や関連する公的機関のウェブサイトをチェックし、直接問い合わせることも有効です。この情報収集を怠ると、多額の助成金を逃す可能性がありますので、計画の初期段階でこのプロセスを行うことをおすすめします。
リフォームローンを活用する
リフォーム資金の確保には、リフォームローンの活用が有効な手段の一つです。リフォームローンには、担保の有無によって無担保型と有担保型の2種類があります。無担保型は手続きが比較的簡便で審査期間も短い傾向がありますが、借入限度額が低め金利は高めになる傾向があります。一方、有担保型はご自宅などを担保にするため、より高額の借入れが可能で金利も低い傾向がありますが、手続きに時間と手間がかかります。どちらのタイプが良いかは、必要な資金や返済計画によって異なりますので、ご自身の状況に合わせて検討することが重要です。
リフォームローンの審査では、年齢や年収、勤続年数、他社からの借入状況などが確認されます。一般的に、勤続年数が長いほど、また年収が高いほど審査には通りやすい傾向があります。また、完済時の年齢を80歳未満としている金融機関が多いようです。現在の借入状況も審査に影響するため、もし他のローンがある場合は、可能な範囲で返済を進めておくと良いでしょう。
すでに住宅ローンを利用している場合でも、リフォームローンを組むことは可能です。現在契約中の金融機関に相談すると、金利の優遇を受けられる可能性もあります。また、現在の住宅ローンにリフォーム資金を上乗せして借り換えるという方法もあります。この方法であれば、リフォーム資金も住宅ローンと同じ金利で借り入れでき、返済期間も住宅ローンに合わせて長く設定できるメリットがあります。
リフォームローンを利用する際は、事前に返済シミュレーションを行い、無理のない返済計画を立てることが大切です。金融機関によって金利や条件が異なるため、複数の金融機関を比較検討し、ご自身の状況に合ったリフォームローンを選ぶようにしましょう。
外壁や屋根の補修が必要ない物件を購入する
これから戸建てを購入してリノベーションを検討している場合には、外壁や屋根の補修がほとんどまたは全く必要のない物件の選択もおすすめです。初期状態が良好な住宅を選ぶことで、将来的にかかる総リノベーションコストを大幅に削減できる可能性があります。
特に外壁や屋根は住宅の保護に不可欠な要素であり、これらがすでに良好な状態であれば、補修にかかる負担を大幅に軽減できます。物件選びの際には、リノベーションに詳しい業者に現地調査を依頼し、可能な限り詳細な物件チェックを実施しましょう。これにより、将来的に想定外の修繕が必要となるリスクを低減し、リノベーションが最小限で済む賢明な選択が可能となります。
複数の会社から相見積もりを取る
理想のリノベーションを叶えるには、複数のリフォーム会社から相見積もりを取ることが非常に重要です。相見積もりとは、複数の会社に同じ条件で見積もりを依頼し、内容や費用を比較検討することを指します。これにより、各社の得意分野や提案力、費用感を把握できるだけでなく、適正な価格を見極めることが可能になります。
複数の会社から見積もりを取ることで、一社では気づかなかったより良いプランや工法に出会えることもあります。例えば、A社では高額だった工事が、B社では異なるアプローチで費用を抑えられる提案があるかもしれません。また、各社の提案内容を比較することで、ご自身の希望がより明確になることもあります。
ただし、単純に価格だけで比較するのではなく、見積もりの内訳や工事内容、使用する建材のグレード、保証内容、アフターサービスなども詳しく確認しましょう。安さだけで選ぶと、後で追加費用が発生したり、工事の品質に問題が生じたりする可能性もあります。 相見積もりを取る際は、同じ条件で見積もりを依頼するため、希望するリノベーション内容や予算、建物の状況などをできる限り具体的に伝えましょう。これにより、各社が同じ基準で見積もりを作成しやすくなり、比較検討がスムーズに進みます。
信頼できるリフォーム会社を見つけるためには、これまでの実績や評判、担当者の対応なども重要な判断基準となります。実際にリノベーションを依頼する際は、複数の選択肢の中から、ご自身の希望に最も合った会社を選びましょう。
DIYを活用する
DIYを取り入れることで、リノベーション費用を大幅に抑えることが可能です。例えば、壁のペンキ塗りや壁紙の張り替え、棚の取り付け、簡単な家具の組み立てなどは、専門業者に依頼せずに自分で行うことができます。これにより、工事費用の中でも人件費や材料費の一部を節約できます。特に、内装の仕上げ部分でDIYを活用すると効果的です。例えば、リビングの壁一面だけアクセントカラーを塗る、寝室の壁にデザイン性の高い壁紙を貼るなど、部分的なDIYでも空間の印象を大きく変えられます。
ただし、DIYには限界があり、専門的な知識や技術が必要な電気工事や水回り工事、建物の構造に関わる部分の改修は、必ず専門業者に依頼することが重要です。安全性の確保や法規制の遵守のためにも、無理なDIYは避けましょう。DIYを活用する際は、事前に動画サイトや専門書籍で情報収集を行い、必要な道具を揃え、安全に配慮しながら作業を進めることが大切です。また、どこまでをDIYで行い、どこからを業者に依頼するかを明確にすることで、業者との連携もスムーズに進み、予算内で理想のリノベーションを実現する一助となります。
戸建てのリノベーション施工事例と実際にかかった費用
ここからは、予算1000万円前後の戸建てリノベーションのビフォーアフターと実際にかかった施工費用をご紹介します。どのようなリノベーションがどのくらいの費用でできるか、具体的なイメージと費用感をつかむために参考にしてください。
1000万円前半の施工事例
1000万円前半のリノベーションは、建物の面積が50〜60㎡の1人暮らしや夫婦2人暮らしの事例です。「1人暮らしで戸建ては広すぎる」と考える方も多いですが「月々の駐車場代を払うのがもったいない」「猫と暮らしたいけど、ペット可のマンションが見つからない」という方には、戸建てのリノベーションがおすすめです。
56㎡の戸建てリノベーション事例(1120万円)
こちらは、愛猫と一緒に暮らすため中古戸建てを購入してリノベーションされた事例です。水回り設備の交換はもちろん、内装も一新し、外壁塗装もしていますが工事費用は1120万円(税別)です。
床材はフローリングではなく木目調の塩ビタイルを使用したり、2階の部屋の壁は解体することなく壁紙を上貼りすることで内装工事の費用を抑えました。
53㎡では少し狭く感じる方もいるかもしれませんが、寝室は天井を高くすることで6帖でも広々とした空間にすることができました。
さらに、猫と飼い主が快適に暮らせる工夫がたくさん詰まっています。例えば、猫専用の遊び部屋にキャットウォークを設置したり、周りの目を気にせずに使える個室のトイレや、脱走防止のための玄関の格子扉を作りました。
このように建材のグレードを下げることや、工事が必要な場所に優先順位をつけることで予算内にリノベーションをすることができます。
▼リノベーション施工事例を詳しくみたい方はこちら!
61㎡の戸建てリノベーション事例(1400万円)
こちらは、古民家ならではのレトロなタイルや和室を残したリノベーション事例です。
道路に面するシャッターの交換と外壁の塗装リノベーションも行いました。
1階の間取りは、2部屋を繋げることで広々とした対面キッチンの1LDKに変更しました。お風呂やトイレなどの水回り設備は古かったため、新しいものに交換しました。
過ごす時間の長いLDKには予算をかける一方で、2階の和室は畳の表替えと壁紙の上貼りのみの工事にすることで費用を抑えました。
▼リノベーション施工事例を詳しくみたい方はこちら!
1000万円後半の施工事例
1000万円後半のリノベーションは、建物の面積が130〜180㎡の4人暮らしの家族に多い事例です。広々としたLDKと収納部屋、主寝室、子ども部屋を2つという間取りにしたい場合に人気の広さです。面積が広くなる分、リノベーションの総額は高くなりますが、こだわりたい場所を優先的に予算をかけることで満足感のある住まいにすることができます。
130㎡の戸建てリノベーション事例(1590万円)
こちらは親戚の方から引き継いだ古民家を、セカンドハウスとしてリノベーションした事例です。
古民家が持つ良さを残しつつ、余暇を過ごすホテルのようなゆとりを感じられるよう設計しています。気になる洗面やお風呂は新しく交換し、主にリビングルームに予算をかけて、他の部屋は間取りを変えずに壁紙の貼り替えのみを行うことで費用を抑えました。
こちらの事例のように、メインとなるリビングにはとことんこだわりを詰め込み、他の部屋は必要最低限の工事で済ませることで、理想の住まいを叶えることができます。
▼リノベーション施工事例を詳しくみたい方はこちら!
180㎡の戸建てリノベーション事例(1800万円)
こちらは、中庭とつながるLDKの他に4部屋とWIC、室内干しができるランドリルームを設けたリノベーション事例です。
間取りや水回り設備も全て一新して自分のライフスタイルに合わせた住まいになりました。
3階の部屋のみ壁紙や床材を貼ることなく、下地の状態で引渡しさせていただきました。
これは、今後すぐに使う部屋でないことと、自分たちの手でDIYをして完成させる余白を残すことで、結果的に工事費用を抑えることに繋がります。
建物の条件にもよりますが、こちらの事例では180㎡の建物に対して1800万円の工事費用なので、1㎡あたり10万円(税別)を目安に検討してみてください。
まとめ|1000万円でも工夫次第でリノベーション可能!
1000万円で一戸建てをリノベーションするには、こだわりたい部屋とそのままでも使える部屋に分け、予算をかける優先順位を決めることで満足感のあるリノベーションをすることが可能です。
ただし、建物の状態によっては、耐震・断熱・雨漏りなど、最低限の生活をするための改修工事費用が多くなる場合があります。せっかく理想の暮らしを叶えるために間取りやデザインを考えても、建物のメンテナンス費用に予算がかかると理想を叶えることができません。
リノベーションを始める前に、検討中の建物でどのようなメンテナンス工事が必要になるか、リノベーションに詳しい業者に相談しましょう。
1000万円でのリノベーションについてよくある質問
予算1000万円台で戸建てのリノベーションを検討している方によくお問合せいただく質問をいくつか紹介します。他にも気になることがあればお気軽にお問い合わせください!
1000万円台でリノベーションをしたいけど、最終的にいくらになるのか不安です。
契約前に1000万円台でリノベーションができると聞いていたのに、結果予算が大幅にオーバーしたということは避けたいですよね。
戸建てのリノベーションで見積もりから大きく予算がオーバーしてしまう原因は、解体してから建物のメンテナンス工事の費用が予想よりも大きくかかってしまったという場合がほとんどです。しかし、人間の身体であれば健康診断でレントゲンを撮ったり、血液検査をすることで体内の健康状態が分かりますが、建物の状態は壁や床を解体をして構造を検査しないと正確には分かりません。
そこでまず出来ることは、築年数が古い戸建てのリノベーション実績がある工事業者に相談することです。解体するまで建物の状態が分からないですが、戸建てのリノベーションの経験が豊富である業者は、ある程度予測を立てて工事費用の見積もりを作成することが可能です。
次に、外から見て判断できることは事前に調査をし、メンテナンス工事が増える場合のプランとメンテナンス工事が最小限で済むプランの2つを用意してもらいましょう。1000万円を超えるリノベーションでは住宅ローンを利用することがほとんどです。後から、工事費用が払えないと慌てることのないよう、予算内でおさまるプランを用意しておく必要があります。
他にも予算をオーバーしてしまう原因には、見積もりの金額でできる工事を正確に把握していない場合があります。
こだわりたい建材や水回り設備のグレードがある場合は、見積もり金額を提案してもらう段階で使用しているグレードを必ず確認しておきましょう。
1000万円台でリノベーションをしたいけど、本当に払っていけるか心配です。
比較的に安い金額とはいえ、1000万円台という金額は簡単に支払えるものではありません。特にリノベーションの場合は工事費用だけでなく、物件の購入費用も必要になるため、毎月の支払いができるのか不安になるのは当然です。リノベーションを検討する際は、資金計画の相談ができる業者に依頼しましょう。
クジラでは、家づくりの相談だけではなく、資金計画の相談も可能です。資金計画の相談では、月々の支払額のシュミレーションや住宅ローンの借入れ可能額の相談などをしていただけます。気になることがありましたら、ぜひお気軽にお問合せください。
近年の建築費の値上がりが心配です。
近年、建築費は高騰傾向にあり、特に2021年頃からは世界的な木材価格の高騰である「ウッドショック」や、急激な円安の影響を受け、建材費や設備費が大幅に上昇しています。これに加えて、燃料費や人件費も高騰しており、これらの要因が複合的に絡み合い、建築費全体の押し上げにつながっているのです。国土交通省の建設工事デフレーターによると、建設工事費は2020年を100とした場合、2023年には120を超えており、過去数年で2割以上も値上がりしていることがわかります。この値上がりは、リノベーションを行う際にも大きな影響を及ぼし、予算内で希望する改修を行うことが難しくなるケースが増えています。特に、資材の輸入に依存する部分が多い日本の建築業界では、円安が進行すると、海外からの建材や設備の調達コストが直接的に上昇し、それが最終的な建築費に転嫁されるという構図です。
このような状況下では、リノベーション計画を立てる際に、建材や設備の選定を慎重に行うこと、そして複数の業者から相見積もりを取り、費用の内訳を詳細に確認することがますます重要になります。また、費用を抑えるための選択肢として、比較的安価な資材を検討することも有効です。例えば、壁材には費用を抑えやすく、デザインや機能性が豊富なビニールクロスがあります。ビニールクロスは、耐久性や防水性に優れ、手入れがしやすいというメリットもあります。床材については、天然木に比べて安価で、反りや割れが生じにくい複合フローリングや、デザインが豊富で水回りの使用にも適した塩ビタイル(フロアタイル)も選択肢の一つです。塩ビタイルは耐久性も高く、お手入れも簡単です。これらの資材を上手に取り入れることで、コストを抑えながらも、理想に近いリノベーションを実現できる可能性が高まります。さらに、補助金や助成金制度の活用も、費用負担を軽減する有効な手段となるでしょう。