火事からのリノベーションは、「全部変える」の1択だけではない【KUJIRAメソッド⑮】

こんにちは。クジラ株式会社・デザイナーの高橋です。
![]() | Profile 高橋桃子 デザイナー 事例はこちらから 2016年にクジラに入社した最もクジラ歴が長いメンバー。住宅のみならず、オフィスリノベーションも得意としている。趣味は美味しいものを食べること。 |
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D様のリノベーションは、火事で半壊した木造の2階建のお家からのスタートでした。被害は1階に集中し、不幸中の幸い、2階は被害が比較的軽かった。
全部直す予算もなければ、全部残せる状態でもない。どこを変え、どこを残すかを、最初に決める必要がありました。

1階は全て手を加えました。
被害が大きかったということもありますが、もうひとつ理由があります。D様には火事の前から、1階の動線について以前から不満があったんです。火事という出来事をきっかけに直すのなら、被害の修復だけで止めず、その不満まで解消したい。そこで、回遊できる動線に組み替えました。
そのうえで、内装は思い切って大胆な方向に振りました。ダマスク柄、レモン柄、天井のブルークロス。打ち合わせで提案したとき、もちろん最初は驚かれます。
普段はあまり行わないのですが、クロスメーカーのショールームにご一緒しました。図面や小さなサンプルではなく、実物の膨大なクロスのなかで「これはイメージに近い」「これは少し違う」を一緒に確かめていく。大胆な提案を押し付けで通すのではなく、ニュアンスのすり合わせを経て、ご本人の納得で選んでいただく。これがあったからこそ、最終的に大胆な柄が家に入ることになりました。


2階は対照的でした。
火事の被害があった水回りの更新と内装替えを中心にして、状態の良かったフローリングは、そのまま残しました。火事のショックでつい「全部新しくしたほうが安心」と思いがちな場面ですが、残せるものは残す。そのほうが、家としての記憶も、予算の使い方も、いい形に収まります。
ただし、残すと決めた瞬間に仕事が終わるわけではありません。新しい内装と、既存のフローリングが違和感なく馴染むように、建材や色、素材を緻密に合わせていく。「残す」のほうにこそ、丁寧な仕事の重みがかかります。

完成したD様邸は、1階と2階で設計の振れ幅が大きい家です。1階はダマスク柄で迎え、2階は既存のフローリングで落ち着かせる。本来なら違和感が出てもおかしくない振れ幅ですが、ショールームで決めた柄の選定と、2階の色合わせの緻密さによって、家全体としては一本の流れになっているのです。
クジラメソッドとしてのまとめ
火事のリノベーションは、「全部やる」の1択しかないように見える瞬間があります。
ただ、クジラでは、その手前に、「やる工事」と「やらない工事」の見極めを置きます。被害が大きい場所は、以前からの不満まで含めて思い切って変える。残せる場所は、新しい部分と緻密に馴染ませて残す。
LINEで相談・無料診断リノベーションについて相談する足すか足さないかではなく、どこに大胆さを置き、どこに丁寧さを置くかの組み立て。その判断が、リノベの仕上がりを決めるのです。
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