2026.07.31
最終更新日
2026.10.09
CREATOR's STORY リノベーションのヒント

火事からのリノベーションは、「全部変える」の1択だけではない【KUJIRAメソッド⑮】

こんにちは。クジラ株式会社・デザイナーの高橋です。

Profile
高橋桃子
デザイナー 事例はこちらから
2016年にクジラに入社した最もクジラ歴が長いメンバー。住宅のみならず、オフィスリノベーションも得意としている。趣味は美味しいものを食べること。

D様のリノベーションは、火事で半壊した木造の2階建のお家からのスタートでした。被害は1階に集中し、不幸中の幸い、2階は被害が比較的軽かった。
全部直す予算もなければ、全部残せる状態でもない。どこを変え、どこを残すかを、最初に決める必要がありました。


1階は全て手を加えました。

被害が大きかったということもありますが、もうひとつ理由があります。D様には火事の前から、1階の動線について以前から不満があったんです。火事という出来事をきっかけに直すのなら、被害の修復だけで止めず、その不満まで解消したい。そこで、回遊できる動線に組み替えました。

そのうえで、内装は思い切って大胆な方向に振りました。ダマスク柄、レモン柄、天井のブルークロス。打ち合わせで提案したとき、もちろん最初は驚かれます。

普段はあまり行わないのですが、クロスメーカーのショールームにご一緒しました。図面や小さなサンプルではなく、実物の膨大なクロスのなかで「これはイメージに近い」「これは少し違う」を一緒に確かめていく。大胆な提案を押し付けで通すのではなく、ニュアンスのすり合わせを経て、ご本人の納得で選んでいただく。これがあったからこそ、最終的に大胆な柄が家に入ることになりました。


2階は対照的でした。

火事の被害があった水回りの更新と内装替えを中心にして、状態の良かったフローリングは、そのまま残しました。火事のショックでつい「全部新しくしたほうが安心」と思いがちな場面ですが、残せるものは残す。そのほうが、家としての記憶も、予算の使い方も、いい形に収まります。

ただし、残すと決めた瞬間に仕事が終わるわけではありません。新しい内装と、既存のフローリングが違和感なく馴染むように、建材や色、素材を緻密に合わせていく。「残す」のほうにこそ、丁寧な仕事の重みがかかります。


完成したD様邸は、1階と2階で設計の振れ幅が大きい家です。1階はダマスク柄で迎え、2階は既存のフローリングで落ち着かせる。本来なら違和感が出てもおかしくない振れ幅ですが、ショールームで決めた柄の選定と、2階の色合わせの緻密さによって、家全体としては一本の流れになっているのです。

LINEで相談・無料診断リノベーションについて相談する

クジラメソッドとしてのまとめ

火事のリノベーションは、「全部やる」の1択しかないように見える瞬間があります。

ただ、クジラでは、その手前に、「やる工事」と「やらない工事」の見極めを置きます。被害が大きい場所は、以前からの不満まで含めて思い切って変える。残せる場所は、新しい部分と緻密に馴染ませて残す。

LINEで相談・無料診断リノベーションについて相談する

足すか足さないかではなく、どこに大胆さを置き、どこに丁寧さを置くかの組み立て。その判断が、リノベの仕上がりを決めるのです。

LINEで相談・無料診断リノベーションについて相談する
WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

高橋 桃子MOMOKO TAKAHASHI

和歌山県和歌山市出身 / 実際の現場だけではなく、資料など全ての細部にまでこだわるようにしています。 / 海辺のお家を購入後に自分好みにリノベをして、猫とのんびり住むのが将来の夢の1つです

リノベーションの相談・各種ご予約はこちら