「ちょっとだけ変えられませんか」から始まった、暮らし始めて10年目のリノベーション|インタビュー

Instagramで子育ての記録を発信し、現在21.8万人のフォロワーを持つきなこ様。ご主人と息子さんとの3人で暮らすこの家に住んで10年。キッチンまわりは購入時に一度手を入れていたけれど、暮らすうちに好みが変わってきた。もう少しこういう雰囲気だったらいいね——ご夫婦でそんな話はしていたものの、ガラッと変えるのは現実的ではない。そう思っていたご夫婦。
過去に、別の会社で和室を洋室にする工事をしていました。しかし聞き慣れない言葉でやりとりされる打ち合わせは難易度が高く、「こちらの思う”普通”と、向こうの思う”普通”が違った」とご主人は振り返ります。
あれから2年。クジラを知ったきっかけは、テレビで見て気になっていたSEKAI HOTELに泊まったことでした。
この記事は、「ちょっとだけ変えることってできませんか」という相談から始まった工事の記録です。何を聞き、何を諦め、何を決めたのか。打ち合わせの過程をじっくり伺いました。
▼今回のPJメンバー
お客様:きなこ様ご家族
クジラ営業ディレクター:三橋玲奈
クジラ建築デザイナー:片山飛翔
クジラ施工管理:南澤敦哉
目次
「ちょっとだけ変えられませんか」から始まった
三橋:まず、クジラを知っていただいたきっかけから伺えますか。
きなこ様:SEKAI HOTELですね。もともとテレビで見ていて気になっていたので、泊まりに行かせていただいて。古い商店街の中にあるのに、すごくおしゃれな雰囲気のホテルになっていて、素敵だねと話していたら、実はリノベーションの会社をやっていらっしゃると聞いて。
三橋:そこからお声がけいただいて。その後、SEKAI HOTELのほうでも、謎解きを楽しめる小物を一緒に考えていただいたりしましたよね。

三橋:SEKAI HOTELの件とは別に、元々リノベーションをしたいという気持ちはあったのでしょうか?
きなこ様:ここに住んで10年ぐらいなんですけど、一番最初にキッチンとかは触っているんです。ただ、10年暮らしてきたら、ちょっと好みが変わったり、もうちょっとこういう雰囲気だったらいいなというのを、ずっと二人で話していて。でも、ガラッと変えるのはちょっとできないしな、と。
きなこ様:それで、声をかけてみて。「ちょっとだけ変えるとかできませんか」という話をしたんです。

三橋:会社選びを何社か比較されていた、という状態ではなかったんですね。
ご主人:そうですね。一番最初にこのマンションを買ったときのリフォームは、父親の知り合いのところでやってもらっていて。
きなこ様:キッチンと玄関はもうこのまま行くしかないと思って、自分たちでシートを貼ってみたりはしていました。でも、まだガラッと変えようと決めていたわけではなくて。工事会社を検討する、という感じでもなかったところで、たまたまご縁があって、という形です。
こちらの”普通”と、向こうの”普通”が違った
三橋:2年前にも、別の会社さんで工事をされているんですよね。
きなこ様:和室だったところを洋室に変えたり、というのを2年前くらいに。だからこそ、せっかく二回目の工事をやるんだったら「もっと自分たちの細かな要望についてもどんどん相談していこう」と思っていました。
ご主人:僕らがやりたいことをお伝えすると、「普通にできますよ」と言っていただけることがあるんですが、その”普通”の中身が、僕らの思っている普通と違う、みたいなことはありました。

きなこ様:そういう中で、「もっとこういう部分がこうなっていたら」というところもクジラさんに相談させていただいて、すごく丁寧に聞いていただいて。すごく安心できて、一緒に考えていただけて。
ご主人:SEKAI HOTELの空間をきれいに作られていたので、センスがあるなというのはあそこで見えていたので、安心してお任せできるなというのがありました。
ご主人:あと、リノベーション勉強会がすごく印象に残っています。はじめにああいう、すごく丁寧な感じ。どういう風にやっていくのか、ちゃんと説明してくれて、驚きました。
「ずぼらだし、掃除できないから無理じゃないか」
三橋:工事が始まる前の打ち合わせで、印象に残っていること、一番悩まれたことというと。
きなこ様:タイルですね。ずっと入れたかったんですけど、ずぼらだし、掃除できないから無理じゃないか、ってずっと悩んでいて。

きなこ様:相談させていただく中で、「一回やってみたらいいですよ」と背中を押していただいて。思い切ってやってみてよかったなと思っています。
三橋:だいぶ悩んでいらっしゃいましたよね。実際、掃除のところは気になっていますか?
きなこ様:イメージしていたよりも、すぐ汚くなっちゃうということもなくて。でも前よりも、ちょっと汚れたら拭こう、という気持ちになっています。
三橋:玄関の方も心配されていましたよね。
きなこ様:玄関の框(かまち)の部分です。交換するとなると大掛かりということで、シートを貼るという話になって。そのシートがどれぐらい耐久力があるのかというところが、すごく心配でした。

片山:既存のフローリングとの見た目の相性や、気にされていた耐久性を工事する前にご安心頂くために、ただサンプルを集めるだけでなくいろいろ調べました。
三橋:耐久性能の高い商品を中心にたくさんサンプルをご覧いただきましたね。
きなこ様:そのあたりもいろいろサンプルを見せていただいて、すごく安心してやっていました。
三橋:今、見せていただいた限り、傷やめくれも無さそうですね。
きなこ様:まったく。問題なしです。
やらなかったアーチと、動かせないビスの位置
ご主人:洋室のアーチ枠のところ。今回はやらなかったんですけど、そこが僕らの中では一番難しいポイントになったかなと思います。枠を取って、どこまでできるのか、というところで。
きなこ様:でも、そこを一緒に考えていただけたのが、すごく嬉しくて。どうやったらその希望が叶うのか。やっぱり難しいなというのも、どうして無理なのかもちゃんと説明していただけたので、それは仕方ないなと思えました。
三橋:だいぶ大掛かりになってしまう内容でしたね。
片山:あとは、キッチンの取手の交換。細かいところですが、実は案外難しくて。ビスの位置、穴が開いている位置が決まっているので、その幅から変えられない。その中で、取っ手がキッチンから出すぎないように、どう彫り込みを作るかというところを、家具屋さんとも相談しながらやっていました。ビスの位置がちゃんと合うかを確認しながら。

片山:毎日触れるところですし、今のこのお家の中で使っている色に合わせて、よく合っているのがいいなと思います。
きなこ様:取っ手を替えただけでも、結構印象が変わりましたよね。全然違います。ナチュラルになって。
ご主人:ちょっとずつ変わるだけでも、すごく印象が変わる。
きなこ様:新鮮な気持ちでキッチンに立てます。
▼工事前の写真

▼工事後の写真

全部真っ白になるはずだった壁
三橋:逆に、こちらからの提案で、テンションが上がった・嬉しかったものってありますか。
ご主人:みんなでやろう、というDIYはすごく楽しかったです。自分たちでやったな、というのが思い出に残りました。

きなこ様:1日だけなんですけど、すごい思い出になっています。息子も、バーンって思い切りやっていましたね。
ご主人:色を選んだのも楽しかったですね。元々は、全部真っ白でやるという話だったので。
三橋:DIYに不安はありませんでしたか。ちゃんといい感じになるかな、とか。
ご主人:綺麗に仕上がるのが一番いいんですけど、それよりも、その体験というか、家族でできるというワクワクのほうが大きくて。
きなこ様:自分たちでもやってみたいというのはあったんだと思うんです。でも、自分たちだけでやると絶対に最終形が良くならない。そこはプロが入ってくれているから、最終的に絶対いい感じになるだろうという安心感があった。自分たちだけでは絶対やらないです。失敗したら怖いので。
ご主人:「やりたいね」と言って終わっていたと思います。すごくいい機会でした。
▼DIY前の写真

▼DIY後の写真

帽子をかけておくと、朝ちゃんとかぶれる
三橋:完成して、一番やってよかったところは。
きなこ様:玄関ですね。全く雰囲気が変わりました。家族の旅行先で買ったものとか、作ったものを飾っているんですけど、好きなものを飾ったり、配置を変えたりできるのがすごく楽しいです。

ご主人:僕も玄関ですね。有孔ボードがあるので、いろんなものを掛けられるんです。忘れ物をしなくなりました。出かける前に帽子をかけておくと、朝、忘れずにちゃんとかぶれる。
ご主人:メガネも全部そこに置いてあって、帰ってきたら、出かけ用のものと家用のものを掛け替えたり。前はちょっとものを置く場所も無かったので。財布も向こうの小さい収納ボックスに全部入れているので、靴を脱がずに取って行けるんです。

片山:靴を入れる場所も必要でしたよね。
ご主人:見えるほうが、結局すっきりする気がします。出しているものしか出していないので。「これ、いいや」となるし、無駄な靴を買わなくなりました。
きなこ様:私の靴も、これだけあったら置けます。キャンプの道具も置けるように空けています。使っても本当にずっと綺麗なので。
「まずは聞いてみたらいい」
三橋:最後に、これからリノベーションを検討されている方に、メッセージをいただけたら。
ご主人:何でも相談してみるといいと思います。「こんなこと聞いていいのかな」ということも、聞いたら結構答えてくれたので。
ご主人:キッチン全体を変えられるとは思っていなかったんです。メーカーに言わないといけないのかなと思っていたので。最初、扉の面材まで変えるという話を聞いたときは、そんなことができるんだ、と。

片山:僕らからすると、言ってもらうほうがありがたいんです。「キッチンを交換したい」ではなくて、「キッチンの雰囲気を変えたい」と言っていただけると、違うやり方をご提案できるので。
ご主人:予算が合わないから、そんなことできないだろうな、と思っている人はきっと多いと思うんです。でも、このぐらいの予算でこんなことができるんだ、というのは、聞いてみないと分からない。
ご主人:やっぱり、まずの一歩が一番怖いかも。やるか・やらないかも決まっていない段階で行くのが、めちゃくちゃ怖い。そのハードルがもうちょっと下がるといいなと思います。

タイルは掃除できないから無理だと思っていた。アーチは、どこまでできるのか分からなかった。壁は全部真っ白になるはずだった。どれも、聞いてみるまでは決まっていなかったことでした。10年住んだ家に手を入れるというのは、全部を作り変えることではなく、気になっていた場所を一つずつ口に出していく作業だったのかもしれません。




