2024.03.21.Thu リノベーションのヒント

ステンレスキッチンのメリット・デメリットをデザイナーが解説!【メーカー別おしゃれな事例6選】

ステンレスキッチン

こんにちは、クジラ株式会社デザイナーの菅原です!
最近、ステンレスキッチンを検討しているお客様からの相談が多くなってきました。

Profile
菅原沙絵
デザイナー
2017年に新卒入社以来、住宅だけではなく店舗や宿泊施設のデザインも担当してきた。
お客様の理想を正確に捉え、ヒアリングを中心にデザインしていくことを得意としているデザイナー。

スタイリッシュでオシャレなステンレスキッチンですが、使い勝手やお手入れのしやすさなど、リフォーム・リノベーションで検討する際のメリット・注意点が気になりますよね。お客様からも「傷つきやすそう」「手入れが大変そう」とよく相談されます。

最近ではキッチンメーカー各社もお客様の声を大切にした素晴らしいステンレスキッチンをたくさん開発・販売しています。ステンレスキッチンのメリット・デメリットや注意点と実際の施工事例を合わせてご紹介する本記事を、ぜひリフォーム・リノベーションの参考にしてください。

ステンレスキッチンとは

「ステンレスキッチン」とは、キャビネットがステンレスで造られているキッチンの総称です。

ステンレスキッチン

このうち、天板も扉もすべてステンレス製にしたキッチンを「オールステンレスキッチン」と呼びます。プロの厨房をはじめとして広く使われているので、レストランなどの業務用のキッチンを思い浮かべると良いかもしれません。
ステンレスの他にも、キッチンの場合「セラミック」「クオーツ」「人工大理石」「人造大理石」などの素材が代表的です。
デザイン的な違いからステンレスキッチンを選ぶ場合は見た目で選ぶので悩みませんが、機能性や耐久性についても他の素材との違いをしっかり理解しておきたいものです。

ステンレスと人造大理石の違い

ステンレスと同じくらいキッチンの天板として人気のある人造大理石。耐熱性や価格など、それぞれの違いを比較してみました。
ステンレスキッチン 違い

ステンレスキッチンの特徴


ステンレス天板は、スタイリッシュでどんなインテリアにも合わせやすく、自分好みにカスタマイズしやすい特徴があります。耐久性・耐熱性に優れ、比較的安価であるため、飲食店でも使われるほど機能的に優れているキッチンです。一方で、色のバリエーションはほとんどなく、冷たい印象を持たれる場合もあります。

人造大理石キッチンの特徴


人造大理石とは、主に樹脂を原料に作られた素材です。カラーバリエーションが豊富であるため、インテリアに合わせて好みのデザインを選ぶことができます。最近では人造大理石でも耐熱性に優れた商品もありますが、熱い鍋などは直接置くと変色する可能性があるため、鍋敷きなどを使用するように注意しましょう。

ステンレスキッチンが人気の理由

 ステンレスキッチンの人気はどのような部分にあるのでしょうか?おすすめの理由も合わせてご紹介します。

ステンレスキッチンが人気の理由①コーディネートがしやすい

ステンレスキッチンの検索
出典:Pinterest検索

「ステンレスキッチン」で検索してみるとたくさんのコーディネート事例が出てきます。
ステンレスキッチンが人気なのは、その存在感に加え「コーディネートのしやすさ」ではないでしょうか。

明るい木目とステンレスキッチンを組み合わせて北欧風を演出したり、白と黒の空間にステンレスキッチンを持ってくるモノトーン仕様、調理器具や雑貨も見せるコーディネートで飲食店のオープンキッチンのような空間にする人もいます。

存在感があるのに様々なものと組み合わせやすいというのは非常に珍しい特徴ではないでしょうか。

▼キッチンの間取りや収納、デザインコーディネートも知りたい方はこちら!

ステンレスキッチンが人気の理由②耐久性が優れている

プロのキッチン

プロの料理人が使用するキッチンのほとんどがステンレス製なのも理由があります。

ステンレスには、「不動態皮膜」と呼ばれる表面を保護する膜が存在しています。ステンレスの表面に傷がついた場合、当然この不動態皮膜も削れてしまいます。

リノベーション_ステンレスキッチン

すると、ステンレスに含まれるクロムという成分が空気中の酸素と結びつくことで、不動態皮膜が自然に再生してくれるというわけです。
空気に触れることで傷ついた不動態皮膜が再生されるという特性こそ、ステンレスが耐久性の高い素材として、プロの料理人のキッチンに使用される一番の理由です。

ステンレスキッチンのメリット・デメリットや注意点

リノベーション_ステンレスキッチン
ステンレスキッチンは見た目のスタイリッシュさから気になる方も多いはず。しかし、毎日使うキッチンで掃除のしやすさやサビは大丈夫?など気になることもたくさんありますよね。後悔しないように、メリットとデメリットを事前に確認しておきましょう。

メリット

プロの料理人が認める耐久性

ステンレスは強度が高いため、欠けたり傷ができる心配のない素材です。また、基本的には錆びにくいという特徴もあります。耐久性・清掃面などあらゆる面で優れているため、プロの料理人の厨房でも採用されるキッチンです。

熱に強い

ステンレスは金属の中でも熱が伝わりにくい特徴があります。そのため、キッチンのワークトップ(天板)に熱いままのフライパンを直接置いても、天板が熱で変形したり焦げ付く心配がありません。

掃除がしやすく衛生的

ステンレスは汚れが染み込みにくい特徴があります。そのため、天板や扉に料理などを溢してしまった場合でも、ステンレスなら、サッと拭き取るだけで汚れを簡単に落とすことができます。また臭いが残りにくい特性もあるので、生魚やスパイスカレーなど、どんな食材や調味料も気兼ねなく使えます。

シャープでスタイリッシュなデザイン

ステンレスキッチンはシャープでスタイリッシュなデザインが人気の理由のひとつでもあります。ステンレスキッチン単体では冷たくクールな印象もありますが、木材と組み合わせることで北欧風のナチュラルなインテリアにもマッチします。

特に、アイランドキッチンなど部屋の目立つ位置にキッチンを配置する場合は、キッチンの見た目にこだわりステンレスキッチンにすることもおすすめです。

人にも環境にも優しい

ステンレスキッチンは耐久性があるため、長く使うことができ家計にも優しく、リサイクル可能な素材であるため環境にも優しい魅力があります。使用済みのステンレスキッチンは、新しいキッチンの一部になったり、フォークやスプーンなどの生活用品に生まれ変わります。ステンレスキッチンを選ぶことで環境に負荷をかけず、限りある資源を有効活用できるメリットがあります。

比較的リーズナブル

キッチンのワークトップ(天板)の素材には、ステンレスの他にもセラミックや人工大理石などがあります。メーカーにもよりますが、ステンレスキッチンは、他の素材に比べて比較的安い傾向にあります。また、耐熱性・耐久性に優れているため、長く使うことができる点でもリーズナブルと言えます。

リノベーション_ステンレスキッチン

デメリットや注意点

キズがつきやすい

ステンレスキッチンは丁寧に扱っていても細かいキズが付きやすい特徴があります。ただし、キズから錆びていくことはなく、キズの表面に保護膜ができ、錆にくい性質を持っているので安心してください。
毎日の掃除では、硬いブラシやタワシで擦るのではなく、柔らかいスポンジや布巾で手入れするようにしましょう。
最近では特殊エンボス加工やヘアライン加工など、各メーカーで傷がつきにくい表面の仕上げ加工をしているものもあるので比較してみてください。

水垢や石鹸カスが目立ちやすい

ステンレスキッチンは、水垢や石鹸カスなどの白い汚れが目立ちやすい素材でもあります。

汚れを落としやすいステンレスと言っても、放置するとだんだん汚れが固まり落ちにくくなります。台所用洗剤を使ってこまめに掃除をするようにしましょう。水垢や石鹸カスがひどい場合は、メラミンスポンジやクレンザーを使用すると簡単に落とすことができますよ。

経年劣化により光沢感が減少

ステンレスキッチンは、毎日使う内に光沢感が減少し、だんだん雰囲気が変わっていきます。
完全に劣化を抑えることはできませんが、使い込んで光沢が変化したステンレスキッチンは、新品のキッチンとは違う味わいがあります。
時間が経つにつれて変化していく雰囲気を楽しめるのは魅力のひとつとも言えます。

ステンレスキッチンの施工事例紹介

サンワカンパニー|オッソ

こちらはサンワカンパニーの「オッソ」というシリーズです。
ステンレスキッチン

必要最小限の機能で構成されたシンプルなデザインのためスッキリとした印象です。
棚板の追加や収納の設置など、ライフスタイルに合わせてアレンジできるのも魅力です。

▼オールステンレスキッチンの施工事例
施工面積(部分リノベーション):57.99㎡/リノベーション費用:760万円(税別)
キッチン本体価格:68万円(税別)

サンワカンパニー|グラッド45

こちらも同じくサンワカンパニーの「グラッド45」というシリーズです。

天板だけでなく、扉やキャビネットも全てステンレスでできているのでLDKの一角に据えるだけでスタイリッシュな印象を与えることができます。

▼オールステンレスキッチンの施工事例
施工面積(部分リノベーション):99.27㎡/リノベーション費用:980万円(税別)
キッチン本体価格:65万円(税別)

クリナップ|ステディア

こちらはキャビネットの部分がステンレスになっているクリナップの「ステディア」というシリーズのものになります。
ステンレスキッチン

構造のそのものがステンレスなのでキッチン全体が清潔で長寿命。湿気によるカビやにおいに強いキッチンとなっています。
施工事例のお客様は天板や扉の面材はステンレス以外のものに変更していますが、ステンレスのものを選ぶことも可能です。

▼ステンレスキッチンの施工事例
施工面積(フルリノベーション):76.0㎡/リノベーション費用:1,585万円(税別)
キッチン本体価格:120万円(税別)

クリナップ|セントロ

先ほどのステディアと比較するなら、クリナップにセントロというステンレスキッチンもあります。

リノベーション_ステンレスキッチン

引用:クリナップ

セントロはクリナップのキッチンシリーズの中でもハイグレードクラスに位置する商品です。ステンレスキッチンと聞くとどこか冷たい印象を受けますが、セントロは木目調のデザインなども選べるのでリフォーム・リノベーションの選択肢が広がりますね。

EIDAI×SEDIA|304

こちらは天板の部分のみステンレスを採用したEIDAI×SEDIAのオリジナルキッチン「304」です。
天板がステンレスのキッチン

合わせてキッチンパネルもマグネットがくっつく、SUS304ステンレス材を使用。
キャビネット部分は黒のレザー調の面材を使用しているので、スタイリッシュな空間にアクセントが入ってカッコいい印象に仕上がっています。

▼ステンレスキッチンの施工事例
施工面積(フルリノベーション):65.13㎡/リノベーション費用:970万円(税別)
キッチン本体価格:98万円(税別)

【オリジナル】自由に組合せられるステンレスキッチン

toolbox|オーダーキッチン天板


キッチンの天板・収納・レンジフードなどを自由に組み合わせて、世界に一つだけのオリジナルキッチンを作ることもできます!
toolboxのオーダーキッチン天板は幅や奥行きを1mm単位でサイズオーダーが可能なので、間取りに合わせたキッチンを作ることができリノベーションにピッタリなステンレスキッチンです。
無駄のないシンプルなデザインは、どんな素材とも相性がよくキッチンの収納部分を造作したい方におすすめです。

▼オリジナルステンレスキッチンの施工事例施工面積(フルリノベーション):183㎡/リノベーション費用:2160万円(税別)キッチン本体価格:61万円(税別)

ステンレスキッチンを大切に使うための3つのポイント

ステンレスキッチンは使い勝手の良いキッチンですが、もっと長く大切に使う方法を覚えておきましょう。

毎日のお手入れとメンテナンス方法

他のキッチンと同じように、汚れをそのままにすると頑固な汚れがこびりついたり、カビや錆が発生することがあります。毎日の掃除は簡単なので、日頃から汚れを溜めないようにしましょう。

料理や洗い物の後は、カスや汚れが残らないように食器用洗剤をスポンジに付けてシンク内を掃除します。すすいだ後は残った水分を拭き取ることで水垢やカビができにくくなります。1日の終わりに天板の上や水栓の根元も水分や汚れを拭き取っておくと、水垢が残らず気持ちよく使うことができます。

もし、汚れや水垢が残ってしまった場合は、スポンジにクリームクレンザーをつけて軽く擦り、よくすすぎ流します。強く擦ると部分的にステンレスの表面の見た目が変わってしまうので気をつけてください。また、研磨剤の種類によっては表面が傷ついてしまうこともあるので、目立たない箇所で試してから使用するようにしましょう。

キズや凹みを防ぐ

ステンレスキッチンに重いものを落としたり、硬いものをぶつけるとキズや凹みの原因になります。大きな凹みは修理が難しいため、重い調理器具などを使用する時は扱いに気をつけましょう。

天板やシンクにキズが付きにくいコーティングをすることも可能です。コーティングしておくことで、汚れも落としやすくなりお手入れもより簡単になります。

もらいサビに要注意

ステンレスは金属の中でもサビにくい素材です。しかし、金属製のスプーンや缶などをおきっぱなしにしておくと「もらいサビ」が発生することがあります。
他にも、もらいサビの原因となることはしないように気をつけましょう。
・しょう油などの塩分があるものの放置はしない。
・塩素系漂⽩剤の使用はしない。
・塩素系ヌメリ取り剤は使⽤しない。

万が一サビが発生した場合は、クリームクレザーで軽く擦りながら除去しましょう。

インテリアに合わせて、気分の上がるステンレスキッチンを選ぼう!

ステンレスキッチンのメリット・デメリットや施工事例を紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

存在感あるステンレスキッチンはキッチン本体についても考える必要がありますが、空間全体とのバランスも気になるところです。クジラ株式会社では随時デザイナー同席による無料相談会も受け付けております。

「人の住まいとは全然違う個性を出したい!」という人こそ一度ステンレスキッチンを検討してみてはいかがでしょうか?

WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

菅原 沙絵SAE SUGAHARA

設計 / 大阪府大阪市出身 / 普段からデザインを意識的に見て、自分ならどうするのか考えるようにしてます / インテリア雑貨が好きでナチュラル・シンプルなものを集めることにはまっています

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