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2021.11.22.Mon コラム

【不動産のプロが解説】長屋を購入するときのコツとは

長屋

近年、情緒あふれる長屋に住みたいという人が増えてきました。使い込まれた柱や、和を感じる外観などマンションなどには無い趣を感じますよね。

サスティナブルという言葉もよく耳にするようになった昨今、「モノを大切に使い続ける」という観点でも長屋を求める人は増えていきそうです。

しかし、長屋に慣れ親しみが無い人からすると少し難しいイメージがあります。必要な調査方法や基礎知識を知ることで、購入に向けた検討材料をしっかり揃えていきましょう。

長屋とは

長屋とは集合住宅の一種です。マンションのように上に高く建てられたものではなく、横(水平方向)に広く建てられた中に複数の住戸がある建物を指します。

長屋の説明

不動産ポータルサイトでは「タウンハウス」「テラスハウス」などと記載されている場合もあります。古くは江戸時代ごろに由来しますが、昨今人気が出てきている木造の長屋は1970年代以降に建てられた建物がほとんどです。

狭い路地に住宅が密集しているため、ご近所さんとの距離も近いことが伺えます。「昭和の頃にはあったご近所付き合い」と言われて想像するようなシーンには長屋の風景がよく登場します。

長屋

しかし、高齢化が進む中で相続後の所有者が利活用方法に悩み、更地になってしまう長屋も多く見られます。

数は減っているものの、まだまだ「長屋の利活用方法」が一般的ではないため安価で売買されているのも事実です。
不動産仲介業者では、四戸一(よんこいち※四つの住戸がひとつの長屋に入っている)など
の呼び方をしたりします。

長屋購入のメリット

一般的に長屋は安価で購入することが可能です。ではそれ以外にはどんなメリットがあるのでしょうか?

固定資産税・都市計画税

長屋に限らず、不動産を所有すると毎年税金(固定資産税・都市計画税)がかかります。これらは土地と建物それぞれに必要な税金となります。

国が評価する土地と建物の評価が高い場合税額は高くなり、評価が低い場合税額は安くなります。現在の日本では土地の価格(評価)が短期間で上下することはありませんのである程度横ばいですが、建物は老朽化するので評価も徐々に低くなります。

固定資産税

つまり1970年代以降に建てられた多くの長屋は、すでに建物の評価がほぼゼロに近いため建物への税金が少額のケースが多いということです。

好立地の可能性

主要な駅に近く、土地の価格が高い好立地でも長屋が残っているケースがあります。

長屋は複数の住戸がひとつの建物に入っているため、仮にひとつの長屋のみを解体したい場合でも、隣接する他の住戸の所有者や入居者に“長屋をひとつ切り離す同意”を必要とします。つまり、更地にして再建築・再開発したい場合はたくさんの人の同意が必要となります。

相続を繰り返すうちに、ひとつの長屋に住戸の数以上の所有者が存在する(ひとつの不動産を複数人で共同所有している)場合もあります。

その結果、新築マンションがどんどん建てられているような立地でも長屋が残っている地域が存在するということです。

改修工事に苦労する場合もありますが、「憧れのエリアに土地付きで不動産を所有する」ということも長屋購入ではよく見られる事例です。

建物面積

長屋の隣に新しい一戸建てが建てられているところでは、長屋より隣の一戸建ての方が道路に対して離れて建てられているケースがよく見られます。

これは長屋が建てられた時代の法律と、現在の法律が違うことから起こる現象です。道路の中心より一定の距離を離した位置に建物を建てる必要がありますが、長屋の場合は土地と道路の境界線ギリギリのところまで建物があるケースがほとんどです。

つまり、同じ立地であれば、長屋の方が土地の広さに対して建物の面積も広いということになります。

購入前に気をつけるべきポイント

このように、マンションや一戸建てを購入するのとは違ったメリットを持つのが長屋です。では、購入前に気をつけるべきポイントとはどういったものなのでしょう。

土地の所有権

不動産購入をする際、多くは不動産仲介業者を頼ることになるので、不動産売買契約の前にいろいろと調査してくれます。

たくさんある情報の中でも「土地の所有権」については、具体的な購入検討に入る前段階でも気にしておきましょう。

長屋の中には、土地と建物の所有者が違うものも多くあります。土地が違う所有者の場合には、建物の所有者が地代(土地の使用料)を払ってるのでその金額も重要です。

また、土地所有者と建物所有者が結んでいる契約の内容にも注意しましょう。将来の建物売却やリフォームなどについて土地所有者の承諾を必要としている場合も多く、思った以上に自由が制限されているかもしれません。

再建築について

前述したように、長屋が建てられた頃と今は違う法律の内容が違います。現在の法律上、長屋を解体しても新しく建物を建てることができない場合もあります。

これを不動産仲介業者は「再建築不可物件」と言いますが、物件内覧時のタイミングで「この長屋は再建築可能ですか?」と聞けば教えてくれます。

長屋のほとんどは木造住宅となります。つまり火災が起きた場合に近隣に延焼する可能性も高いため、再建築できない長屋は要注意です。

長屋全体の修繕履歴

マンションを購入する場合は管理組合に問い合わせると、マンション全体の修繕履歴について開示してくれます。建物が新築されて以降、どのくらいメンテナンスが繰り返されてきたかは必ず知っておきたいですよね。

しかし、長屋の場合ほとんどが修繕履歴が形として残っていません。

購入前に建築のプロに長屋を調査してもらうとしても、過去のことについては隣接住戸の所有者や入居者にヒアリングしましょう。

長屋の屋根裏

表面的には修繕されて綺麗になっていても、過去に火災などがあり柱や梁に損傷が残っている場合などもあります。

屋根裏

長屋は屋根裏がひとつの空間で繋がっているのが特徴のひとつでもあります。しかし、今までの所有者や入居者がリフォームを繰り返すうちに、防音や断熱の観点から屋根裏部分に仕切りを設けて、隣接する部分と区切っているケースもあります。

長屋の屋根裏の図

ほとんどの長屋が建てられたころから手を加えていませんが、新しく長屋を購入する場合は屋根裏を仕切るリフォームをおすすめします。

室内の音が屋根裏の繋がっている部分を通じて隣接する住戸への音漏れを、仕切りを設けることで緩和することができます。リフォーム・リノベーションを検討される人には必須の調査箇所ですね。

長屋購入の先輩に聞く

クジラではたくさんの長屋リノベーションを実施してきました。その目的は様々ですが、実際に購入された人たちはどういった感想をお持ちなのでしょうか。

何社にも断られた

-長屋のリノベーションを決められた経緯を教えていただけますか?

お客様:元々商売で使っていた長屋でしたが、住宅に変えられないかなと考えたところがきっかけでした。隣接する住戸にすでに住んでいたので、そちらとの行き来のしやすさとかも考えたかったので。

-リノベーション業者に断られたこともあったんですよね?

お客様:実は最初、違う会社さんでリノベーションの見積をお願いしていました。でも、家の前の道が狭くて道路を見た時点で何社にも断られて、諦めかけていた時にクジラさんを見つけました。

クジラさんは予算内に収めて、住宅ローンの手伝いもしてくれるとのことだったので、安心してお願いする事ができました。

長屋のリノベーション事例

-お気に入りの部分ってありますか?

お客様:前よりリビングが広くなって過ごしやすくなりました。一番長く過ごす場所はゆったりできる方がいいと思います。あとはやっぱり階段が緩やかになって、段差もなくなり、生活しやすくなって良かったです。

安価に購入して不動産収益

-不動産を多数所有されているとのことですが、その中でも長屋を購入してみたご感想はいかがでしょうか?

お客様:長屋を収益不動産として扱うのは新しい試みでした。長期的に考えるとメンテナンスの観点からリノベーション費用が大きくなりましたが、固定資産税・都市計画税などが毎年安く済むことも踏まえると、デザイン性も高く、近隣の賃貸物件より面積が広い収益物件が完成したので満足しています。

長屋のリノベーション事例

-収益性についてはいかがでしょうか?

お客様:完成当初は民泊として運営しておりましが、コロナウイルス感染拡大を期に一般の賃貸物件として運用しています。現在も単身者に借りていただいていますが、近隣の同じような広さの築浅マンションよりも1割程度安い賃料で貸し出しているので、退去した後もすぐに入居者が決まり、収益性も安定しています。

-今後について教えてください。

お客様:私の場合、再建築が可能な長屋を購入しているので再度新築戸建てを建てることも視野に入れています。隣接する長屋の所有者の方にも、売却の予定があれば声をかけてほしいと言っているので、長期的には土地を広げていく可能性もあります。

おまけ

長屋には木造ではない建物もたくさんあります。

「古い木造はちょっとな…」という方は鉄筋コンクリート造などの木造以外の長屋を探してみるのもいいかもしれません。

長屋

いかがでしたでしょうか?長屋は「古い」「狭い」などがネガティブな印象もあるかもしれませんが、しっかり調査すればメリットもありますので活用方法次第では素晴らしい不動産であることがわかります。

年々減っていく長屋ですが、時代の生活風景を残す建物とも言えます。不動産購入を検討している人は、長屋も選択肢に入れてもいいかもしれませんね。

WRITERこの記事を書いた人

代表取締役 / プロデューサー

矢野 浩一KOICHI YANO

代表取締役(プロデューサー) / 宮崎県出身 / お客様の“不安”を”安心”に転換できるプロデュース / お客様と一緒にチームを作るのがクジラ流です。とことんこだわりたいお客様から、「どうしていいかわからない」というお客様までクジラスタッフを上手くご利用ください。

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