2022.04.02.Sat リノベーションのヒント

【フローリング種類】希少!ローズウッドの特徴を紹介

ローズウッドという木を知っていますか? ローズと付いていますが、バラの木ではありません。

ローズウッドは何百年も前からテーブル、キャビネット、さらには楽器やナイフの柄などのなかでも「最高級品」と称されるものに使用されてきました。
しかしワシントン条約によって輸出入規制がかかってしまったため、かなり希少な樹種です。

そんなローズウッドはフローリングでも選ぶことが可能です。

ローズウッドってどんな木?

ローズウッドは温暖な地域に生息するマメ科ツルサイカチ属の広葉樹で、「インドローズ」が正式名称です。
現地では「Sheesham(シーシャム)」と呼ばれているので、日本では「紫檀(したん)」と呼んでいます
イギリスの統治時代に「ローズウッド」と呼ばれるようになり、シルクロードを伝ってヨーロッパにたくさん流通し始めました。

その人気さゆえ、世界各地でローズウッドに似た性質を持つ木を産地と合わせて「〇〇ローズウッド」と名付け、人工的に植林されたものも含めると今では35種類もの樹種が「ローズウッド」と呼ばれています。

なぜローズウッドと呼ばれているかというと、バラのような華やかな香りが特徴であるからです。

ローズウッドの種類

ローズウッドと呼ばれる樹種でも産地によってわずかに違いがあります。
上でも述べているように「ローズウッド」と呼ばれる樹種は30種類以上ありますが、ここでは代表的なローズウッドを紹介します。

① インドローズ

上にも述べている通り、ローズウッドの元祖であるインドローズはインド南部のほか、パキスタンやネパールなどのヒマラヤ山脈周辺が原産です。

ローズウッドのなかでも最高級の木材とされています。
日本で紫檀と呼ばれるローズウッドはインドローズが中国を経由して伝わったもので、国宝でも紫檀を使用されているものがあります。

現在はインドの森林法によって保護されているためほとんど流通していません。

② インディアンローズウッド

同じインドが原産ですが、人工的に植林されたインディアンローズはインド西部やスリランカ、なかにはインドネシアなどの東南アジアの各地に生息しています。

インドローズに比べるとやや柔らかく加工しやすいのが特徴です。
成長が早く、生息地域も多いため流通しやすく、現在日本で「ローズウッド」と表記されているものはほとんどこの「インディアンローズ」です。

③ ブラジリアンローズウッド

別名「ハカランダ」と呼ばれます。
インドローズに次ぐ高級な木材とされ、インドローズと同じくヨーロッパの家具にも多く使用されています。
柾目(まさめ)の流れるように真っすぐな黒の縞模様が特徴的です。

楽器に使うといい音色を出すことから高級ギターなどにも使用されています。

現在はワシントン条約によって輸出規制がかかってしまい、日本での入手はかなり困難です。

ローズウッドの特徴

世界的に人気で供給が追い付かなくなるほどのローズウッド。
今では入手困難で日本ではアンティーク家具でしかお目にかかれないほどです。

あまり聞き慣れない樹種ですが、特徴を知れば人気の理由が見えてきます。

独特の「紫檀色」と木目、バラの香り

日本ではしばしば「紫檀色」とも呼ばれる紫がかった赤褐色の色味は他の樹種にはないローズウッドならではの色味です。
黒に近い紫色の木目がさらに味わい深さを演出してくれます。

ローズウッドの由来ともなっているバラの香りは年月を経ても変わらず、ほのかにバラの香りを漂わせます。

堅く耐久性抜群

素人では加工できないと言われるほど堅いローズウッドは耐久性が抜群です。
乾燥さえしっかりしていれば、ほとんど狂いが出ないことから楽器に多く使われてきました。

アンティーク家具が今でも高値で販売されていることからも分かるように、古くても品質が落ちることがなく虫や菌に強いことも特徴です。

ローズウッドを取り入れたインテリア

ローズウッドは古くから高級品として扱われてきたため、家の広い部分に使用されることはほとんどありません。
フローリングとしてもローズウッドを選んだ事例はかなり少ないと言えるでしょう。

「他の人が選ばないような空間コーディネートにしたい」「独特の高級感を出したい」という理由ならローズウッドのフローリングを検討してもいいかもしれませんね。

一方、空間の一部にローズウッドを取り入れるケースはよく見られます。

ローズウッド×和テイスト

日本でも昔から「紫檀」と呼ばれ使用されてきたので、和風のお部屋にももちろん合います。
ローズウッドのテーブルがあるだけで趣深い空間に仕上がりますね。

ローズウッド×ブルックリンヴィンテージ

アンティーク家具がより雰囲気を作り出してくれるブルックリンヴィンテージ。
ローズウッドのテーブルもなかなか入手するのは難しいですが、もし入手できたらぜひ挑戦してみたいテイストです。

ローズウッド×北欧テイスト

ローズウッドの濃い色味は北欧テイストには合わないと敬遠しがちかもしれません。
実際にはローズウッドはヨーロッパでも多くの人に愛されてきた樹種。
もちろん北欧テイストにも合わせられます。

お部屋のワンポイントに少し贅沢なローズウッドのチェアもいいですね。

ローズウッドの魅力を感じて

独特の色味と香りがなんといっても一番の魅力であるローズウッド。
昔から世界中で愛されてきたのも納得ですね。

予算面から考えて、フローリングなどの広い部分に取り入れるか、家具などでワンポイント(狭い部分)として取り入れるかをまず検討しましょう。

アンティーク家具も入手できる機会はまだありますので、ぜひ一度探してみてください。
特にローズウッドがヨーロッパで流行した頃の「リージェンシー様式」の家具は今の時代でも洗練されたデザインで廃れることはありません。

「希少性の高いものを住まいに取り入れる」という視点で住まいのコーディネートを考えると幅が広がりそうです。

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WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

松尾 翔SHO MATSUO

デザイナー / 兵庫県神戸市出身 / 空間や思考においてギャップを作ること。
それらがお客様やゲストなどの利用者にとって、良い意味での驚きや心を踊らせるような体験に繋がると信じています。 / 私たちの仕事はカッコいい空間を作ることではなく、お客様の暮らしがより素敵になるようにデザインすることです。
プロとしてお客様のご要望を叶えるだけではなく、言葉にできない "想い" を引き出し、表現することを心掛けています。

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