購入前にチェック!重要事項調査報告書で中古マンションの管理状況を知ろう
マンションの清掃が行き届いているか、住民の生活マナーは自分たちに合っていそうかなどは内見である程度確認できますが、マンションの財政的な管理状況や今後の計画などは把握しきれません。
購入してから管理費・修繕積立費がいきなり値上がり、駐車場や駐輪場が思っていたように使用できないといったことも中古マンションの売買ではよく聞かれるトラブルです。
こういったトラブルを避けるために「重要事項調査報告書」というものをチェックしておくといいかもしれません。
今回は購入前に「重要事項調査報告書」でチェックしておきたいポイントを解説します。
目次
重要事項調査報告書とは
重要事項調査報告書とはマンションの説明書のようなものです。
管理の状況や今後の計画、今現在の運営方法や規約などマンションに住むうえでの細かな生活にかかわる情報が記載されています。
中古マンション購入時に「重要事項説明」が行われますが、これはすでに購入の前提がある場合になされるものです。
実際、契約時の寸前に重要事項説明が同時に行われることがほとんどです。
重要事項調査報告書は管理会社を通じて発行してもらうことができます。
即時に発行は難しいのと、発行手数料が数千円程度かかりますが、事前にマンションの管理状況を詳しく知れるので、これから検討したいマンションが管理面でどうなのかという判断をするのにいい材料となります。
重要事項調査報告書は中古マンションの何が載ってる?
重要事項調査報告書には主に下記のような項目が記載されています。
・管理体制(管理会社や管理人の勤務形態など)
・管理組合(総会の時期や役員について)
・住戸の情報
・管理費や修繕積立金の変更予定
・マンション全体の収支状況(滞納金の有無、借入金の有無など)
・駐車場・駐輪場の使用状況や使用規約
・大規模修繕工事の計画
・インターネットやケーブルテレビのアンテナについて
・専用使用権について
・ペットの飼育、楽器の演奏について
・リフォームについて
以上のように売買される住戸についての情報はもちろん、そのほかの共用施設の使用やマンションの運営にかかわる金銭的な情報なども含まれています。
「重要事項調査報告書」チェックするべきポイントは?
どれもマンションの運営には欠かせない情報ですが、これから検討する場合に買い手は具体的にどこに注目して見ればいいのでしょうか。
チェック① 管理費や修繕積立金の変更予定
マンションは管理にかかるお金(管理費)や修繕のための積立(修繕積立金)の値上げについて総会で決議をとります。
すでに値上げの計画があれば調査報告書で知ることができます。
チェック② マンション全体の収支状況(修繕積立金・借入・滞納)
大規模な修繕工事の計画があれば100~150万円×個数程度の修繕管理費が必要な目安となります。
この目安から大きくかけ離れている場合、修繕工事が実施される前に急な修繕積立金の値上がりや一時金の徴収がないとは限りません。
修繕積立金の貯蓄が計画通りに進んでいないのは、計画にそもそも問題があるのか、大きな滞納金があるのか、など問題点がある可能性が高いと言えます。
またマンション全体で一時的に借入をしている場合には、用途が適切であったかも確認しておくと安心です。
多くのマンションで抱える問題が滞納(管理費・修繕積立金の未払い)問題です。
修繕積立金の未払いが多いと修繕工事が予定通りにできなくなったり、管理費の未払いが続いている場合は誰か他の人が肩代わりしている可能性もあります。
チェック③ 大規模修繕工事の計画
築年数が10年以上、特に20年経過しているマンションではエレベーターや配管などの設備の老朽化に伴い大規模な修繕工事が計画されている場合があります。
チェック②でも述べた通り、大規模な工事がある場合には戸数×100万円程度の予算が必要になります。
修繕積立金が工事前に予算まで達しない場合、値上げや一時金の徴収がある可能性もあるので、引っ越し早々に予想外の出費になってしまう恐れがあります。
チェック④ ペットの飼育、楽器の演奏について
近年ではペット可のマンションが増えてきましたが、築年数の古いマンションではペット禁止のところもあります。
楽器の演奏については禁止のところもあれば一定の制限がある場合もあります。
制限については演奏禁止の時間帯などの記載があるので確認してみましょう。
チェック⑤ 駐車場・駐輪場の使用状況や使用規約
駐車場や駐輪場は使用料がかかる場合がほとんどです。
使用料だけでなく、使用台数の制限や空き状況、売り手が所有している区画があれば継承できるのかどうかなども調査報告書には記載されています。
子どもがいる場合には駐輪場の台数制限については要チェックです。
また駐車場も待ち優先の場合にはすぐに使用できないこともあるので、空き状況をみておきましょう。
チェック⑥ リフォーム・リノベーションについて
リフォーム・リノベーションを行う場合、一般的には管理組合に事前に届け出を出します。
気を付けたいのは床材についてです。
マンションでは遮音性能の高い床材に使用を制限している場合があり、まれに床材のリフォーム・リノベーションを個人で行うことが禁止されているマンションもあります。
リフォーム・リノベーションの規約については調査報告書だけでなく管理規約でも確認する必要があります。
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中古マンション購入では管理面も重要
物件の購入では築年数や間取り、部屋のデザインやアクセスなど色んなポイントが気になります。
中古マンションを購入の場合にはこういったチェックポイントのなかに「管理」についても盛り込んでみましょう。
マンションでは自宅部分は自分たちである程度好きにできても、エントランス、駐車場・駐輪場や外観といった共用部分については手を出せません。
自分たちが住みやすい環境であるかどうかはマンションの管理によっても変わってきます。
重要事項調査報告書で中古マンションの管理面や実情を知り、自分たちの生活に合いそうか、今後も安心して住めるかどうかを判断しましょう。
不動産についての知識がない場合でも不動産屋と一緒に報告書を見てみればある程度のことは見てもらえるはずです。
物件の候補が絞れたら重要事項調査報告書を取り寄せて一緒に見てみてくださいね。
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