2023.06.02
最終更新日
2023.06.02
CREATOR's STORY

CREATORS’s STORY|Designer 片山 飛翔|“色や質感が与える影響”を考えるデザイナー

リノベーションデザイナーのインタビュー

決断力があり、粘り強い。長時間集中できるデザイナーの片山 飛翔(つばさ)。

後輩デザイナーの面倒もつい見てしまうから、いつも忙しいデザイナー。

代表の矢野と、入社一年目の柳川でインタビューしました。

デザイナーとしてのルーツ

矢野:今日のインタビューはつばさか。。つばさは後輩には優しいけど、先輩には塩対応やからな。笑

リノベーションデザイナーのインタビュー

Writer
矢野浩一
代表取締役/プロデューサー
調理師学校を卒業後、起業という夢を叶えるため不動産業界へ。
20年近い不動産・建築業界での経験から、空き家を利活用した新しい形のホテル「SEKAI HOTEL」などの事業も手がける。


矢野:あっこちゃん(柳川)はインターンの時どうだった?

リノベーションデザイナーのインタビュー

Writer
柳川映子
デザイナー
大学院で建築を学び、二級建築士の有資格者でもあるので、ロジカルな設計を組み立てていくのが得意なデザイナー。

柳川:私は電気関係や水回り設備関係の図面作成でいろいろアドバイスもらいましたね!

私のインターン初日に現地調査に同行させてもらった案件が、つばささん担当で。現地での採寸とか見てて「すごく仕事早い人だな」って思ったのを覚えています。

矢野:なるほど。つばさは他のスタッフからも「決断力がある」って言われてるよね。それがあっこちゃんからは“仕事が早い”って見えたのかも。

柳川:あと、つばささんの図面ってなんか“こだわり”を感じんるんですよね。「暮らしている人のイメージが湧く」って感じなんですかね。

リノベーションデザイナーのインタビュー

矢野:あとはスノーボードがめちゃ上手い。

柳川:そうなんですね。笑

矢野:今日は、デザイナーとしてのルーツだけでなく、どういった思考プロセスでデザインしているのかとかも聞きたいね。

つばさは元々、親父さんの知り合いのところで建築の仕事始めたんやった?

リノベーションデザイナーのインタビュー

Writer
片山飛翔
デザイナー
バランスの取れた色彩感覚と暮らしやすさを考えた動線計画で、女性からも人気のあるデザイナー。休日は料理とキャンプをするのが定番です。

片山:実は高校中退してて…笑。そこから父親の友人の会社で電気工事の仕事をしていました。

この電気工事が僕の建築業界のスタートです。

矢野:そこから専門学校に行ったわけ?

片山:はい。

電気の配線工事をしているうちに、工事現場の“出来上がる前”と“出来上がった後”のギャップが本当に面白かったんです。

矢野:建築に興味を持つ大切なポイントやね。

片山:電気工事の仕事をやめた後、フリーターしたり、自分の人生考える期間があったんですけど、最終的にスペースデザインカレッジ京都校のインテリアデザイン設計科に行くことを決めました。

電気の配線工事で現場を経験していたので、授業の内容が具体的にイメージしやすかったです。

柳川:私は、全く逆でしたね。学校でしか勉強してなかったので現場のイメージが全然湧かず、クジラでインターンしてからすごく苦労しました。

矢野:学校時代の思い出とかある?

片山:みんなとても優秀でしたね。夜中まで学校でみんなで課題してましたけど、楽しいっていう方が大きかったです。

矢野:建築の青春やなぁ

片山:電気関係の知識以外にも、父親が設備工事業者をしていたのである程度工事の全体像を知っていました。勉強や、みんなで取り組む課題が楽しかったし、現場での経験がしっかりと学校で深まった感じです。

矢野:なるほど、「現場を経験してから学校に入る」っていうのは一般の学生と比べて異色な経歴よね。あっこちゃんは学生インターンの時に、後輩として先輩のつばさにどういう印象だった?

柳川:いつもいろいろ丁寧に教えてもらって優しいイメージです。

矢野:後輩には優しいからなぁ。笑

柳川:それよりも…

矢野:それよりも?

柳川:いつも何かに追われて忙しくしているイメージです。笑

リノベーションデザイナーのインタビュー

矢野:間違いない!笑

きっと、頼られたら断れないのがつばさっぽいところだろうから、追われながら生み出してきたデザインを見ていこう。

Works|Designer 片山 飛翔

マンションリノベーション

矢野:かなりお客さんのこだわりが詰まったリノベーションよね?

片山:そうですね。

リノベーションデザイナーのインタビュー

矢野:動線・間取りでいうとどこが印象深い?

片山:廊下に洗面を持ってきたところですね。

お客さん自身が共働きで、生活動線をすごく気にされていて。さらにディレクターからの話で「お客さまは物件探しの頃から『一ヶ所にひとつの用途はもったいない』とおっしゃっている」が上がっていたので、プランの際に「廊下に洗面所を作る」プランに至りました。

リノベーションデザイナーのインタビュー

片山:洗面所って帰宅後にも使うし、寝る前にリビングから寝室に行く時も使うので、生活上よく通るところに配置しました。

矢野:モールテックスや古材を使用した質感にこだわった感じに見えるけど?

片山:お客様がアンティーク調を好んでらっしゃって、少しムラがある感じとか、風合いがあるようなデザインを考えました。僕個人としては、リビングのブロックタイル壁+白塗装の部分がお気に入りです。

矢野:その提案をした理由は?

片山:お客様お気に入りの家具がTRUCK Furniture(大阪)だったので、僕自身もお店に出向いてお客様が気に入っている雰囲気そのものを体験しました。

リノベーションデザイナーのインタビュー

出典:https://www.truck-furniture.co.jp/

TRUCK Furnitureの店舗内の雰囲気や、商品ひとつひとつの雰囲気をしっかりインプトットした上で、「空間に凹凸があるようなデザインによって、お客様の好きな雰囲気で統一感を出せると思います」とお客様に提案した経緯です。

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長屋リノベーション

矢野:この長屋も期間・工事内容など様々な点で、本当に大変だったリノベーションやね。

リノベーションデザイナーのインタビュー

片山:お客様がご両親から引き継いだ長屋を、リノベーションして長く住みたいというご要望でした。

僕が担当した案件で、ここが一番苦労した案件だと思います。

柳川:長屋にたくさんのお金かけるって、世間的には普通のことじゃないと思うんですけど、お客様の反応はどうでした?

片山:「周りの人に『ものすごくお金かけたんじゃない?』聞かれるけど、とても満足しているから高かったとは全然思っていない」って言われてものすごく嬉しかった。

リノベーションデザイナーのインタビュー

片山:お客様が弊社のSEKAI HOTELのデザインをすごく気に入ってくださってたので、そこを起点にいろいろ打ち合わせもしましたし、SEKAI HOTEL担当デザイナーの松尾にも細かいところまで相談しながら進めました。

矢野:自分の一番のお気に入りの部分ある?

片山:階段のデザインですね。蹴上と踏面の寸法を一般的なものとは変えてみました。

リノベーションデザイナーのインタビュー

片山:一般的な階段の影は210mm前後なのを、ここでは195mmに低くしました。さらに踏面は一般的に220〜230mm程度なのを、240mmに広く設計しています。

矢野:階段がゆったりすると、使う人の感情もゆったりしてくるよね。ホテルのロビーにある階段みたいな。

リノベーションデザイナーのインタビュー

片山:このリノベーションではお風呂などの水回りを2階に配置したんですけど、引っ越し後にお客様に「階段が苦しいものというイメージから楽しいものに変わった」とおっしゃっていただけたのが嬉しかったです。

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クジラ入社エピソード

矢野:クジラに転職を決めた当時、思い描いていた今になってる?

片山:実は矢野さんに面接してもらった時、勤めていた会社を辞める気はなかったけど面接に行ったって感じなんですよね。笑

リノベーションデザイナーのインタビュー

矢野:初耳!

片山:社会人としては二社目に勤めていた時で、社員は自分を含め3人だけ。めったに他のスタッフと顔を合わせることが無いので「他のスタッフって何してるんやろう?」と思ってました。

少し前に登録した転職サイトに通知がずっと溜まってて、そのうちのひとつがクジラでした。ずっと一人で働いている感覚だったので、クジラを見た時は「結構同世代がいる会社なんやなぁ」って。

矢野:当時つばさは23歳くらいやったかな。確かにその年齢の時に毎日ひとりで仕事するのは寂しいな。

片山:実際入社してみると思ってた通り、同世代とのコミュニケーションがとても取りやすいなと感じました。

今までは、同僚も取引先や職人さんも一回り以上年上の人がほとんどだったから、すごく新鮮に感じて、同僚と“仕事以外の時間も一緒に過ごす”というのも初めての経験でした。

リノベーションデザイナーのインタビュー

矢野:仕事の同僚とプライベートも過ごすようになって、変わった価値観とか、発見したことってある?

片山:良い意味で、仕事とプライベートの境界線が曖昧になりましたね。

前職と比べて、クジラではチームワークを重視する会社ですが、心許せる同世代とたくさん時間を過ごしたことで、仕事でのチームワークもすごく良くなったと思います。

矢野:じゃあ公私共に、今は充実してる?

片山:そうですね。

「考える」の意味が変わった

リノベーションデザイナーのインタビュー

矢野:入社して変わった部分ってある?

片山:クジラで働いてみて一番変わったのは「考える」の意味です。人生振り返って「何も考えていなかったな」「逃げる選択ばかりだったな」って思いました。

今は、考えることも気になることもすごく増えましたね。

柳川:具体的にどんなことですか?

片山:たとえば、職人さんから『こうした方がいいんじゃない?』って言われても、昔ならそのまま鵜呑みにしていたけど、今なら「どういう意図だろう」とか「それがお客さんにとって今のプランよりも最善なのか」と深く考えるようになった。

リノベーションデザイナーのインタビュー

柳川:私は事務所のつばささんしか知らないんですけど、現場で自分より経験値が高い職人さん、年上の職人さんが多い中で、どうコミュニケーションしてるんですか?

片山:一旦、経験値が低い、年下とかっていうのは忘れて同じ目線で話すように心がけてるかな。その上で職人さんから出てきた意見について吟味して決めていくようにしている。

上手く伝わらないことも多いから、とにかくあきらめずに何度も伝える。めげずに、必死に。その場でイラスト描いたり、写真探してきて見せたり、とにかく伝えることをあきらめない。

矢野:よく職人さんとぶつかってるイメージあるもんな。笑

片山:他にも『自分が働きやすい環境・会社ってなんだろう』って考えるようになりましたね。

矢野:おおお。それは素晴らしい。具体的に聞かせてもらえる?

片山:今まで職場などの環境そのものを変える意識なんてなかったけど、クジラに入社してから『会社そのものを作っていこう』とか『もっと良くしよう』と考えるようになれました。

クジラのデザイナーとして

矢野:最後に、今後のデザイナーとして考えてること聞きたいな。

リノベーションデザイナーのインタビュー

片山:この質問めっちゃ難しいですよね…

矢野:そこをなんとか。

片山:自分をデザイナーと思ってないんですよ。

柳川:じゃあ自分をなんだと思ってるんですかね。笑

片山:「デザイナー」ってなんだか格式高いイメージない?自分はそこに立っているイメージが湧かなくて…

柳川:確かに、私もお客様へ自己紹介する時に名刺と一緒に「デザイナーです」って言うのちょっと緊張します…

矢野:全くインタビュアー困らせてくれるなぁ…じゃあ何かチャレンジしたいことある?

片山:これは昔からなんですけど「色」に興味があります。

矢野:面白そう。詳しく聞かせて。

片山:専門学校の時に色彩の授業があって、それがすごく面白かったんです。それ以来色そのものだけでなく、色が与える心理的影響力とかまで含めて興味深いです。

柳川:前からつばささんの図面ってなんとなく「良いなぁ」って思ってました。

リノベーションデザイナーのインタビュー

片山:お客様との打ち合わせ用に資料も、判断しやすいように色分けしたりしてるね。

設計する時にも「動線」とかってリノベーションが終わるまでわからないけど、色はすごくわかりやすい要素。色ってすごくたくさんあるから、まだ使ったことない色とか、どんな影響力を持つかとか、考えるとすごくワクワクする。

矢野:色にフォーカスしてやってみたいことある?

片山:保育園のデザインをしてみたいです。

子どもって一番環境に影響されやすいし、色にもきっとすごく刺激されると思うから、保育園をつくりたいです。

固定して使いたい色があるわけじゃないけど、緊張感のある色、リラックスできる色の組み合わせ、など、オンオフを演出できる色を考えてやってみたいですね。

矢野:そのエピソード面接に来た時も言ってたよね。ブレずに夢を追いかけてるところがつばさらしい。あっこちゃんは普段聞かない先輩の話どうだった?

柳川:つばささんの過去について全然知らなかったので聞けてすごくよかったです。

「つばささんが描く図面にはこだわり感じるな」って私が感じていたのも、『色に興味がある』って聞けてすごく納得感がありました!

ポートフォリオ|Designer 片山 飛翔

事例写真

リノベーションデザイナーのインタビュー

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CGパース

リノベーションデザイナーのインタビュー

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WRITERこの記事を書いた人

代表取締役 / プロデューサー

矢野 浩一KOICHI YANO

代表取締役(プロデューサー) / 宮崎県出身 / お客様の“不安”を”安心”に転換できるプロデュース / お客様と一緒にチームを作るのがクジラ流です。とことんこだわりたいお客様から、「どうしていいかわからない」というお客様までクジラスタッフを上手くご利用ください。

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