2024.01.08
最終更新日
2024.01.11
リノベーションのヒント

内装リフォームの費用・タイミングは? 注意点とおしゃれな施工事例をご紹介

リノベーション インテリア 内装

経年劣化による傷みが気になったり、部屋の雰囲気を変えたくなったりしたときに検討したい「内装リフォーム」。せっかく新しくするなら、より自分好みで快適な空間にしたいですよね。できることなら、工事の無駄を省いてコストも抑えたいところ。

この記事では、主な内装リフォームにおける費用相場と、失敗しないための注意点、そしてリフォーム箇所ごとの施工事例も紹介していきます。

内装リフォームの費用相場は?

一括りに内装リフォームといっても、リフォームする箇所によって費用は大きく異なります。施工箇所ごとの費用相場を表にまとめました。

施工箇所費用相場(工事の内容によって変動します)
クロス(壁・天井)の張り替え800〜30,000円/㎡
フローリング(床)の張り替え10,000〜30,000円/㎡
キッチン50〜300万円
トイレ10〜20万円
洗面所10〜25万円
浴室50〜80万円
間仕切りの設置・撤去8〜25万円
収納スペース5〜15万円
階段5〜100万円

費用相場といっても、金額には大きく幅がありますよね。どんなリフォームにどのくらいの費用が必要なのか、具体的に確認していきましょう。

クロス(壁・天井)の張り替え

リノベーション 内装
内装リフォームのなかでも、もっとも手軽に行えるのが「クロスの張り替え」。「壁や天井の汚れや黄ばみが気になる」、「部屋の雰囲気を変えたい」といったときが替えどきです。

クロスの種類は大きく分けて、スタンダードクロスとハイグレードクロスの2つ。前者は多くの住宅で一般的に使用されているシンプルなクロスで、後者はデザイン性に富み、汚れを拭き取りやすいなどの機能性も備えているクロスです。

予算を重視するのか、デザイン性や機能性を重視するのかで決めるといいでしょう。

【主な費用】
スタンダードクロス:1㎡あたり800〜1,000円(税別)
ハイグレードクロス:1㎡あたり1,000〜1,500円(税別)

フローリング(床)の張り替え

リノベーション 内装
クロスの張り替えと同様、内装リフォームでとくに一般的な「フローリングの張り替え」。使用する床材によって見た目の印象が変わるだけでなく、歩いたときの感触や耐久性も変化します。

フローリングは木材を中心とした材料から作られる床材ですが、プラスチックの一種であるポリ塩化ビニルのタイル、略して塩ビタイルも人気の高い床材の一つ。

耐久性や加工性が高く、コストも安価に抑えられるのがメリットですが、フローリングに比べ表面が硬く、冷たくなりやすいというデメリットもあります。

床材の種類・特徴を理解し、予算に合った納得いくものを選ぶようにしましょう。

【主な費用】
塩ビタイル:1㎡あたり7,000〜9,500円(税別)
フローリング:1㎡あたり10,000〜30,000円(税別)

キッチン

リノベーション キッチン
キッチンは、キッチン自体がグレードにより金額の幅が広く、内装リフォームのなかでももっともお金の使い方に悩む場所といえます。

キッチンそのものの機能性やデザインを重視するのか、周辺のデザインや動線、使いやすさを重視するのか。日々の料理に欠かせないキッチン、リフォームする上で「優先順位」を意識して予算を組むのがいいでしょう。

【主な費用】
キッチン本体交換:50〜300万円(税別)
キッチン周辺リニューアル:5〜30万円(税別)

トイレ

リノベーション トイレ

毎日何度も使用するトイレは、どうしても劣化しやすい場所です。想定外の出費を抑えるため、機能性の劣化なのか、見た目の劣化なのかを確かめてからリフォームするようにしましょう。

また、予算に余裕がある場合は、壁・床・天井などもあわせてリフォームすると、まったく新しい空間のトイレを作ることもできますよ。

【主な費用】
便器交換:15万円(税別)程度
便座交換、壁・床リニューアル:10〜20万円(税別)

洗面所

リノベーション 洗面所
家族が増えたり、歳を取ったり、ライフスタイルによってリフォームを考えたい場所の一つが洗面所。洗面ユニットの交換や壁紙クロス、床材のみのリフォーム費用は10〜25万円ほど。

より使い勝手がよく、こだわりを詰め込んだ空間にしたい場合は、オリジナル洗面台という選択肢もあります。用途に合わせて照明や収納を増やすことが可能なため、鏡の前に立つ時間の長いおしゃれさんにおすすめです。

【主な費用】
洗面所のリフォーム:10〜25万円(税別)
オプション込み(グレードアップ、照明追加など):50〜80万円(税別)
オリジナル洗面台:25〜50万円(税別)

浴室

リノベーション 浴室
トイレと同じく、毎日使用することで劣化しやすい浴室。ユニットバス自体の交換か、ユニットバスの部分補修や壁・床の張り替えをするのかで費用は変わってきます。

ユニットバス・浴室交換となれば工事の費用、内容ともに大規模なものとなるため、必要がなければ補修だけで済ませたいところ。汚れや色褪せは塗装の塗り直し、コーティングで再生できることが多いです。リフォームの内容は業者と相談して決めるといいでしょう。

【主な費用】
ユニットバス交換:50〜80万円(税別)
ユニットバスの部分補修:30〜50万円(税別)
ユニットバス以外の浴室補修:20万円〜(税別)
ユニットバス以外の浴室交換:100万円〜(税別)

間仕切りの設置・撤去

リノベーション 間仕切り
ライフスタイルに合わせて間取りを自由自在に変更できる間仕切り。コロナ禍からリモートワークを行うようになり、リビングなどに仕事用スペースを設けたいと考えた人もいるのではないでしょうか。ほかにも、子ども部屋を2つに分けたり、ペットの侵入を防いだり、家庭のスタイルに合わせて空間を間仕切ることができます。

それとは逆に、今ある間仕切りを撤去して、開放感のある空間を作り出すことも可能です。

ドア・ガラス戸、格子戸・障子、アコーディオンカーテン、ロールスクリーンなど、間仕切りの種類によって費用は変わるため、求める防音効果や部屋の雰囲気に適したものを選ぶようにしましょう。

【主な費用】
間仕切りの設置:8〜25万円
間仕切りの撤去:7〜23万円

収納スペース

リノベーション 収納

住む年数が長くなるにつれ出てくるのが収納スペースの問題。
クローゼットを新設する施工や、市販されている家具を壁に埋め込む工事など、その方法は多岐にわたります。オプションの追加費用がかかりますが、クローゼット内にハンガーパイプや造作棚を組み込んで、あらかじめ使いやすいものにすることも可能です。

家族が増えたり、趣味の道具が増えたり、ライフスタイルに合わせて収納を増やす・カスタマイズできるのが、収納スペースにおけるリフォームの強みです。

【主な費用】
クローゼット新設:10〜15万円
オプション込み(ハンガーパイプや造作棚など):20〜50万円
家具の埋め込み:5〜10万円

階段

リノベーション 階段
安全性を担保する上でも、経年劣化とともにリフォームを考えたい階段。
手すりの設置から階段の架け替えまで、リフォームする内容によって費用は大きく変わります。昇り降りに不安がある場合は手すりの設置を、階段がきしむ・ぐらつくなどの問題がある場合は架け替えを検討しましょう。

そのほか、踏板の傷や汚れが気になる、滑りやすいといった場合には床材を交換することをおすすめします。

【主な費用】
手すりの設置:8〜20万円
床材交換:15〜30万円
床材交換(カーペット):5〜12万円
階段架け替え:60〜100万円

内装リフォームの費用を抑えるコツ

リノベーション 予算
数万円から数十万円の出費がかかる内装リフォームは、決して安いとはいえないお買い物。決断を早まって後悔しないためにも、費用を抑えるコツを知っておきましょう。

相見積もりをする

一社だけの見積もりでは、金額の妥当性やプランの是非は判断できません。複数社で相見積もりをして、素材や設備グレード、人件費、工期といった費用の内訳を入念に確認・比較することが重要です。

その際、「正確な予算」と「譲れない部分」をはっきりと伝えておきましょう。そのことで齟齬なくより自分のイメージに合った提案を受けることができ、安心してリフォームを進めることができます。

全体を一度にリフォームする

リフォームの工事費は材料費や設計費などに加え「日数×人件費」が基本。部分的なリフォームを何度も行うのではなく、複数箇所を一度にリフォームしたほうが費用を抑えられます。

デザインやクオリティの面から考えても、同じ業者で一度に工事を行ったほうが一つの家としての統一感も担保できるでしょう。

次項で記載している表から、経年劣化からくる内装リフォームのタイミングを参考にしてみてください。

内装リフォームのタイミング・目安

築年数によって必要になるであろう内装リフォームのタイミングを表にまとめました。あくまで一般的な目安なため、記載している時期にかかわらず、汚れや傷み、機能面での不便さを感じた場合は早めにリフォームを検討しましょう。

築年数施工箇所
築5〜10年クロスの張り替え
フローリングの補修
築10〜15年畳の張り替え
トイレのリフォーム
ガス給湯器の交換
築15〜20年洗面台のリフォーム
浴室のリフォーム
キッチンのリフォーム
室内ドアのメンテナンス

内装リフォームの注意点

リノベーション インテリアコーディネート
せっかくお金をかけてリフォームするのなら、少しでも満足のいくものにしたいですよね。そこで、内装リフォームを行う上で忘れてはいけない注意点をご紹介します。

内装リフォームの実績が多い業者を選ぶ

リフォーム業社だからといって、すべての業者が内装リフォームに特化しているわけではありません。内装リフォームのなかでも、クロスやフローリングの張り替えはできても、キッチンや浴室などの大掛かりなリフォームは対応外という業者もあるでしょう。

希望するリフォーム箇所に合わせて、業者の施工事例を隈なくチェックしておきたいところ。

「内装リフォームの実績が多い」、「インテリアコーディネーターが在籍している」という業者であれば、デザインや予算の相談を細かく行えて安心です。

サンプルで色や質感をたしかめる

壁紙や床材を選ぶときは、カタログではなくサンプルを取り寄せるか、ショールームに行くなどして実物を確認しましょう。

カタログだけでは実際の色や質感がわからず、施工後に「思っていたのと違う……」といった後悔に繋がってしまう恐れがあるからです。

毎日過ごす空間のリフォームだからこそ、自分好みの素材を選べるように「見て・触って」確かめることを意識しましょう。

使いやすさを重視する

内装リフォームで忘れてはいけないのが設備の「使いやすさ」。せっかくリフォームするならとデザインのおしゃれさを重視したり、なるべく低予算で済ませたいとコストを極限まで抑えたりしていると、利便性に欠けてしまうことがあります。

とくにキッチン、トイレ、洗面所、浴室などの水回りは使いやすさが重要です。将来的なライフステージの変化も見据えて、使いやすいものか吟味するようにしましょう。

内装リフォームに使える補助金の内容・条件

リノベーション 補助金
内装リフォームのなかでも、以下の場合には補助金・助成金が適用される場合があります。

・介護、バリアフリーのリフォーム
・エコ、省エネのためのリフォーム
・耐震性のためのリフォーム
・在宅勤務やウイルス対策のためのリフォーム

リフォーム補助金制度を活用したいときには、「着工前」に申請を済ませましょう。工期も条件付きの場合が多いため、工事日の調整も必要になってきます。

リフォーム補助金は大きく分けて、国から補助されるもの、自治体から助成されるものの2つ。全国共通のリフォーム補助金例としては、以下のようなものが挙げられます。

①介護保険法にもとづく住宅改修費の支給
要支援・要介護と自治体から認定された方が、住居をバリアフリーのリフォームをする際に工事費用の一部が補助されます。手すりの取り付けや段差の解消などが対象です。
上限を20万円とし、工事費用に対して7〜9割が補助されます。

②既存住宅における断熱リフォーム支援事業
省エネ効果(15%以上)が見込まれる高性能建材(断熱材、ガラス、窓、玄関ドア)を用いた断熱リフォームの際に補助金が交付されます。
120万円/戸(一戸建て)、15万円か20万円/戸(集合住宅)を上限とし、対象費用の3分の1以内が補助されます。

③長期優良住宅化リフォーム推進事業
耐震・省エネ性能が高く、より長く居住することができる「長期優良住宅」へリフォームする場合に申請できるもの。維持・管理しやすい設備や配管の工事なども含まれます。
100〜250万円/戸を上限として補助されます。

参考サイト:
住宅リフォームの支援制度 ※令和5年6月16日時点 – 国土交通省

そのほかの内装リフォームにおける支援制度は自治体によって異なりますが、市区町村ごとに検索できる便利なサイトもあります。検討するリフォーム内容に合わせて、工事を始める前に余裕を持って調べるようにしましょう。

参考サイト:
地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(令和5年度版)

内装リフォームのおしゃれな施工事例

最後に、内装リフォームのおしゃれな施工事例を一戸建て、マンション別にご紹介!
さまざまな事例を、家族構成やライフスタイルなどの背景と一緒に見ることで、より具体的にイメージしていきましょう。

一戸建ての洗面台

リノベーション 洗面所
夫婦2人が横に並んでも広々使えるサイズで洗面所を作りました。
タイルの目地のイエローがワンポイントアクセントに!

マンションのリビング

リノベーション 内装
海外暮らしの経験から一般的な「白い壁」ではなく、カラーを取り入れた内装にしたい!というこだわりが詰まった施工事例です。
リビングの綺麗な青い壁紙は、ご夫婦が好きなビーチをイメージして決められました。

「正確な予算」と「譲れない部分」を大切に!

内装リフォームは、長い時間を過ごす空間のリフォーム。
家族構成や趣味嗜好、ライフスタイルやライフステージによって工事内容は変わってくるため、これが正解というものはありません。

箇所ごとに使える「正確な予算」と、デザインや質感、使いやすさといった自分自身が「譲れない部分」を明確にして、リフォーム業者と相談するようにしましょう。

そうすることで、より安全で快適な空間を手に入れることができるはずです。

WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

兒島 ゆう子YUKO KOJIMA

デザイナー / 兵庫県豊岡市出身 / 暮らしが好きになるお家づくり / 蚤の市へ行ったり古い家具をもらいに行ったりと、ストーリーを大切にもの選びをしています。

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