廊下に洗面台を置くマンションリノベーション|2つの事例と配管・管理規約の確認点

廊下に洗面台を置くと、朝の洗顔や帰宅後の手洗いを通り道の途中で済ませられ、入浴のための脱衣所とも分けられます。一方で、来客の目に入る場所になること、排水の配管と床の高さ、マンションの管理規約は、プランの段階で確かめておく必要があります。
大阪府泉大津市の共働きのF様ご夫婦の住まいでは、平日の家事の負担を減らしたいという話を受けて、私が最初の打ち合わせで洗面台を洗面所から廊下へ出すプランを出しました。F様は「洗面台ってどちらかと言えば隠れた場所にあるんで、こんなオープンな場所にあるなんて!」と驚いていました。
この記事では、廊下に洗面台を置いたマンションの2つの事例と、置く前に確かめたいこと、費用の目安を紹介します。
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廊下に洗面台を置くマンションリノベーションのメリット
F様の住まいでは、洗面台を廊下に出し、元の洗面所は浴室の前の脱衣所にしました。
実際に住んでみたF様は「実際とても便利ですね。夫婦二人並んでも広々使えますし」と話しています。2022年当時、施工管理の西山は、コロナ禍もあって廊下や玄関に洗面台を置きたいという要望が出ていると話していました。
廊下に洗面台を置いた泉大津市の中古マンションリノベーション事例
平日の家事を減らしたい共働きのご夫婦に廊下の洗面台を提案した
大阪府泉大津市の中古マンション(鉄筋コンクリート造・築19年)を、71.96㎡の1LDKにフルリノベーションした事例です。工期は約120日、参考費用は1,150万円(税別)です。
F様からは、次のような要望を聞いていました。
- ロボット掃除機を走らせるなどして、平日の家事の負担を減らしたい
- リビングと寝室を隣同士にして、すぐに寝られるようにしたい
- 1つの部屋に2つ以上の用途がほしい
最初の打ち合わせでは、水回りの位置を動かすフルリノベーションのプランと、浴室・トイレの位置を変えないプラン(インタビューでは「水回りの位置が同じプラン」)の2つをお見せしました。どちらも「家事動線を短くして無駄を削ぎ落としたプラン」として考えたものです。ご予算のバランスを考えて、浴室・トイレの位置を変えないプランを基に詰めました。このプランで、洗面台を洗面所から廊下へ出しています。

改修前と改修後の図面を比べると、浴室・トイレ・洗濯機置き場の位置は同じで、洗面台が元の洗面所から廊下に移り、元の洗面所は脱衣所になっています。


来客があってもきれいを保てる収納と壁付けの水栓
廊下の洗面台は、天板の長い造作の洗面台です。洗面ボウルの横に天板が続き、下は引き出しの収納になっています。F様は「収納の充実や壁付の水栓だったり、来客があっても綺麗が保てるような工夫も散りばめてもらえて」と話しています。壁にはF様が用意した照明を付けました。


↓こちらの施工事例もご覧ください
F様ご夫婦へのインタビューでは、2つのプランを比べたときの話も聞いています。
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ワンルームの部分リノベーションで玄関近くの廊下に洗面台を置いた事例
帰宅後すぐに手を洗えるよう玄関の先に洗面台を置いた
大阪市淀川区の中古マンション(鉄筋コンクリート造・築53年)、約35.8㎡のワンルームを部分リノベーション(内装・水廻り交換)した事例です。工期は約40日、参考費用は520万円(税別・家具と家電を除く)です。
図面では、改修前は洗面室の中にあった洗面台が、改修後は玄関を上がった先の廊下に移り、洗面室には洗濯機置き場があります。

三内 絵七担当デザイナー
よく視線に入る場所だから壁付けのシンクに
帰宅後すぐに使えるよう、廊下に洗面台を設置しました。よく視線に入る場所なので、壁付けのシンクとミラーキャビネットを取り入れることで、すっきりとした印象に。床や扉の色味とタイルを揃えることで、空間全体に統一感を持たせました。

↓こちらの施工事例もご覧ください
廊下に洗面台を移す前に確かめる排水の勾配・管理規約・来客からの見え方
廊下に洗面台を移すときは、次の3つをプランの段階で確かめておくと、工事が始まってからの変更を減らせます。
表は横にスクロールできます →
| 確かめること | なぜ確かめるか | 誰と確かめるか |
|---|---|---|
| 排水の配管と床の高さ | 洗面台を移した先まで排水管を引くため、床下に配管を通す高さが要ることがある | リノベーション会社(現地調査・図面) |
| 管理規約と工事の申請 | 給排水管や床の工事は、管理組合の承認が要る場合がある | 管理組合・管理会社 |
| 見える場所としての使い方 | 来客の目に入り、通り道で使うことになる | 家族 |
排水の配管と床の高さはプランの段階で確かめる
国土交通省のマンション標準管理規約では、給排水管を改修する工事の承認の条件として、排水勾配が確保されていることや、給排水管に防音対策が講じられていることを確認する、といった例が示されています。洗面台を移した先で排水の勾配を確保できるか、床をどこまで上げられるか、天井の高さや廊下の段差にどう響くかは、現地調査と図面で確かめます。
床の高さに関わる例として、F様の住まいでは、無垢のフローリングを貼りたいというお話もあり、廊下から全体的に床を上げています。西山によると、床を上げるときに遮音が取れる材料を使うと、遮音等級のないフローリングを貼れたり、ある程度は水回りを動かす融通が利いたりします。遮音等級のないフローリングを使えるかどうかは、次に紹介する管理規約でも確かめます。

マンションの管理規約で工事の申請と承認を確かめる
マンション標準管理規約(単棟型)第17条では、専有部分の工事のうち共用部分や他の住戸に影響を与えるおそれのあるものは、あらかじめ理事長に申請し、承認を受けることとしています。申請には設計図・仕様書・工程表を添えます。床材を張り替える工事では、新築時と同等以上の遮音性能を確認する、という承認の条件の例もあります。
標準管理規約は、国土交通省が示すひな形です。実際にどの工事に承認が要るか、床にどの遮音等級を求めるかはマンションごとの管理規約で決まるため、物件の管理規約で確かめてください。
参考:国土交通省「マンション標準管理規約」(令和7年改正 単棟型 第17条・同条関係コメント・別添2)
来客の目に入る洗面台の収納と後ろの通り道を図面で確かめる
廊下の洗面台は、来客の目に入る場所になります。歯ブラシやタオル、化粧品をどこにしまうか、洗面台の前に立つ人の後ろを家族が通れるか、水がはねる天板まわりや床にどんな仕上げを使うかは、図面を見ながら家族と担当者で決めます。
LINEで相談・無料診断リノベーションについて相談する廊下に洗面台を置く費用は造作洗面台と配管の移動を分けて見る
造作洗面台の目安は1箇所20万円〜100万円(税込)です。配管の移動を伴う洗面所のレイアウト変更は、1箇所40万円〜80万円(税込)が目安です。廊下へ移すときは洗面台の費用のほかに配管を動かす工事がかかりますが、2つの目安がどこまで重なるかは工事の範囲で変わるため、見積もりの内訳で確かめてください。
造作洗面台は、天板の長さや素材、収納の量、水栓の種類で費用が大きく変わります。F様の住まいのように床全体を上げる場合は、床の工事も合わせて考えることになります。
洗面所リフォームの費用を工事の範囲ごとに見たい方は、こちらの記事をご覧ください。
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造作洗面台のデザインや素材の事例は、こちらの記事で紹介しています。
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廊下に洗面台を置くマンションリノベーションの要点
廊下に洗面台を置くと、洗顔や帰宅後の手洗いを通り道で済ませられ、元の洗面所を脱衣所として分けられます。F様の住まいでは、浴室・トイレ・洗濯機置き場の位置はそのままに洗面台を廊下へ出し、淀川区のワンルームでは玄関を上がった先に洗面台を移しました。どちらも来客の目に入る場所になるため、F様の住まいでは収納と壁付けの水栓を、淀川区の住まいでは壁付けのシンクとミラーキャビネットを選んでいます。マンションで移すときは、移した先で排水の勾配が取れるか、床をどこまで上げられるか、管理規約で給排水管や床の工事に承認が要るかを先に確かめます。
廊下へ洗面台を移したいマンションが決まっている方は、お問い合わせから物件の状況をお知らせください。
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担当デザイナー
価値観が変わる洗面台
朝起きて顔を洗うとき、寝る前に歯を磨くとき、帰宅して手を洗うとき。洗面台を使う場面の通り道に洗面台があれば、扉を開ける手間などのちょっとした無駄を省けるかもしれません。来客の目に触れる場所にあることで、きれいにしておこうと意識でき、見せたくない場所と見えてもいい場所を分けられます。