2026.10.18
最終更新日
2026.10.18
リノベーションのヒント

元に戻せる床の上貼りリフォーム|手放す将来も考えた部分リノベ事例

中古マンションのリノベーション施工事例

将来手放すかもしれない住まいで床の印象を変えたいなら、今のフローリングをはがさず、その上から新しい床材を貼る「上貼り」で計画すると、元の床を残したまま見た目を変えられます。大阪市都島区のマンションの事例では、いずれ手放すなら戻せる状態にしておきたいというお客様の希望を受けて、既存のフローリングの上から吸着タイプの床材を上貼りしました。

この記事では、張り替えと上貼りの違い、都島区の部分リノベーションで床・壁・和室をどう変えたか、上貼りを選ぶ前に確かめたいことを紹介します。

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元に戻しやすい床にするなら既存の床をはがさず上から貼る

床のリフォームは、今の床材をはがして新しく張る「張り替え」と、今の床材の上に新しい床材を重ねる「上貼り(重ね張り)」に大きく分かれます。元の床を残しておきたいなら、選ぶのは上貼りです。張り替えでは、元の床材は撤去されて残りません。

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工事の方法元の床床の高さ向いている場面先に確かめたいこと
張り替え撤去する新しい床材の厚みと下地の組み方で決まる床がきしむ・沈むなど下地から直したい撤去と処分を含めた工事の範囲
上貼り(重ね張り)新しい床材の下に残る新しい床材の厚みの分だけ上がる今の床に大きな傷みがなく、見た目を変えたい今の床の状態、使う床材が貼れる条件、段差とドアの開け閉め

上貼りの中でも、都島区の事例で使ったのは「吸着タイプ」の床材です。フローリングの張り替え費用の記事では、広さ・床材・工法ごとに費用を比べています。

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手放す将来も前提にして床を上貼りした都島区のマンション事例

間取りは変えずに床・壁・和室の見た目を変えた

大阪市都島区の中古マンション(76.48㎡・3LDK・SRC造・築15年)を部分リノベーションした事例です。家族が暮らす住まいとは別に、ご主人が仕事と個人の時間を過ごす空間としてリノベーションしました。

お客様の希望は「自分らしい空間にしたい。でも、いずれ手放すなら無理なく戻せる状態が理想」というものでした。そこで、好きなテイストは取り入れつつ、やり替えが難しくなる施工は避けるという線引きを決め、間取りには手を加えず、仕上げ材の選び方と色の組み合わせで部屋の印象を変えています。

改修前のリビング。床は木目のフローリングで、奥にキッチン、左に和室の入口が見える
改修後のリビング。床はグレーの石目調に変わり、左に畳の小上がり、奥にキッチンが見える

改修前は木目のフローリングだったリビングが、グレーの石目調の床に変わっています。

柳川 映子柳川 映子

担当スタッフ

元の形に戻せる身軽さを残す

この先、暮らし方が変わったり、住まいを手放すことになったりしても、元の形に戻せる身軽さを残すことを軸にしました。間取りには手を加えず、床は既存のフローリングの上から吸着タイプの床材を上貼りしています。見た目を変えながら、元の床を傷つけにくい材料を選びました。

細かな部分では、床の見切り材やスイッチプレート、巾木といった「主役ではないけれど、ズレると目立つ」部分もそろえました。間取りを大きく変えなくても、こうした部分がそろうと視線が引っかからない空間になります。

テレビまわりの壁には、石の質感のストーンシートを貼りました。厚みは2〜3ミリと薄く、タイルに比べて解体しやすいため、将来の変化にも対応しやすい仕様になっています。既存の和室は、壊さずにそのまま活かして小上がりにしました。

改修前の和室の入口とリビング。リビングの床は木目のフローリング
改修後の和室。畳を敷いた小上がりになり、左の壁にはグレーの石目調のシートが貼られている

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項目内容
エリア・種別大阪市都島区・中古マンション(3LDK・SRC造・築15年)
面積76.48㎡
工事内容部分リノベーション(間取りの変更なし)
工期約20日
参考費用285万円(税別)+家具代15万円(税別)

参考費用は、床のほか、壁・和室・照明など部分リノベーション全体の掲載額です。床の費用は、貼る面積と床材の種類、見切り材などの納まりで変わるため、見積もりでは床の工事を分けて出してもらうと比べやすくなります。

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床を上貼りする前に下地・段差・管理規約・はがした後を見ておく

上貼りは、元の床を残せる一方で、今の床の状態、床の高さ、マンションのルール、はがした後の状態によって向き不向きが分かれます。

確かめること①:今の床の状態と使う床材の施工条件

上貼りは、今の床を下地として使う方法です。床がきしむ・沈むなど下地から直したい状態なら、上から貼っても解決しません。また、床材ごとに貼れる床の条件があります。使う床材の施工条件と、今の床の状態が合っているかを、現地を見た施工者に確かめてもらいます。

確かめること②:上がった床の段差とドアの開け閉め

上貼りした床は、新しい床材の厚みの分だけ高くなります。貼った部屋と貼っていない部屋の境目に段差ができないか、ドアや収納の扉が床に当たらないかを確かめます。床の端や境目に入れる見切り材は、都島区の事例でも「ズレると目立つ」部分としてそろえたものの一つです。段差の処理と合わせて、見え方も一緒に決めておきます。

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確かめること③:マンションの管理規約で床工事の扱いを確認する

マンションでは、床の工事が管理組合への申請の対象になることがあります。国土交通省のマンション標準管理規約では、共用部分や他の住戸に影響を与えるおそれのある専有部分の修繕等は、あらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けるとしています。コメントでは、承認が必要な工事の具体例の一つに「床のフローリング」を挙げています。あわせて、管理組合が承認するときには、フローリング工事は構造や工事の仕様、材料などによって影響が異なるため、専門家への確認が必要としています。承認が要らない工事でも、工事中の騒音や振動などを管理組合が事前に把握する必要があるものは、あらかじめ理事長へ届け出るとしています。

また、工事の制限の考え方を示した別添では、床について「床材を張替える工事」を理事会の承認が必要な工事の例とし、承認の条件として「新築時と同等以上の遮音性能を確認する」ことを挙げています。

標準管理規約はひな型で、上から貼る工事に申請が要るか、どんな遮音の条件があるかは、マンションごとの管理規約と管理組合の判断で決まります。床材を選ぶ前に、管理規約と申請の手順を管理会社に確認しておきます。

参考:国土交通省「マンション標準管理規約」(令和7年改正 単棟型 第17条・第17条関係コメント②⑤・別添2)

確かめること④:はがした後の状態と売却のときの扱い

長く使った後にはがしたとき、元の床はどんな状態になるか。はがす工事にどれくらい手間がかかるか。どちらも、上貼りを選ぶ前に、使う床材と今の床をもとに施工者に聞いておきたいことです。

また、元の床を残しておけることと、手放すときの売却価格や買い手の評価は別の話です。元に戻しやすくしておいても、売るときに有利になるとは限りません。売却を具体的に考えているなら、元に戻すかどうかも含めて、不動産会社にも相談しておくと判断しやすくなります。

元に戻せる床にするなら上貼りできる条件を先に確かめる

元の床を残したまま見た目を変えるなら、今のフローリングをはがさず上から貼る上貼りを選びます。そのためには、今の床が下地として使えること、上がった床で段差やドアの開け閉めに支障が出ないこと、マンションなら管理規約で床の工事が認められることが前提です。元の床が残っていても、手放すときの売却で有利になるとは限りません。

都島区の住まいでは、既存のフローリングの上から吸着タイプの床材を上貼りし、間取りは手を加えずに、和室は壊さず小上がりとして残しました。テレビまわりの壁は、タイルより解体しやすい厚み2〜3ミリのストーンシートにしています。

上貼りを考えているなら、まず管理会社に管理規約と床工事の申請の手順を、施工者に今の床の状態と使いたい床材の施工条件を確かめてもらうのがおすすめです。床材を種類から比べるなら、フローリング・塩ビタイル・クッションフロア・タイルカーペットそれぞれのメリットとデメリットを並べた記事が下にあります。

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WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

柳川 映子AKIKO YANAGAWA

島根県浜田市出身 / お客様の夢やこだわりをデザインで形にできるよう、日々勉強中です。/ 将来は縁側とお庭のあるおうちを自分でリノベーションして住むことが夢です。

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