床の素材・種類ってなにがあるの?メリットとデメリットを徹底比較!
こんにちは、KUJIRA株式会社のデザイナーの菅原です!
Writer 菅原沙絵 デザイナー 2017年に新卒入社以来、住宅だけではなく店舗や宿泊施設のデザインも担当してきた。 お客様の理想を正確に捉え、ヒアリングを中心にデザインしていくことを得意としているデザイナー。 |
リフォーム・リノベーションの打ち合わせの際、床材を選ぶときはフローリングだけでなく他の材料もたくさんサンプルを用意します。
お客様によってはこんなに種類があるんだ!と驚かれる方も多いです。
床は空間の印象を大きく左右するので、その部屋をでどう過ごしたいのか、どんな雰囲気の部屋にしたいのかで選ぶ材料は変わってきます。どう選んでいいのかわからない!そんな場合に役立つ、それぞれの床材の特長をご紹介していきたいと思います。
目次
1.フローリング
床材のなかでも一番聞きなじみのあるのがフローリングではないでしょうか。
最近ではマンション管理組合の管理規約が厳しくなってきており、特に遮音フローリングへのリフォーム・リノベーションにあたっては、一定の基準を満たしたフローリング材の使用が義務付けられているので、リフォーム・リノベーションをする際は事前にマンションの管理規約とフローリングの遮音性能を合わせて確認しましょう。
フローリングには、大きく分けて、無垢フローリングと複合(合板)フローリングがあります。
ここからは無垢フローリングと複合フローリングの違いを説明していきます。
無垢フローリングは1つの木から切り出した一枚板をそのまま使用しているフローリングのことを指します。
無垢フローリングは木の種類によっても見た目が変わってきます。
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無垢フローリングのメリット
・経年変化を楽しめる
・傷がついた場合は研磨すると目立たなくなる
・調湿効果が高い
・天然素材でないと味わえない質感や肌触りがある
無垢フローリングのデメリット
・季節や経年で反り、隙間等が発生してしまう
・傷や水に弱い
・床暖房に対応していないものが多い
・複合フローリングに比べて高価
・定期的なお手入れが必要(ワックスがけ等)
▼無垢材についてもっと知りたい方はコチラ!
複合フローリングは細かく「挽板(ひきいた)」「突板(つきいた)」「シート」の3つにわけることができます。
種類も多く、メンテナンスもしやすいことから一般的にこちらのフローリングを使用することが多いです。
3つの違いは基材となる合板の上に、貼り合わせているものの違いになります。
2mm程度の厚みで挽いて切った木材を張り合わせているフローリングを「挽板フローリング」
0.3mm程度に突いた(スライスした)木材を張り合わせているフローリングのことを「突板フローリング」
木目調のシートを張り合わせているフローリングのことを「シートフローリング」といいます。
「挽板」や「突板」は本物の木を張り合わせているため、厚みがあるほど高価になります。
突板になると色味の種類も多く、施工のしやすい商品ですので、材料費や施工費を抑えることもできます。
「シート」はプリントになるので、複合フローリングの中では一番お手頃で、メンテナンスのしやすさが魅力です。
ただ、木の特徴である経年変化が味わえないことや傷がついたら修復がむずかしいことが挙げられます。
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複合フローリングのメリット
・木材本来の温かみがある(シートフローリング以外)
・材料に厚みがあって冷えにくい
・機能が豊富
複合フローリングのデメリット
・ものによって金額の幅が広い 挽板>突板>シート
・傷や水に弱い
・交換がしにくい
・シートフローリングだと経年変化が味わえない
▼フローリングについてもっと詳しく知りたい方はコチラ!
2.塩ビタイル
塩化ビニール素材でできているタイル状の素材。
加工性が高く、カッターなどで簡単に切断できるため、場所ごとの形状に合わせて細かく張っていけるのがポイントです。
硬く耐久性に優れており、メンテナンスのしやすさから店舗やホテル、公共施設といった場所で使用されることが多いです。
一方長時間過ごす住宅では足腰に負担がかかってしまうという点で使用することは少なかったのですが、使用用途によっては住宅でも取り入れることが可能です。
重いものを置く物置スペースであったり、汚れることの多い玄関、耐水性もあるのでトイレや洗面といった水まわりにオススメしています。
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メリット
・色柄が豊富
・衝撃に強く傷がつきにくい
・耐水性に優れている
・金額が安価
・メンテナンスがしやすい
デメリット
・柄がプリントのため少し偽物感がある
・素足で乗ると冷たい
・表面は硬くクッション性がない
・熱に弱い
・防音性がない
3.長尺シート(塩ビシート)
「塩ビシート」と呼ばれることもあり、こちらも塩化ビニール素材です。
「塩ビタイル」との違いは形状の違いです。
名前のとおりシート状になっているのでフローリングやタイルのように1枚1枚張っていく手間が省け、大きな面積でも効率的に床を張ることができます。
塩ビタイルと同様、重いものを置く場所や、汚れやすい場所、水まわりにオススメしています。
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メリット
・色柄が豊富
・衝撃に強く傷がつきにくい
・耐水性に優れている
・金額が安価
・メンテナンスがしやすい
デメリット
・柄がプリントのため少し偽物感がある
・素足で乗ると冷たい
・表面は硬くクッション性がない
・熱に弱い
・防音性がない
4.クッションフロア(CF)
建築業界では「CF」と呼ばれており、こちらも塩化ビニール素材です。
「塩ビタイル」「長尺シート」との違いは、クッション性があって表面が柔らかいのが特徴です。
そのため、素足で歩いても足腰に負担が少なく、長尺シートよりも住宅の床材に向いているとされています。
ハサミやカッターで切れるため、狭い場所や複雑な形状の場所にも簡単に施工でき、DIYでも人気の床材です。
へこみなどが気になってくるので、重いものを置かないトイレや洗面にオススメです。
メリット
・金額が安価
・施工が容易
・デザインの種類が豊富(木目、石目、タイル調など)
・耐水性、撥水性に優れ、掃除しやすい(ペットや子供部屋にもオススメ)
・素足で踏んでも冷たくない
デメリット
・ふわふわな素材のため重いものを置くと跡が残る
・耐久性が低い
・柄がプリントで安っぽく見えてしまうこともある
・熱に弱い
5.タイルカーペット
タイルカーペットとは一枚が40~50cm角の大きさのカーペットです。
一般的にボンドを使って施工しますが、家庭用のタイルカーペットには、タイルの裏面に滑り止め加工がされており、接着剤が不要なタイプもあります。
2枚違う色のタイルカーペットを組み合わせてデザインにすることも可能です。
洗っても汚れが落ちない場合や破損したという場合は、その部分だけ貼りなおせば良いのでメンテナンス性も高い床材です。
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メリット
・肌触りが良い
・遮音性が高い
・クッション性が高い
・誰でも簡単に施工出来る
デメリット
・掃除が大変
・車イスやキャスターに不向き
6.まとめ
同じ素材でも選ぶものによって機能面など違いがあるので、あくまで参考にはなりますが表にまとめてみました。
リビングや寝室など長時間過ごす場所には温かみのあるフローリングやカーペット。
水まわりにはメンテナンスや掃除のしやすい塩ビタイルや長尺シート。
といったように生活面で何を重要視するのかで考えてみるのもいいと思います。
■参考サイト
フローリング:無垢フローリングドットコム、朝日ウッドテック、LIXIL、Panasonic
塩ビタイル・長尺シート・CF・タイルカーペット:サンゲツ、TOLI、TAJIMA
様々なリフォーム・リノベーション事例も参考に
知識を取り入れたら、実際にどのように使われているかも気になりますよね。
漠然と見ていたInstagramやPinterestのリフォーム・リノベーション事例の写真も、知識が深まると見え方・感じ方も随分変わるはずです。
「自分ならどんな床材を、どう使うか?」という視点でネットサーフィンするのもいいかもしれませんね。
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床材は生活面で重要視することから決める
それぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
見た目の印象だけでなく、その踏み心地や質感によっても感じ方は変わります。
気になる素材はサンプルも用意できますので、打ち合わせの際はサンプルを見ながら床材を選んでみましょう。
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