廊下をなくすと寒い?マンションリノベで玄関の冷気と脱衣所の寒さを防ぐには

リノベーションで廊下をなくすと、玄関と部屋の間の通路がなくなり、玄関側の冷えを部屋や脱衣所で感じやすくなる場合があります。1回目のリノベーションで廊下をなくしたU様ご夫婦も、冬は脱衣の場所が寒かったと振り返っています。寒くなるかどうかは、玄関扉や窓・床・壁の断熱、脱衣所をどこに置いてどう暖めるか、玄関と部屋の間に仕切りを設けるかで変わります。
この記事では、U様ご夫婦の振り返りと、寒さ対策をした大阪のマンションの2つの事例をもとに、廊下をなくす前に確かめたい場所と対策、費用の目安を紹介します。
LINEで相談・無料診断リノベーションについて相談する目次
廊下をなくしたら脱衣の場所が寒かった|U様ご夫婦の1回目のリノベーション
U様ご夫婦は、マンションのリノベーションを2回経験しています。1回目は1LDKの住まいで、玄関を入ったときの抜け感をつくるために廊下をなくしました。見た目はよかったものの、古いマンションの玄関側は冷気が入りやすく、脱衣の場所が寒くなり、冬場はほとんど外で着替えているような感覚だったといいます。
「それだけは失敗でした」
1回目の住まいに不満ばかりがあったわけではありません。暮らしてみないと分からなかったことの一つが、この寒さでした。
U様ご夫婦の2回目の住まいと、1回目の住まいで得た教訓は、KUJIRA公式noteの記事に写真とともに載っています。
廊下をなくすと冷えが届きやすい玄関・脱衣所・窓と床壁の対策
廊下をなくす間取りを考えるときは、玄関扉のまわり、脱衣所、窓と外に面した床・壁の3つを、図面と今の住まいの冬の様子から見ておくと、住んでからの寒さの心配を減らせます。
確かめたい場所①:玄関扉のまわりは冷えが入る側として仕切り方を考える
U様ご夫婦が冷気の入りやすい場所として振り返っているのが、玄関側です。廊下をなくすと、玄関と部屋の間の通路がなくなり、玄関から部屋までの距離が縮まります。
廊下をなくしても、玄関と部屋の境目に扉や間仕切りを設ける方法があります。開けておけば玄関からの抜け感を残せて、冬は閉めて玄関との間を区切れます。どこまで開いた間取りにするかは、見た目と冬の使い方の両方で考えます。
確かめたい場所②:脱衣所の位置と暖め方を図面で確かめる
廊下をなくすと、脱衣所の扉が玄関側の空間に直接面することがあります。図面では、脱衣所が玄関側の空間とどう区切られているか、エアコンなどの暖房がある部屋とどうつながっているかを見ておきます。
脱衣所に暖房の設備を付けるか、入浴前にどうやって暖めるかも、間取りと同じタイミングで考えておくと、配線や設備の置き場所を計画に入れられます。
確かめたい場所③:窓と外に面した床や壁の断熱を一緒に検討する
玄関のほかに寒さに関わるのが、窓と、外に面した床や壁です。図面で窓の数と向き、外に面した壁がどこにあるかを確かめ、窓の内側に内窓を足す、床や壁に断熱材を入れるといった方法を、廊下をなくす工事と合わせて検討できます。
廊下をなくすときは床や壁をどこまで解体するかが決まるため、床や壁に断熱材を入れる範囲も同じタイミングで決めておくと、工事の重なりを見積もりで比べやすくなります。
マンションの玄関扉と窓は管理規約で扱いを確かめる
マンションでは、玄関扉や窓を断熱性の高いものに替えたいと思っても、自分だけでは決められない場合があります。国土交通省のマンション標準管理規約では、玄関扉は錠と内部塗装部分だけを専有部分とし、窓枠と窓ガラスは専有部分に含めていません。
そのうえで、断熱などの性能を上げる窓や玄関扉の改良工事は、管理組合が計画修繕として行うのが原則です。管理組合がすぐに行えない場合は、あらかじめ理事長に申請して承認を受ければ、区分所有者が自分の負担で行えるとしています。工事の例には、複層ガラスやサッシへの交換のほか、今あるサッシに内窓を増設する工事も挙げられています。
標準管理規約は国が示すひな形です。玄関扉や窓の工事にどんな手続きが要るか、どの製品や方法が認められるかは、マンションごとの管理規約や細則で決まるため、検討中の物件の管理規約で確かめてください。
参考:国土交通省「マンション標準管理規約」(令和7年改正 単棟型 第7条・第22条・同条関係コメント)
LINEで相談・無料診断リノベーションについて相談する寒さ対策に二重窓と床・壁の断熱をした大阪のマンション2事例
北西の角部屋だったO様の住まいでは全部の窓に二重窓を付けて床や壁にも断熱材を入れ、大阪市北区のK様の住まいでは床と壁に断熱材を入れました。どちらも、住んでからの冬の様子をお客様が話しています。
北西の角部屋の寒さに全部の窓へ二重窓を付けた57㎡の住まい

大阪市の中古マンション(57㎡・2LDK・RC造・築23年)を、3人家族のO様がフルリノベーションした事例です。北面と西面に面した角部屋で、O様は「北西の角部屋でとても寒く、リノベーション前は凍えるように過ごしていました」と話しています。
「工事するなら絶対に断熱を」と決めていたO様の住まいでは、全部の窓に二重窓を付け、床や壁にも断熱材を入れました。O様は「その結果、とても快適になったので、妥協しなくて良かったです」と振り返っています(O様のインタビューより)。

浴室は浴槽をなくして広めのシャワールームにし、その分、洗面脱衣室を広くとりました。天井には乾燥換気の器具と物干しパイプを付け、洗濯物を乾かせるようにしています。

↓こちらの施工事例もご覧ください
床と壁を断熱した70㎡の住まいでK様が過ごした冬
大阪市北区の中古マンション(約70㎡・2LDK・RC造・築28年)の事例です。「家が好きで、ずっと家にいるからこそ、心地よく過ごしたい」というK様の想いから断熱性・気密性を高める施工を行い、床と壁に断熱材を入れて断熱等級4相当の性能を確保しました。
住んでみた冬の様子を、K様は「外がどれだけ寒くても「玄関が少し冷える」程度。上着も不要で、裸足で快適に過ごせました」「冬もファンヒーター1台だけで十分でした」と話しています。
▼コチラの記事もおすすめ
LINEで相談・無料診断リノベーションについて相談する脱衣所の寒さとヒートショック|消費者庁が勧める入浴前の対策
脱衣所の寒さは、着替えがつらいだけでなく、高齢の家族がいる住まいでは入浴中の事故にも関わります。
消費者庁は、厚生労働省の人口動態統計(令和6年)で、浴槽内での溺死・溺水(浴槽への転落を含む)による死亡者が7,776人、そのうち65歳以上が7,363人と約95%を占めたことを紹介しています。冬場に溺れる事故の原因としては、暖かい室内と寒い脱衣所や浴室との温度差などによる急激な血圧の変動や、熱いお湯に長くつかることによる体温上昇での意識障害などが挙げられています。
入浴前の事故防止のポイントとして消費者庁が挙げているのが、前もって脱衣所や浴室を暖めておくことと、温度計を使って部屋ごとの温度差を見える化することです。
参考:消費者庁「年末年始、高齢者の事故に注意しましょう!」(2025年12月23日公表)
浴室を前もって暖める設備として浴室暖房を付けるかどうかは、種類・メリット・デメリット・費用・電気代を並べた次の記事が判断の材料になります。
▼コチラの記事もおすすめ
廊下をなくす工事に足す内窓・断熱材・間仕切りの費用
廊下をなくす工事と合わせて検討しやすい寒さ対策の費用の目安です(いずれも税込)。
表は横にスクロールできます →
| 工事 | 目安(税込) | 単位 |
|---|---|---|
| 内窓(二重窓) | 8万円〜15万円 | 1箇所 |
| 内窓(腰高窓など小窓) | 4万円〜6万円 | 1箇所 |
| 内窓(掃き出し窓) | 10万円〜 | 1箇所 |
| 床や壁の内側に断熱材を入れる(充填断熱・マンション) | 4,000円〜8,000円 | 1㎡ |
| 間仕切りの設置 | 8万円〜25万円 | 1箇所 |
内窓は窓の数と大きさで、断熱材は施工する面積で総額が変わります。廊下をなくす工事で床や壁をどこまで解体するかによって、断熱の工事と重なる部分も変わるため、見積もりでは工事の範囲を並べて見比べてください。
工法別・部位別の金額は断熱リノベの費用の記事が詳しく、この表にない外張り断熱や家全体の断熱、2026年の補助金の額もそちらで比べられます。
▼コチラの記事もおすすめ
廊下をなくすなら玄関・脱衣所・窓の寒さ対策を同じ図面で決める
廊下をなくすと玄関と部屋の間の通路がなくなり、冬に脱衣の場所が寒くなることがあります。床や壁を解体するなら、玄関と部屋の境目に扉や間仕切りを設けるか、脱衣所をどこに置いて入浴前にどう暖めるか、窓に内窓を足して床や壁に断熱材を入れるかを、間取りと同じ図面と見積もりの中で決めます。マンションの玄関扉と窓は、内窓を足す工事も含めて物件の管理規約で手続きを確かめます。
U様ご夫婦は、1回目の住まいで廊下をなくした冬の脱衣を「それだけは失敗でした」と振り返っています。一方、二重窓と床・壁の断熱をしたO様は「とても快適になった」と、床と壁を断熱したK様は外が寒くても「玄関が少し冷える」程度だったと話しています。
今の住まいで、冬にどの部屋から寒さを感じるか、脱衣所の温度が居間とどれくらい違うかを、温度計で一度測ってみてはいかがでしょう? 廊下を残すかどうかから迷っているなら、寒さ以外のデメリットとその解決策、廊下をなくした間取りの事例を、次の記事で比べられます。
▼コチラの記事もおすすめ
LINEで相談・無料診断リノベーションについて相談する







担当スタッフ
冬の寒さが課題だった角部屋に全部の窓の二重窓
北面と西面に面した角地の住まいで、冬の寒さが課題でした。全部の窓に二重窓を取り付け、温度変化の少ない室内にしています。キッチンのもともとあった窓は、すりガラスタイプの二重窓にして、カーテンを付けずに光を入れられるようにしました。