2023.08.01
最終更新日
2023.10.30
リノベーションのヒント

【キッチンオプション機能】これだけは叶えたい!他を諦めても選んで良かった6選

こんにちは!クジラ株式会社の本荘です。

リノベーションの打ち合わせでは「他をあきらめてでも、これだけは外せない!」という場面があります。

特にキッチンは選べる仕様やオプションなどが多いために予算オーバーしがちです。

それでも諦めきれなかった「自分だけのキッチンスタイル」をお客様が実際に選んだエピソードと一緒にクジラのデザイナーが解説します。

選んで良かったキッチンオプション機能

キッチンの水栓や食洗機など、料理を快適に楽しくする設備は沢山あります。リフォーム・リノベーションで実際に使用したキッチン設備のレビューや施工時の注意点などをデザイナーに聞いてみました!

地味に助かるフットスイッチ

本荘:フットスイッチを取り入れたリノベーション事例はありますか?

片山:TOTOのフットスイッチを取り入れたことがあります。お子さんが多い家庭では特に、家事は少しでもラクにしたいですよね。

Writer
片山飛翔
バランスの取れた色彩感覚と暮らしやすさを考えた動線計画で、女性からも人気のあるデザイナー。休日は料理とキャンプをするのが定番です。

片山:キッチンは料理が本格的にできるように業務用キッチンにしました。通常、フットスイッチを付ける位置は、キッチンの蹴込み部分で、つま先で押すように使用します。一方で、業務用キッチンには蹴込みがないため、フットスイッチを床につけて踏むように使用します。
ビル_施工事例
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本荘:フットスイッチの設置はお客さんからの要望だったんですか?

片山:そうです。飲食店で働かれていた時に、厨房のフットスイッチが便利だったので家庭でも設置したかったそうです。

水栓にセンサーが付いているタッチレスタイプのものもありますが、より誤作動の可能性が低いフットスイッチを選ばれました。水が水栓の根元まで垂れないし、鍋などを持っていて両手が塞がったままでも水が使えるので便利だと仰っていましたよ。

本荘:フットスイッチはどんなキッチンにも付けられるのでしょうか?

片山:難しい工事ではないので、最初から検討していれば付けられます。

注意するとすれば、シンクの下に引出しが付いているとフットスイッチを取り付けられません。あとは、電源が必要なので、取り付けたい場合は設計段階で要望を伝えておくと良いと思います。

パーティーの味方、大容量食洗機

本荘:食洗機を取り入れたリノベーション事例はありますか?

兒島:ASKOというブランドの食洗機で、14人分の食器が洗える大きさのものを取り入れたことがあります。
中古戸建のリノベーション

Writer
兒島ゆう子
デザイナー 事例はこちらから
大学で建築を学び設計デザイナーとしてクジラに入社。SEKAI HOTEL 高岡のPJにも携わるなど住宅だけでなく幅広くリノベーションの引き出しを持つデザイナー。豊かな感性と視点を持ち、お客様と細かく打ち合わせを重ねてリノベーションを創っていくことが得意。

兒島:1階のほぼ半分を土間にしたスペースでは、大きなスクリーンを広げてホームシアターが楽しめるようにリノベーションしました。
たくさんの人を家に招くとのことだったので、一般家庭よりも大きいものを選ばれました。実際に10人ほどお客さんが来た時も、食洗機が活躍したそうです。

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本荘:食洗機が必要派、不要派と意見が分かれると思いますが、改めてメリットデメリットは何だと思いますか?

兒島:メリットはやっぱり洗い物がラクになることだと思います。乾燥ができるものだと、食器を片付けるのもラクになります。ただし、食洗機によっては予洗いが必要なので、「本当に洗い物をしたくない!」って人は少し高くても予洗いなしで使えるものがおすすめです。
食洗機 リノベーション

兒島:デメリットは、食洗機を置く分、収納スペースがなくなることです。キッチンが狭いと食洗機を置くのは難しいですね。あとは、備え付けの食洗機にすると、メンテナンスや交換が難しくなるので、そこの覚悟は必要です。

本荘:造作キッチンと食洗機を組み合わせる時に気にするポイントはありますか?

兒島:まず、キッチンの素材と食洗機の素材の相性は見た目に大きく関わるので気にします。今回は、ステンレスのキッチンにしたいとのことだったので、食洗機もステンレスで合わせています。

細かいところだと、見た目を損なわないように排水パイプは見えない位置にしています。

食洗機に限らず、こだわりたいポイントはショールームなどで実物を確認して置くことが大事だと思います。写真では分かりづらい光沢や質感が見ることができるので、暮らしてから後悔する可能性が低くなりますよ。

本荘:もし、設置したいキッチンと食洗機のメーカーが違う場合、諦めるしかないのでしょうか?

兒島:組合せによっては、キッチン本体と食洗機のメーカーが違っても設置できる場合があります。メーカーが違うからという理由で諦めるのではなく、一旦設計や施工業者に確認してみて下さい!

目を惹く水栓

本荘:キッチンの水栓にこだわったリノベーション事例はありますか?

菅原:お客さんからの要望でSANEIのSUTTOという水栓を施工したことがあります。
マンションリノベーションキッチン

Writer
菅原沙絵
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2017年に新卒入社以来、住宅だけではなく店舗や宿泊施設のデザインも担当してきた。
お客様の理想を正確に捉え、ヒアリングを中心にデザインしていくことを得意としているデザイナー。

菅原:無駄のないシンプルなデザインなので、この大きさでもキッチンに馴染みます。こちらのリノベーション事例は全体的にモルタルやステンレスを使用しているので、SUTTOの水栓がよりマッチします。
マンションリノベーションキッチン
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菅原:お客さんからは「レバーがシンクに向いていることや、シャワーヘッドが大きく下を向いていることで、水栓の根本に水が垂れない点が気に入っている」と聞きました。

本荘:水栓が変わるだけでも、キッチンの印象が大きく変わりますね。

菅原:そうですね。水栓は浄水やタッチレスなど機能性があるものに目が行きがちですが、無駄のないスタイリッシュなデザインのものを選ぶと、キッチンが見える配置でも気になりません

コスパよくキッチンをおしゃれに見せる方法

リノベーションといえば、造作キッチンや造作洗面台など、一から作るイメージがあるかもしれません。しかし、キッチンの扉や水栓などのデザインにこだわると金額が大幅に高くなってしまいます。リノベーションは限られた予算の中で、どこに金額をかけるかが重要です。

システムキッチンは収納が充実していたり、掃除がしやすかったりと機能面でメリットもあります。そこで、キッチン本体の金額は抑えつつ、LDKに馴染むような、キッチンが部屋のキーポイントとなるようなデザインの方法をご紹介します。

キッチンからダイニングテーブルを繋げる

本荘:キッチンをあまり見せたくない場合、どのようにデザインしていますか?

松尾:キッチンが壁から孤立しているI型キッチンでは、背面に腰壁を作ることが多いですね。腰壁があることで、油や水がリビングにハネるのを防止することもできます。

Writer
松尾翔
デザイナー 事例はこちらから
大学院中退後は設計デザイン事務所で修行を積み、2018年にクジラにジョイン。住宅から店舗まで幅広く設計案件を担当。「SEKAI HOTEL」のデザイン統括も担当している。

松尾:キッチンの色や素材のアップグレードをしなくても、部屋に合わせたデザインにすることができますよ。
中古マンションリノベーション事例

梁のモルタルに合わせて、キッチンの腰壁もモールテックスに

▼こちらのリノベーション施工事例はこちら

松尾:他には、キッチンとダイニングテーブルを一体化させることもできます。ダイニングテーブルを作ることで、視線をキッチンではなく、テーブルに向けることができますよ。

こちらの事例では、キッチンの腰壁と繋げて4mカウンターを造作しました。インパクトがあるので、キッチン自体の仕様をグレードアップしなくても、視線をキッチンから逸らすことができます。
マンションリノベーションダイニング

本荘:すごくインパクトがありますね!でも、ダイニングテーブルを作ってしまうと、模様替えができなかったり、高くつくんじゃないかな?と心配になってしまいます…

松尾:確かに、固定されているので動かすことはできません。でも、余程広い部屋でない限り、ダイニングテーブルを置く向きや位置は限られているんですよね。最初から間取りにあった位置にダイニングテーブルを作れば、今後変える必要はないと思います。

今回は傷や汚れが付きにくいモールテックスを選びました。もし、傷や汚れがついてもメンテナンスできる素材を選ぶと長く使うことができますよ。

金額についても、キッチンとトータルで考えるとそこまで高くありません。
マンションリノベーションキッチン

システムキッチンは標準仕様、ダイニングテーブルを造作

コンセントをつけたり、リモートワークスペースとして高さを調整して自分仕様にできることを考えるとコスパがいいと思います。
▼こちらのリノベーション施工事例はこちら

作業台を制作してオープンキッチン風に

本荘:壁付けのキッチンの場合、リビングからキッチンが丸見えになってしまいますよね。でも、壁を立てて部屋を区切ってしまうのは閉塞感があるので、オープンにしたいのですが良い方法はありますか?

松尾:キッチンが壁付けの場合、ダイニング側に作業台を作ってキッチンから目線を外す方法があります。天井まで壁を立ててしまうと閉塞感がでますが、キッチンと同じ高さの作業台を作れば視線を遮ることはありません。
マンションリノベーションのモルタル塗装
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本荘:なるほど。作業台があれば料理も捗りそうですね!

松尾:そうですね。複数人で料理したい時も、盛り付けなどをする時も、キッチンとは別に作業台があれば快適に料理を楽しめると思います。
マンションリノベーション
松尾:また、調理家電やストック食品、隠したいゴミ箱まで収納できるので便利です。
マンションリノベーションのキッチン
松尾:「調理中にリビングの様子が見たい」や「閉鎖的な空間で料理するのは嫌だ」という理由で対面キッチン(I型キッチン)を希望する方も多いです。しかし、マンションだと、天井が低くなったり、床に段差ができてしまったり、施工的に難しい場合もあります。
壁付けのキッチンでも、作業台を作ることでリビングにいる人とのコミュニケーションも取りやすくなるのでおすすめです。

業務用キッチン

本荘:かっこいいキッチンにしたいけど、そこまで金額はかけられないという方におすすめの方法はありますか?

松尾:システムキッチンではなく、業務用キッチンがおすすめです。標準的なシステムキッチンと金額は変わりませんが、余計な装飾がなく、シンプルで丈夫な作りが特徴です。
ビルリノベーション施工事例
▼こちらのリノベーション施工事例はこちら

本荘:業務用キッチンのメリットはなんですか?

松尾:業務用キッチンはステンレスでできているので、コンクリートや荒々しい木材など、無骨なインテリアと相性が良いです。トタンやラタンなど素材感のある収納ボックスと組合せて使用するとよりかっこよく魅せることができます。

また、サイズや機能も豊富に選べるので、自分に合わせてカスタマイズできるところが良いですね。

システムキッチンの収納性を求めないのであれば、業務用キッチンで自分らしくカスタマイズして使用するのが良いと思います。

▼ステンレスキッチンのメリット・デメリットはこちら!

キッチン周りをこだわるリノベーションアイデア

本荘:キッチン周りをこだわったリノベーション事例はありますか?

高橋:家具としてダイニングテーブルを置くのではなく、カウンターテーブルを造作したことがあります。

Writer
髙橋桃子
デザイナー 事例はこちらから
2016年に入社したスタッフの中で最もクジラ歴の長いメンバー。住宅のみならずオフィスリノベーションも得意としている。趣味は美味しいものを食べること。

高橋:元々、ダイニングセットを置くことも考えていたそうです。しかし、引越し後にワンちゃんを迎える予定があったので、ゲージの置き場所を考えた時にダイニングテーブルよりも省スペースで済むカウンターテーブルを作りました。
中古マンションのリノベーション事例
▼施主様インタビュー記事はこちら!

本荘:カウンターで食事をするお客様も多いですよね。カウンターテーブルの良い点はどのようなところでしょうか?

高橋:
・2人だとちょうどいい
鍋やホットプレート料理をする時に、2人だとちょうど良い広さだと感想をいただいたことがあります。また、飲食店で向かい合って食事するより、横に並んで食事する方が居心地が良いことがありますよね。2人にとって心地良い方を選ぶといいと思います。

・省スペース
天板の大きさが同じでも、ダイニングテーブルだと動線や椅子を引く方向にスペースが多く取られます。一方、カウンターテーブルは動線や椅子を引くスペースを最小限に抑えられるので、省スペースになります。他に優先して置きたいものがある場合は、カウンターテーブルがおすすめです。

・床掃除がしやすい
カウンターテーブルは壁にテーブルを固定して浮いているような状態になります。机の脚がないので、少しでも床掃除をラクにしたい人にもカウンターテーブルがおすすめです。

・配膳、片付けがしやすい
キッチンとカウンターを向かい合わせると、キッチンから料理を手渡しできたり、お皿を片付けたりできるので便利です。

本荘:カウンターテーブルを作る際に気をつけた方が良いことはありますか?

高橋:用途によってちょうど良い奥行きや素材が違うので、気をつけています。

食事をするなら奥行き450mmは必要になりますが、ちょっとお酒を飲む場所としてなら400mmくらいでも大丈夫です。
天板の素材は、子供の学習スペースなど文字を書くなら硬いメラミンが良いですよ。

本荘:他にカウンターテーブルを施工した事例はありますか?

高橋:玄関入ってすぐの目を引くスペースだったので、厚さ80mmの一枚板を天板に使用しました。
お酒が好きなご夫婦だったので、腰壁(カウンター背面の壁)に古材を貼ったり、オープンな吊り戸を据えることで、バーのようなカウンターにしました。
戸建リノベーション施工事例
▼この事例を詳しく見たい方はこちら!

賢く予算の使い方を考えて理想の家に

キッチンなどの住宅設備はグレードアップの幅が多く、ショールームから帰ってきてから「予算よりもオーバーしていた!」と気づくことが多い部分です。

リノベーションでは、自分の理想のライフスタイルを実現させるため、どこに優先して予算をかけるかを考えてみましょう。

キッチン自体のグレードを上げなくても、造作を工夫することで理想のデザインに近づけることがあります。住宅設備は自分だけで決めるのではなく、デザイナーと相談してみてくださいね。

WRITERこの記事を書いた人

ライター

本荘 はるなHARUNA HONJO

webライター/大阪府柏原市出身/実家で保護猫2匹を飼っています/冬キャンプが好きで年末に富士山を見ながらキャンプをしました!

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