おしゃれな部屋って? インテリアスタイル・間取り別のコーディネート実例とコツ
コロナ禍を機にリモートワークが普及し、おうちで過ごす時間が増えた人も多いのではないでしょうか。仕事に食事に睡眠と、毎日過ごす空間。どうせなら少しでも「おしゃれな部屋」にしたいですよね。でも……
「なにから手をつければいいの?」「そもそもおしゃれな部屋って?」
この記事では、そんな疑問を解決するために、スタイル・間取り別のコーディネート実例をご紹介。「おしゃれな部屋」を作る上で大切な考え方と、すぐにでも取り入れられるおしゃれのコツを知っておきましょう!
目次
おしゃれな部屋とは?
好きなインテリアスタイルを知ろう
一括りにおしゃれな部屋といっても、部屋のスタイルはさまざまで、それをどう感じるかは十人十色。実際に暮らす自分自身が好きだと思える空間でないと意味がありません。
そこで、インテリアコーディネートで特に人気な6つのスタイルをご紹介。まずは自分好みのスタイルを見つけましょう。
若者を中心に今人気。北欧スタイル
北欧スタイルは、スウェーデン・ノルウェー・フィンランドなど、北欧の国々で誕生したスタイル。
ホワイトやアイボリーなどシンプルな色を基調とし、アクセントにマスタードイエローやターコイズブルーなどの色を持ってくることが一般的です。
また、森林や湖など自然が豊かなことから、木の温もりを感じられる家具や、植物や動物などのファブリックデザインが特徴的。代表的な北欧発ブランドにMarimekko(マリメッコ)やFinlayson(フィンレイソン)などがあります。
そのほかインテリアコーディネート初心者は、IKEA(イケア)やArtek(アルテック)など、日本でも馴染みのある北欧メーカーから探すと手軽に見つかるのでおすすめです。
自然派で丁寧な暮らしを。ナチュラルスタイル
ナチュラルスタイルは、木や麻、綿など自然素材の色味を活かしたスタイルです。
アイボリー、ベージュ、ブラウン、グリーンといったアースカラーを中心に、温もりとくつろぎ感を重視したい人におすすめ。
アクセントに観葉植物を取り入れることで、丁寧な暮らしを感じさせるおしゃれ感が増します。ただし、お手入れに自信のない方には、肥料や水やりの必要がないフェイクグリーン(人工観葉植物)という選択肢も。
部屋作りにおけるこだわりが少ない方は、ナチュラルスタイルを選んでおけば間違いなし。
無駄なくシンプル。モダンスタイル
モダンスタイルは、スタイリッシュで無駄を削ぎ落とした、現代人の生活に合ったスタイルのこと。
モダンスタイルの基本カラーは白、黒、グレーのモノトーン。
アクセントに木や竹、珪藻土などを使用すると和モダンに、大理石や大判の絵画など取り入れるとラグジュアリーモダンに。モダンの中でも自分好みにできる、変化の幅を楽しめるスタイルです。
ただし、アイテムを置きすぎるとシンプルさがなくなってしまうため、比較的サイズの大きなものを数点だけ厳選し、飾るのがコツです。
色を活用し個性的に。アメリカンスタイル
アメリカンスタイルは、広大なアメリカで発展した各々の文化を象徴するスタイル。地域や時代によって個性のある、さまざまなアメリカンスタイルが存在します。
その中でも代表的なものを3つご紹介。
1つ目は、西海岸スタイル。
海と太陽をイメージした爽やかなインテリアが特徴で、ホワイトやターコイズブルーをベースに、ストライプ模様や貝殻、ウミガメなどのモチーフを取り入れます。
2つ目は、ブルックリンスタイル。
空き倉庫や古いアパートをリノベーションして暮らし始めたのが元となったスタイル。ブラックやブラウンなどのダークカラーを基調に、レンガ風のタイルや、アンティークな家具を合わせるのがポイント。
3つ目は、アメリカンレトロスタイル。
赤や青など、パッと目を引くカラフルでポップな色を使用します。タイルのデザインとインテリアの色味を合わせるなど、まとまり感を出す工夫が必要な上級者スタイルともいえます。
南国リゾートな雰囲気。アジアンスタイル
アジアンスタイルは、バリ、タイ、ベトナムなど、東南アジアのリゾート地を思わせるラグジュアリーなスタイル。
落ち着いた色合いのアースカラーをベースに、くすみがかった赤、オレンジ、パープルの色味を取り入れるとサンセットな雰囲気に。
バンブー(竹)やラタン(籐)など、植物を使った家具や小物を使うことで、南国の自然なスタイルにグッと近づけます。
アジアンスタイルの醍醐味は“落ち着き”であるため、全体的なカラーだけでなく、照明もスタンドライトやペンダントライトなど、スポット的に照らす明度の低いものを選びましょう。
むき出しで無機質に。インダストリアルスタイル
インダストリアルスタイルは、剥き出しのコンクリート壁や、あえて配管を見せるスケルトン天井など、工場や倉庫を彷彿とさせるスタイルを指します。
グレーのコンクリート壁に、ブラウンやブラックなどのダークカラーを意識すると無機質感がうまく出せるでしょう。
家具や照明にあえてサビ加工をしたり、荒い塗装のままにしたりすることで、より工業的な要素が強まります。また、鉄製の照明や革製のソファを用いることで、大人っぽく重厚感のある雰囲気を作ることもできますよ。
悩んだときの選び方
人気のスタイル6つを紹介しましたが、あなた好みのスタイルは見つかりましたか?
ほかにもたくさんのスタイルが存在するため、雑誌やSNSで情報収集し、イメージを膨らませることもおすすめです。
「決めるのが難しい」という方は「好きな色」で絞ってみるといいかもしれません。
ホワイト、アイボリー:北欧スタイル、ナチュラルスタイル
ブラック、グレー、ブラウン:モダンスタイル、インダストリアルスタイル
レッド、ブルー、パープルなどの多色:アメリカンスタイル、アジアンスタイル
基調とする色が決まれば、あとは置きたい家具や小物のモチーフをイメージすることで、最終的なスタイルが決められるはずです。
カラー以外の統一感も大切に
せっかく全体のカラーを揃えても、テーブルは木製、椅子はプラスチック製など、家具ごとに素材がバラバラだとまとまりを失うことに。これでは「おしゃれな部屋」ではなくなってしまいます。
あえて素材が異なる家具を持ち合わせることもありますが、それは上級者テクニック。まずはカラーに加え、素材の統一感を大切にしましょう。
たとえば、シンプルなモダンスタイルの部屋にアジアンな花柄のカーテンはナンセンス。家具や小物のデザインを選ぶ際にも、「目指すスタイルにマッチするか」を意識するといいですね。
家具のサイズをきちんと測る
もう一つ、家具選びで忘れてはいけないのが「サイズ」のこと。
高すぎたり、大きすぎたりすると圧迫感を与えてしまいます。逆に低すぎたり、小さすぎたりすると、収納量に欠けたり、部屋が寂しく見えてしまったりすることも。
家具を購入する前にそれぞれの配置を考え、目安のサイズを測っておくと、お店に行ってから悩まずに済みます。
最近はオンラインショップも充実していて便利ですが、実物を目で見てイメージできない分、サイズをきちんとチェックしてから購入することが大切です。
生活感を上手に隠す
そして、「おしゃれな部屋」を作るにあたって最後に必要なのが、「生活感を上手に隠す」ということ。
せっかくのおしゃれテーブルも、リモコンや雑誌、スナックなどが散らかっていたら魅力が激減してしまいます。あらかじめ収納付きのテーブルを買ったり、すぐに元ある場所に片付ける習慣をつけたりすることが大切。
とくにコンセント周りは視覚的にごちゃごちゃしやすいので、配線の多いテレビは壁付けにして壁の中に線を隠したり、その他の家電にはケーブル収納を使用したりして隠しましょう
このように収納グッズを使って隠す工夫をするのもポイントですが、そもそも「モノを買いすぎない」、「定期的に断捨離する」というのも一つの手です。
【間取り別】インテリアコーディネートのコツ
ここからは、間取り別にインテリアコーディネートのコツをご紹介します。
【一人暮らし・二人暮らし】ワンルーム/1K
一人暮らしの方の多くが住んでいるワンルーム。
ワンルームはどうしても“狭い”というイメージが付きがちですが、「お掃除が楽」、「モノを厳選できる」など、コンパクトならではの魅力もあります。
しかし、おしゃれに快適に生活するためには「収納の工夫」が欠かせません。
ベッド下収納やウォールシェルフを活用するなど、棚や箱などの収納グッズを増やさずにモノを隠すことでおしゃれさを保つことができます。
また、ワンルームは部屋の中にキッチンがあり、キッチンスペースの収納も限られています。「見せる収納」として鍋やフライパンを吊るしたり、調味料をウォールシェルフに並べたり、見せる前提で買い揃えておくと安心かもしれません。
続いて一人暮らし・二人暮らしの方々が多く暮らす1K。
1Kはワンルームより家賃は高くなりますが、キッチンと居間がドアなどで仕切られているのが大きなポイント。居住スペースを確保し、お部屋全体をくまなくレイアウトできるのがワンルームと異なる点です。
ワンルームと同様、収納の工夫は必要ですが、そのほか「ベッドを窓側・壁側に置く」、「背の低い家具を選ぶ」など、圧迫感のない空間作りを心がけましょう。
【ファミリー】LDK
LDKは、L(リビング)、D(ダイニング)、K(キッチン)の3つのスペースを一つの空間にまとめた間取りのこと。一人暮らしではのびのびと、カップル・ファミリーで暮らすには同じ空間でコミュニケーションが増えるなど、広いならではの利点があります。
その中で注意すべきなのがキッチン。
対面・アイランド・ペニンシュラなどのオープンキッチンは、開放的で料理中も家族との時間を一緒に過ごせる反面、生活感が丸見えになってしまうことも。
「来客時だけ目隠ししたい」という場合は、カーテンやロールスクリーンが便利です。
長く時間を過ごすLDKのスペースをおしゃれに保つには、ほかの部屋の収納を活かすのもポイント。寝室は「寝るだけの場所」と割り切り、収納棚や収納ボックスを置いてベッド以外のデッドスペースを有効活用しましょう。
おしゃれな部屋づくりによくある疑問
おしゃれな部屋にあるアイテムって?
おしゃれな部屋を作るといっても、一からレイアウトし直すのは一苦労。これさえあればおしゃれな部屋になる! という万能アイテムがあるとうれしいもの。
そこで、初心者でも取り入れやすい3つのアイテムをピックアップしました。
クッション
ソファやベッドにクッションを置いている人は多いのではないでしょうか? そのクッションカバーを、部屋全体のアクセントとなる色味やモチーフに替えるだけで、おしゃれ感を出すことができるんです。
北欧スタイルならマスタードイエローやターコイズブルー、西海岸スタイルならサンゴやヒトデのモチーフなど。
クッションカバーを定期的に替えるなど、小物に遊び心を持たせることは、飽きない部屋作りにも繋がりますよ。
観葉植物/フェイクグリーン
おしゃれな部屋に共通してあるアイテムといえば、観葉植物。グリーンの葉が部屋全体にナチュラルな明るさをプラスしてくれます。
また、育てて成長する楽しみから、日々の生活に彩りや癒しを与えてくれるのも植物ならでは。日当たりや風通しが重要なため、暮らす人も日の光とクリーンな空気で健康的な生活を送れるでしょう。
「観葉植物はハードルが高い」、「育てられる自信がない」という方には、フェイクグリーン(人工観葉植物)がおすすめ。最近では本物と間違えるぐらいリアルなものも多いんです。
観葉植物を購入する際は、サイズ感と植木鉢の色に注意。家具とのバランスを考え、部屋のスタイルに合うものを選びましょう。
間接照明
間接照明は、壁や天井、床などに光を当て、その反射光で部屋を間接的に明るく照らす照明のことを指します。
メインのシーリングライト(天井照明)とは別に光源を置くことで、光の陰影や空間の奥行きなどを作り出し、おしゃれな雰囲気を醸し出すことができるのです。
スタンド部分やライトを包むシェードなど、間接照明そのものがデザイン性に富んでいることも多々。だれでも簡単におしゃれな部屋を作り出せるアイテムです。
ただし、おしゃれだからといって何個も取り入れすぎると悪目立ちしてしまうので、一つの部屋に対し1〜2個に留めておくのが最適でしょう。
お金をかける=おしゃれ?
「おしゃれな部屋を作るにはお金をかけないといけない……」
そう考えている人も少なからずいるのではないでしょうか。
しかし、お金よりも一番大切なのは「目指す部屋のスタイルに合うか」ということ。どれだけ高い家具や雑貨を購入しても、統一感に欠けたり、バランスが悪かったりすると、おしゃれには見えません。
予算が限られている場合は、長く使いたいものやこだわりたいものにお金をかけ、それ以外の小物や消耗品などは安く買う。そのようにして全体的な費用を抑えるのがいいでしょう。棚や小物入れなどは、素材だけを買ってきてDIYするというのも一つの手です。
自分にとって好みで、快適な空間を
「おしゃれな部屋」をつくるには、まず自分の好きなスタイルを明確にすること。それから統一感を意識し、きちんとサイズを測ってから家具を購入していきます。生活感を隠すことも重要なポイントになるため、収納方法を考慮するのも忘れないように。
ただし、おしゃれを意識しすぎて窮屈に感じてしまっては元も子もありません。あくまで「自分にとって好みで、快適な空間」を目指すことを忘れずに、楽しみながらおしゃれな部屋作りをしていきましょう!