リノベーションのアイデア11選|間取り・家事・収納の実例と住んでから後悔しないコツ

リノベーションのアイデアは、写真で見た印象よりも「毎日の困りごとを1つ減らせるか」で選ぶと、住んでから後悔しにくくなります。 実際に、クジラでリノベーションしたお客様が住み始めてからよかったと話しているのは、洗濯の移動、階段の上り下り、子どもの見守り、収納といった毎日の暮らしにかかわる工夫です。
この記事では、クジラのデザイナーが設計で気をつけていることと、リノベーション後に住んでいるお客様(OB)の声をもとに、間取り・家事・収納のアイデアを11個紹介します。11個のうち5個は、施主様インタビューで住み始めてからの感想が公開されています。
壁掛けテレビの配線、棚のための壁の下地、コンセントの位置、階段の寸法などは、工事が終わってから変えるのが難しいものです。気になるアイデアは、設計の打ち合わせの段階で伝えておきましょう。
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| アイデア | 減らせる困りごと | 住んでからの声 |
|---|---|---|
| 1. キッチンと洗面所をつなげる | 料理と洗濯の行き来 | デザイナーの提案 |
| 2. 洗う・干す・しまうを同じ階にする | 洗濯物を持った階段の上り下り | お客様の声あり |
| 3. 階段の傾斜を緩やかにする | 荷物を持った上り下りの負担 | お客様の声あり |
| 4. 壁掛けテレビにする | 子どもが電源コードを触る | お客様の声あり |
| 5. キッチンからリビングが見える | 料理中に子どもの様子が見えない | お客様の声あり |
| 6. 書斎からリビングが見える | 在宅勤務中に子どもの様子が見えない | デザイナーによる紹介 |
| 7. 廊下に書斎や洗面所を置く | 移動だけの廊下で面積が足りない | デザイナーの提案 |
| 8. 収納を背中合わせにする | 奥行きのある物のしまい場所がない | お客様の声あり |
| 9. 壁に角度を付ける | 狭い家で玄関から先が見通せない | デザイナーの提案 |
| 10. 壁に下地を入れておく | 後から棚を付けられない | デザイナーの提案 |
| 11. コンセントを使う場所に置く | 数はあっても使いにくい | デザイナーの提案 |
※「お客様の声あり」は、施主様インタビューで住み始めてからの感想が公開されているものです。
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リノベーションで家事がラクになるアイデア3選
家事の負担を減らすには、よく行き来する場所を近づけるのが基本です。キッチンと洗面所、洗濯機と物干し場と収納、上下階をつなぐ階段がその代表です。
キッチンと洗面所をつなげて家事の行き来を短くする

キッチンと洗面所を隣り合わせにしてつなげると、料理をしながら洗濯を進めやすくなります。同じように、玄関からウォークインクローゼット(WIC)までをつなげると、身支度をして出かけるまでの移動が短くなります。
ただし、ぐるりと回れる間取り(回遊できる間取り)にすると、通路が増える分、収納スペースが減ります。採り入れるかどうかは、収納を十分に取れる面積があるかで判断しましょう。
洗面所の位置を変えて配管を動かすレイアウト変更の一般的な目安は、40万〜80万円(1箇所)です。
洗う・干す・しまうを同じ階にまとめて階段の往復をなくす

戸建てでは、1階に洗濯機、2階に物干し場がある家が多く、重い洗濯物を持って階段を上がることになります。大阪市福島区の戸建て(99.27㎡)では、脱衣所に洗濯機と室内干し用のハンガーパイプを置き、すぐ隣に収納部屋を設けて、洗う・干す・しまうを1つの階で済むようにしました。
住み始めたお客様は「洗濯ハンガーと洗濯機が横にあって洗濯物は干しやすいし、畳んだらすぐ隣のファミリークロークに入れることができて、ずいぶん家事が楽になりました」と話しています(施主様インタビュー)。打ち合わせで最も議論したのが、この水回りの配置だったそうです。

菅原 沙絵担当デザイナー
お風呂を1階へ移して洗濯を1フロアで完結
家事にかける時間を減らしたい、ファミリークロークが欲しいというご要望から、洗濯の移動ができるだけ短くなるように提案しました。リノベーション前は2階にあったお風呂を1階に移し、LDKの広さの確保と家事のしやすさを両立させています。
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階段の傾斜を緩やかにして荷物を持った上り下りをラクにする

階段は、1段の高さ(蹴上)を低く、足をのせる奥行き(踏面)を広くすると傾斜が緩やかになり、洗濯物などを持っていても上り下りしやすくなります。
大阪府羽曳野市の長屋(66.56㎡)では、一般的に210mm前後の蹴上を195mmに、220〜230mm程度の踏面を240mmにしました(担当デザイナーのインタビュー)。この住まいでは、お風呂などの水回りを2階に配置しています。

住み始めたお客様は「傾斜も緩やかになったので、上がり下りがすごくしやすいです」と話しています(施主様インタビュー)。引っ越し後には「階段が苦しいものというイメージから楽しいものに変わった」という声も届いたそうです(担当デザイナーのインタビュー)。
片山 飛翔担当デザイナー
30年以上住むなら苦にならない階段に
階段の上りやすさを考えて設計すると、家事の負担を少しでも減らせると思います。今後30年以上住む家だと考えると、苦にならない階段にしておくのがよいと思います。
階段を緩やかにするには、階段そのものをつくり直す工事になります。同じ場所でつくり直す架け替えの一般的な目安は60万〜100万円(1箇所)です。緩やかにすると段数が増えて階段が長くなるため、同じ場所に収まらず位置を変える場合は、一般的な目安が150万〜300万円(1箇所)になります。ほかの部屋の広さとあわせて検討しましょう。
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子どもやペットがいる家に向くリノベーションのアイデア3選
小さな子どもやペットがいる家では、触ると危ないものを減らすことと、離れた場所からでも様子が見えることが、住んでから効いてくるポイントです。
壁掛けテレビにして子どもが触る電源コードを出さない

壁掛けテレビにして電源コードが出ないようにすると、小さな子どもやペットがコードを触る心配を減らせます。
大阪市北区のマンション(55㎡)のお客様は、リノベーションした当時はまだお子さんがおらず、リビングがすっきり見えるという理由で壁掛けテレビにしました。お子さんが生まれてから「壁掛けテレビにして良かった」と実感しているそうで、その理由を「なんでも触っちゃうので」と話しています(施主様インタビュー)。
高橋 桃子担当デザイナー
コードを隠すなら工事中に配線を
見た目のよさだけでなく、小さな子どもやペットがいる家庭にも壁掛けテレビをおすすめします。コードを完全に隠そうとすると工事中に配線する必要があるので、事前に考えておくとよいと思います。
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キッチンからリビングが見える間取りで料理中も子どもを見守る

キッチンからリビングが見えると、料理をしながら子どもの様子を確認できます。家族の様子が分かるため、コミュニケーションも取りやすくなります。
福島区の戸建てでは、キッチンとリビングの間に階段があり、壁で囲むとそれぞれの空間が孤立してしまう間取りでした。そこで構造に必要な筋交い(ブレース)を入れたうえで階段まわりの壁を透明にし、手すりも細く加工して、キッチンからリビングまで見通せるようにしています。透明な壁の素材は、子どもがぶつかったときの安全を考え、ガラスではなくアクリルを提案しました(施主様インタビュー)。
お客様はこの透明な壁(お客様の呼び方では「ガラスパーテーション」)について、「一番やってよかったなと思うところです」と話しています。

住み始めてからの変化について、お客様は「リノベーションをしてから、キッチンが子供たちから見えやすくなったからか、ご飯の準備の支度をよく手伝ってくれるようになりました」と話しています。
菅原 沙絵担当デザイナー
家族の様子を感じられると会話が生まれる
家族が何をしているのかを感じられるようにすると、コミュニケーションが取りやすくなると思います。壁で区切ると孤立してしまうため、階段まわりの見通しをよくし、手すりも視線の邪魔にならないように工夫しました。
対面にするキッチン本体(I型システムキッチン)の一般的な目安は、60万〜110万円(1台)ですが、対面キッチンを希望される方には「デザイン性にもこだわりたい」というニーズも多いので、気に入ったキッチンが予算オーバーになることも。キッチンを主役に考える人は様々なキッチンを比較して検討しましょう。
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書斎からリビングが見える配置で在宅勤務中も家族とつながる

在宅勤務の場所を個室に閉じず、リビングが見える位置に置くと、仕事をしながら子どもの様子を確認できます。
大阪市北区のマンション(65.13㎡)では、リモートワークをしながらリビングで遊ぶお子さんが見えるように間取りを考えました。ワークスペースは夫婦で仕事をしても十分な幅があり、後ろの壁一面に造作の本棚を設けています。
菅原 沙絵担当デザイナー
別のことをしていても同じ空間にいられる
別のことをしていても家族が同じ空間にいられる間取りなら、子どもが仕事に興味をもったり、つながりを感じられる家になると思います。書斎の後ろの本棚にはお子さんの図鑑なども置いているようで、家族で楽しく過ごしているようです。
書斎を半個室にする場合の一般的な目安は、15万〜50万円(1箇所)です。
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リノベーションの間取りアイデア3選|狭い家を広く使う
面積が限られる家では、部屋を増やすより、1つの場所に2つの役割を持たせることと、見えていない空間を使うことが効果的です。
廊下に書斎や洗面所を置いて1つの場所に2つの用途を持たせる

廊下を移動するだけの場所にせず、書斎や洗面所を兼ねさせると、限られた面積でも欲しい場所をつくれます。特にマンションは面積が限られるため、1㎡あたりの用途の数に注目すると、面積を有効に使えます。
大阪府柏原市のマンション(59.40㎡)では、家の真ん中の廊下に書斎を設けました。どこからも行き来できるため、ちょっとした作業がしやすい場所です。玄関を入ってすぐに見えるので、きれいにしておけば家の顔にもなります。

片山 飛翔担当デザイナー
廊下が多いと欲しい部屋がつくれなくなる
廊下は移動するだけの空間なので、廊下が多いとほかに欲しい部屋がつくれなくなることがあります。廊下に洗面所や書斎をつくると、1㎡あたりの用途が2つになり、限られた面積でも必要なスペースをつくれます。
廊下の一角にカウンターを設けるような開いた書斎(オープン型)の一般的な目安は、8万〜30万円(1箇所)です。間仕切りとドアを新設する個室型にすると、一般的な目安は50万〜120万円(1箇所)になります。
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キッチンと洗面所の収納を背中合わせにして奥行きのある物もしまう

収納は床の広さだけでなく、壁の厚みや奥行きまで立体的に考えると、使えていなかった空間を見つけられます。
大阪市淀川区のマンション(84㎡)では、キッチンと洗面所の収納を背中合わせに配置しました。棚の一部の奥行きを深くとることで、奥行きのある収納ボックスもすっきり収まります。

このお宅で一番議論した点を尋ねると、お客様の答えは「圧倒的に収納ですね」でした。お客様は打ち合わせを振り返り、「収納の大きさも高さも自分たちの思い通りにできた」と話しています。インタビューでは、この背中合わせの収納が「キッチン収納と背中合わせになっている洗面所収納」として写真付きで紹介されています(施主様インタビュー)。
片山 飛翔担当デザイナー
平面だけでなく立体的にスペースを考える
平面的にスペースを有効に使うことも大事ですが、立体的に考えると無駄にしているスペースを見つけることができます。背中合わせの収納では、デッドスペースを活用して奥行きのある収納ボックスもすっきり収められます。
クジラの施工例では、キッチンの壁面収納を20万円(税別)でつくった例があります。
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壁に角度を付けて玄関からの視線を窓の外へ抜く

部屋を壁でまっすぐ区切るのではなく、壁に角度を付けて視線を誘導すると、狭い家でも広く感じられます。
面積が40㎡ほどの住まいでは、洗面所の壁に角度を付けて、玄関から見たときの視線が窓の外に抜けるようにしました。シューズクロークも壁の向きを工夫し、玄関からは中が見えにくく、中は広く使えるようにしています。

当時この住まいの設計を担当したデザイナーは、「ここの家は面積が40㎡くらいしかないけど、壁の角度を工夫して広く感じられるようにしました」と話していました(2023年7月公開の本記事(旧版)より)。玄関からの視線が広くなることで、開放感のある部屋になります。
間仕切りの壁を設ける工事の一般的な目安は、8万〜25万円(1箇所)です。
リノベーションで住んでから後悔しないためのアイデア2選
住んでから「こうしておけばよかった」となりやすいのは、壁の中や配線など、完成後には見えなくなる部分です。工事中でないと手を入れにくいため、設計の段階で決めておきましょう。
棚を付けそうな壁には下地を入れておく
後から収納棚が必要になりそうな場所には、壁の中に下地を入れておくのがおすすめです。

デザイナーの柳川によると、一般的な壁に使われる石膏ボードには釘を固定することができません。合板などの下地を入れておけば、釘を固定できるようになります。下地が入っていないと、後から固定の棚を足したくても付けられません。
どこに下地を入れるかは、設計の段階からデザイナーと確認しておきましょう。
コンセントは数より使う場所に合わせて配置する
コンセントは数だけでなく、使い方に合った位置にあるかが大切です。
当時のデザイナーは、洗面所を例に挙げています。ドライヤーのコードをつないだまま収納したい場合、コンセントは天板の上ではなく、引き出しの奥につくることになります。「普段の生活でどうやって使っているか」を1つずつ確認する作業は大変ですが、後悔しない家づくりに大切な工程だと話していました(2023年7月公開の本記事(旧版)でのコメントを要約)。
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リノベーションのアイデアは今の住まいの困りごとから選ぶ
紹介した11のアイデアは、どれも「家事の移動が多い」「子どもの様子が見えない」「面積が足りない」「後から棚やコンセントを足せない」といった、具体的な困りごとから生まれたものです。写真で見て気に入ったアイデアも、自分の家の困りごとを減らすかどうかで選ぶと、住んでから後悔しにくくなります。
- 今の家で困っていることを書き出す:洗濯物の移動、子どもの見守り、しまう場所がない物など。
- 工事中にしか決められないことを先に伝える:テレビの配線、棚のための下地、コンセントの位置、階段の寸法。
- 広さとの引き換えを確認する:たとえば回遊できる間取りは、通路が増える分だけ収納が減る。
クジラのデザイナーの多くは、打ち合わせで「お客様の今の住まいのありのままを見たい」と考えています。要望は言葉でお聞きしますが、一番の課題やささいな情報には、お客様自身も気づいていないことが多いためです。今の住まいの使い方を見せていただくことが、その家に合ったアイデアを選ぶ近道になります。
見せ方の工夫を知りたい方は、デザイナーが解説したリノベーションのアイデア集もあわせてご覧ください。
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デザイナー
行き来しやすさと収納の量を比べて決める
家事の効率を上げるには、移動のしやすさを考えるのがよいと思います。回遊できる間取りは便利な反面、収納スペースが少なくなるので、収納を十分に取れる面積があれば採り入れてもよいアイデアです。