2026.10.24
最終更新日
2026.10.24
リノベーションのヒント

家が火事になったらどこに住む?仮住まいの探し方と、住まいを立て直すまでの段取り

中古戸建のリノベーション

家が火事になって住めなくなったら、その日の夜は役所の案内する場所か親族の家に身を寄せ、家を直すあいだは仮住まいに移るのが一つの流れです。仮住まいには、自治体によっては市営住宅を一時的に使える制度があり、申し込みに罹災証明書が要ることがあります。住む場所の見通しを立てたら、家の状態を見てもらい、工事の範囲を決めてから工事に入ります。

この記事では、火事のあとに住む場所をどう確保したか、立て直しまでにどんな段取りと時間がかかったかを、クジラが火事からのリノベーションを担当した大阪府と京都府城陽市の2軒の実例と、公的機関の情報で紹介します。

LINEで相談・無料診断リノベーションについて相談する

家が火事になった当日の夜はどこに泊まるか

火事の当日は、家をどう直すかより先に、今夜どこで寝るかと、手続きの話が動きます。役所の案内する場所に泊まる方法と、親族の家に身を寄せる方法があります。

大阪府の木造の戸建てで火事にあったD様は、帰宅したときに家の中から白い煙が出ていて、すぐに消防を呼びました。消防の方が来たあと、役所の方も駆けつけ、近所に寝泊まりできる場所があると案内してくれました。D様は次の日から普段どおり仕事に行き、火災後の書類や申請手続きも、そのときに教わっています。

火事の直後のキッチンとダイニング。天井の板がはがれ落ちて下地が見え、冷蔵庫や食器棚が黒く焦げている

写真は、火事の直後のD様の家のキッチンです。天井の板がはがれ落ち、冷蔵庫や食器棚が黒く焦げています。

京都府城陽市の戸建ては、お母様が一人で暮らしていた家で、火事で家財は2階の一部屋を残して焼けました。お客様は当時、大阪府枚方市に住み、週末によく実家に帰っていて、火事のときもたまたま一緒にいました。

「枚方に住んでいたので、すぐに帰る場所がありました。母も叔母の家に住まわせてもらえて、その後家の近所で仮住まいが見つかったんです」

お客様は枚方の自宅に戻り、お母様は叔母様の家に身を寄せたあと、実家の近くに仮住まいを見つけています。

家を直すあいだの仮住まいは市営住宅の一時使用も候補

家を直すあいだの仮住まいには、火事などで家に住めなくなった人に、市営住宅を短い期間使えるようにしている自治体があります。

D様は、役所の方から仮住まいの打診を受けました。当時、娘様が大学の近くで一人暮らしをしていたので、いったんそこに身を寄せてから、仮住まいの市営住宅に移っています。

「仮住まいの市営住宅はすきま風だらけで寒かったんですけど、家族で『なんかアウトドアみたいだね』って一つのこたつに入って笑い合ったりして」

▼コチラの記事もおすすめ

京都市では火事のあと市営住宅を最長1年まで使える

京都市では、火事や風水害などで家に住めなくなった人が、家を直すか新しい住まいを見つけるまでのあいだ、市営住宅を無償で使える制度があります。主な内容は次のとおりです。

  • 対象:京都市内で、火事や自然災害で家に住めなくなった人(り災証明書を出せる人)。火事を故意に起こした人は対象外。収入や、家を持っていないことなどの、通常の入居の条件は問わない
  • 期間:3か月。やむを得ないと認められれば、3か月ごとに更新して最長1年まで
  • 使用料:無償。光熱水費と共益費は自己負担
  • 申し込み:被災後1か月以内に、市営住宅一時使用許可申請書に、り災証明書、誓約書、本人確認書類の写しを付けて提出
  • 住宅:今のまま使える空き住戸から決まる。世帯の人数や前に住んでいた地域にはできるだけ配慮されるが、希望どおりにならないこともある

同じような制度があるか、期間や申し込みの期限は、自治体ごとに違います。仮住まいを探しはじめるときに、お住まいの市区町村の住宅の担当窓口に聞いておきましょう。大阪市では、申し込みに要る罹災証明書(火災)を、火事のあった場所を管轄する消防署の窓口か、大阪市行政オンラインシステムで申請できます。

参考:京都市「火災等被災者の市営住宅の一時使用について」/大阪市「り災証明書(火災)」

LINEで相談・無料診断リノベーションについて相談する

火事から住まいを立て直すまでの段取り

仮住まいが決まったら、家の状態を見てもらい、どこまで直すかを決めてから工事に入ります。仮住まいにいる期間は、この段取りと工事の期間を足した長さになります。2軒の実例では、次の順で進みました。

①初回の調査で焼けた家の状態を見てもらう

家の状態の見立てが遅れると、工事の範囲も、仮住まいにいる期間も決まりません。D様の家では、初回の現地調査の進め方を変えています。

高橋 桃子高橋 桃子

担当デザイナー

初回の現地調査に大工も同席

通常の現地調査では、まず営業・デザイナー・施工管理が現地を確認し、必要に応じて後日、大工や職人を呼びます。ただ、この工程を順番にやっていくと、見立てに時間がかかり、予算や工期がブレてしまいます。火事のあとの数週間、D様の不安がいちばん大きい時期に、答えを出すのが遅れるのは避けたい。そこで、普段は行わない初回の現地調査に大工も同席してもらいました。

城陽市の住まいでは、問い合わせのあと社員がすぐに現場を見に行き、壁や鉄筋の損傷を調べる会社をクジラが紹介しました。

②焼けた家財を片付ける

城陽市のお客様は、何が燃えたか、いつ、いくらぐらいで買ったかの一覧表をまとめるのに、3か月ぐらいかかったと話しています。焼けた家財の処分費用の減免と罹災証明については、火事のあとの片付けの記事で紹介しています。

③やる工事とやらない工事を家族で決める

D様の家は半壊で、どこを残しどこを新しくするかを現地で何度も打ち合わせて決めました。当時大学生だった娘様も加わり、娘様が通っていた大学の学食で、ランチをとりながら見積もりの詳細や保険会社との調整、間取りを話し合っています。

どこを直しどこを残すかの決め方は、一部が焼けた家の記事で詳しく紹介しています。火事にあった家の修復の考え方は、火事にあった家のリフォームの記事もご覧ください。

④においを抜いてから工事に入る

城陽市の住まいでは、オゾン脱臭装置を2週間動かし、そのあと換気をして、においが抜けたのを確かめてから工事を始めています。臭いの取り方は火事の臭いの記事で紹介しています。

⑤工事の期間は約90日と約120日だった

2軒の工事そのものの期間(工期)は、次のとおりです。

  • 大阪府の木造の戸建て(半壊・106.11㎡・フルリノベーション):工期 約90日
  • 京都府城陽市のプレキャストコンクリート造の戸建て(全焼・約107㎡・外壁、外構、窓サッシを含むフルリノベーション):工期 約120日
LINEで相談・無料診断リノベーションについて相談する

仮住まいから戻った2軒の住まい

D様の家は、ダイニングで事務作業をして書類が散らかりがちだったため、A4サイズが入るキャビネットの奥行きに合わせて、キッチンカウンターの壁をつくりました。

直したあとのダイニングとキッチン。白い柄の壁紙とシャンデリア、ブルーグレーの室内ドアがある

写真は、直したあとのD様の家のダイニングとキッチンです。白地の柄の壁紙に、ブルーグレーの室内ドアを合わせています。

↓こちらの施工事例もご覧ください

城陽市の住まいは、お母様が暮らしやすいよう、玄関・トイレ・お風呂に手すりを付け、水回りの段差もなくしました。お客様もこの家に移り、お母様と一緒に住んでいます。

直したあとの玄関。木目の玄関ドアの奥に、手すりの付いた上がり框と廊下が見える

写真は、直したあとの城陽市の住まいの玄関です。上がり口の壁に手すりを付けています。

↓こちらの施工事例もご覧ください

火事のあと仮住まいを決めるときに

家が火事で住めなくなったら、当日は役所の案内する場所か親族の家に身を寄せ、家を直すあいだは仮住まいに移ります。京都市のように、火事のあとに市営住宅を一時的に使える自治体もあり、その申し込みには罹災証明書が要ります。仮住まいにいる期間は、家の状態の調査、焼けた家財の片付け、工事の範囲決め、においを抜く期間、工事を足した長さになります。

大阪府のD様は、火事の夜は役所の案内で近所に泊まり、娘様の部屋に身を寄せたあと、仮住まいの市営住宅に移りました。工事は約90日でした。城陽市の住まいでは、お客様は枚方の自宅に戻り、お母様は叔母様の家に身を寄せたあと実家の近くに仮住まいを見つけ、においを抜く2週間を経て、約120日の工事で、お母様と一緒に住める家にしました。

まずは罹災証明書を申請し、お住まいの市区町村の窓口で、仮住まいに使える公営住宅があるか、申し込みの期限はいつかを確かめてみてはいかがでしょう?

LINEで相談・無料診断リノベーションについて相談する
WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

高橋 桃子MOMOKO TAKAHASHI

和歌山県和歌山市出身 / 実際の現場だけではなく、資料など全ての細部にまでこだわるようにしています。 / 海辺のお家を購入後に自分好みにリノベをして、猫とのんびり住むのが将来の夢の1つです

リノベーションの相談・各種ご予約はこちら