【12種類を解説】好みのフローリングをリフォーム・リノベーションに活かそう!
こんにちは!クジラ株式会社デザイナーの松尾です。
Writer 松尾翔 デザイナー WORKS 大学院中退後は設計デザイン事務所で修行を積み、2018年にクジラにジョイン。住宅から店舗まで幅広く設計案件を担当。「SEKAI HOTEL」のデザイン統括も担当している。 CREATOR’s STORY|松尾 翔 |
リフォーム・リノベーションのプランを検討する際に、床をどういったものにするかはとても重要です。その中でも選ばれる床材として、圧倒的人気を誇るのがフローリング。
僕たちが日々、たくさんのお客様とリフォーム・リノベーションについて打ち合わせをしている中で、「フローリングにすることは決めているが、何を選ぶかは決まっていない」という方が案外多いことに気づきました。
リフォームやリノベーションという言葉を聞いて、フローリングという床材のワードが思い浮かべるのは比較的容易ですが、デザイン面では非常に重要です。視覚的にも空間の大部分を占めますし、“足が触れる”という点においても、質感についてこだわりたいところです。
選ぶフローリングによっては、ほんのり香りがするものもあるので、人の五感に訴えかける物とも言えます。
全て覚える必要は無く、フローリング選びが楽しくなれば幸いです。ぜひお付き合いください!
Profile 松尾 翔 Sho Matsuo デザイナー 兵庫県神戸市出身 / 私たちの仕事はカッコいい空間を作ることではなく、お客様の暮らしがより素敵になるようにデザインすることです。 プロとしてお客様のご要望を叶えるだけではなく、言葉にできない “想い” を引き出し、表現することを心掛けています。 |
目次
見栄えもいろいろなフローリング12種
フローリングについて専門知識を覚えようとするとかなり難しいと思います。
やっぱりリフォーム・リノベーションは楽しく考えるのが一番!ということで、ここからは「様々な見栄えのフローリングがある」というところからみなさんに説明したいと思います。
フローリングによって色が違ったり、柄が違ったりするのはイメージできる人も多いのではないでしょうか。フローリングは大きく分けても12種類もあります。
Instagramなどで憧れたオシャレ空間の写真と見比べて、「このフローリングはこれかな?」と照らし合わせてみるとイメージが湧きやすいかもしれませんね。
広葉樹(こうようじゅ)のフローリング
まずは広葉樹のフローリングについて説明します。広葉樹の木材を使用したフローリングは、その「硬さ」が特徴です。
傷が付きにくく、温度差・湿度差などによる収縮・膨張もしにくい性質を持ちます。
オーク(ナラ)
ブナ科で、どんぐりの実がなる樹木としても有名なオーク(ナラ)。
独特の模様は「虎斑」と呼ばれます。 とても硬質で弾力も持ち合わせています。ウイスキーなどの醸造樽としても利用されるほど、耐水性・耐久性にも優れています。
リフォーム・リノベーションのプランを考えるときにも、割と無難にコーディネートしやすいフローリングは、このオーク(ナラ)ではないでしょうか。
▼オーク(ナラ)のフローリングを使用したリノベーション事例はコチラ!
フローリング面積:21㎡/リノベーション費用:215,800円(税別)
▼オーク(ナラ)についてもっと知りたい方はコチラ!
メープル(カエデ)
カエデ科の「メープル」は広葉樹の中でも、特に硬いのが特徴です。きめ細かく、白っぽく爽やか。さらに、摩擦や衝撃に強いのが魅力です。
木目もあまり主張が強くないので、シンプルなコーディネートに持ってこいのフローリングです。
▼メープル(カエデ)のフローリングを使用したリノベーション事例はコチラ!
フローリング面積:26㎡/リノベーション費用:288,300円(税別)
▼メープル(カエデ)についてもっと知りたい方はコチラ!
ウォルナット(ウォールナット)
クルミ科の「ウォルナット(ウォールナット)」は、落ち着いた色味が魅力です。「世界三大銘木」として有名(他の2つはチークとマホガニー)で、その重厚感はフローリングだけでなく、家具や内装材としても愛されています。
上記写真の「ブラックウォルナット」は、シックでモダンな空間にしたいときに使います。
床が落ち着いた色で締まりのあるコーディネートですよね。フローリングに用いるだけで、上品なイメージを演出してくれます。
▼ウォルナット(ウォールナット)のフローリングを使用したリノベーション事例はコチラ!
フローリング面積:30㎡/リノベーション費用:350,000円(税別)
▼ウォルナット(ウォールナット)についてもっと知りたい方はコチラ!
ブラックチェリー
時間が経つことで深みが出てくるのがバラ科サクラ属の「ブラックチェリー」。きめ細かくて手触りも心地良い高級な木材です。
ブラックチェリーは独特のレッドブラウン色が人気の理由と言えます。
こちらは僕が担当した一戸建て(いっこだ-て)リノベーションのダイニングです。お客様が計画していたインテリアを工事前からしっかりと把握し、キッチンの戸棚や天井の仕様についてもフローリングとのバランスを整えました。
▼ブラックチェリーのフローリングを使用したリノベーション事例はコチラ!
フローリング面積:35㎡/リノベーション費用:383,000円(税別)
▼ブラックチェリーについてもっと知りたい方はコチラ!
チーク
耐久性といえば「チーク」です。とても硬くて、害虫にも強いのが特徴です。こちらもウォルナットと同様に「世界三大銘木」として数えられます。
天然の油分が多く、船舶の看板に使用されるほど耐水性も強い木材でフローリングに向いています。さきほどのブラックチェリーのように経年による色の変化を楽しみたい人にもオススメです。
▼チークについてもっと知りたい方はコチラ!
チェスナット(チェストナット/栗)
独特のうねりがある木目が印象的な「チェスナット(チェストナット/栗)」。
硬くて湿気に強いので耐腐食性が高く、耐久性に優れています。
▼チェスナット(チェストナット/栗)についてもっと知りたい方はコチラ!
タモ(アッシュ)
木目がはっきりしているフローリングを好む人は先ほどのオーク(ナラ)か、この「タモ(アッシュ)」を選ぶと良いでしょう。
野球のバットに使われているのは有名な話で、弾性と加工のしやすさが特徴です。リフォーム・リノベーションで使用する場合は、塗装のしやすさが選ばれる理由のひとつでもあります。
▼タモ(アッシュ)についてもっと知りたい方はコチラ!
バーチ(カバザクラ)
「バーチ(カバザクラ)」は桜とは別物ですが、うすいピンクや白系のものが多く、桜のような淡い色のためカバザクラという愛称を持ちます。
木目があざやか、くせが少ない木材として、フローリングだけでなく家具で使われることも多いので、幅広い年代の方に選ばれています。
▼バーチ(カバザクラ)についてもっと知りたい方はコチラ!
ローズウッド
重厚感、紫や赤紫のしま模様のフローリングといえば「ローズウッド」です。
古くから希少性が高く、家具だけでなく仏具にも使われてきた木材です。紫檀(したん)とも呼ばれます。
針葉樹(しんようじゅ)のフローリング
次に針葉樹を使用したフローリングです。
無垢(むく)フローリングで使われることが多い針葉樹ですが、なんと言っても肌触りが良い。優しい。暖かい。そんな印象を受けるフローリングです。
つまり、広葉樹のフローリングと比べて「柔らかい」のが特徴となります。
そのため、傷がつきやすく、修復もしやすい。この柔らかさはしっかりと事前に検討してからフローリングを選びたいですね。
パイン(松)
裸足で過ごすなら断然「パイン」です。全体的に白っぽい材質に節が多くある見た目も特徴的です。
子ども部屋など“可愛らしい”コーディネートにするときに使う人も多いです。前述の柔らかさもあって、経年によるフローリングの変化(深い飴色に変わる)も楽しめます。
▼パイン(松)についてもっと知りたい方はコチラ!
ヒノキ
とにかく日本人に根強い人気を誇るのが「ヒノキ」です。湿気に強く、耐水性・耐腐食性にも優れています。
旅行で泊まった宿泊施設がヒノキ風呂だったりするとなぜかテンションが上がりますよね。リラックス効果が期待できるヒノキならではの香りや、美しい木目もフローリングとして魅力です。
▼ヒノキについてもっと知りたい方はコチラ!
スギ
日本固有種である「スギ」。
先ほどのヒノキと同様に日本人に非常に馴染み深い木材です。肌触りの良さや爽やかな香りなどが愛される理由でしょう。
写真の事例は、お客様が「とにかくホッとできるような空間」というご要望を頂いていたのでフローリング材としてスギを選びました。
裸足で歩いた時の感覚と、ほんのり香る独特の匂いがリラックスできるリビング空間を演出しています。
▼スギのフローリングを使用したリノベーション事例はコチラ!
フローリング面積:36㎡/リノベーション費用:620,000円(税別)
▼スギについてもっと知りたい方はコチラ!
フローリングの基礎知識
少しここで、専門的な部分にも触れておきます。フローリングとは主に加工方法によって「単層(たんそう)フローリング」と「複合フローリング」の2種類に分かれることを覚えておきましょう。
単層フローリングとは、一本の丸太から切り出して加工した一枚板のフローリングのことです。「無垢材」と呼ばれるフローリングは全てこの単層フローリングということになります。
一方で複合フローリングは、集成材または樹脂・紙などの基材の表面に薄く削った木や木目をプリントしたシートを貼ったものです。
複合フローリングを選ぶ人が多い印象ですが、最近は木材本来の香りや見栄え、裸足で歩いた時の心地良い踏み心地を求めて無垢材(単層フローリング)を選ぶ人も増えてきたように思います。しかし同じ木材のフローリングを比べても、無垢材はコストが高くなるので慎重に選んだほうが良さそうですね。
▼無垢材について知りたい方はこちらもオススメ!
フローリングと比較したい床材
もちろんフローリング以外の床材を選ぶ場合もあります。
フローリングは費用がほかの床材と比べやや高めなので、リフォーム・リノベーションの総コストを考えるのであれば、フローリングよりも安く実現できる床材をおすすめします。
また木目以外の質感を楽しみたい人は、別の床を材検討してみましょう。
一口に床材と言っても、
・クッションフロア
・塩ビタイル
・長尺シート
・タイル
・カーペット
など選択肢はたくさんあります。
予算面以外でも、居室内の「生活感をなるべく消したい」という方は、商業施設などのデザインを参考にするといいかもしれません。
そんな時はフローリング以外の選択肢も出てきます。
▼フローリング以外の床材について知りたい方はコチラ!
まとめ
いかがでしたか?フローリングと言ってもいろいろあるので、悩んでしまいそうですね。(笑)
しかし、まずは直感的に「好き」「好きじゃない」という判断で良いと思います。Instagramなどからお気に入りの写真を見つけたときに、ぜひ「このフローリングってブラックチェリーかな?」くらいに思っていただけたら、フローリング選びも楽しくなりそうですね。
「北欧風がいいな」「ホテルのようにしたい!」など、お部屋の雰囲気(デザインテイスト)からコーディネートの方向性を考えたい方は、こちらの記事もオススメです。
ある程度自分の好きなフローリングがわかっていれば、そこからは僕たちリフォーム・リノベーションのプロの出番です。皆様からのご相談、楽しみにお待ちしております。
▼デザイナー松尾のインタビュー記事はコチラ!
中古マンション・中古戸建を購入してリノベーションを検討したい方はこちらから!持ち家のマンション・戸建をリノベーションしたい方はこちらから!